どんだけ決まるのかい?オンサイドキック

起死回生のバクチワザ

JETSに動きが無いうちに映画紹介に続いて、このコーナーもやっておきましょ。
もはや連載が終わってから1年半以上も経ってしまったアイシールド21。久しぶりに見ると、ややこしいアメフトの防具をよくぞココまで丁寧に書きまくったなと、作画能力に関心します。

で、今回は全国の小中学生にその名を知らしめた奇策「オンサイドキック」がテーマでございます。
この漫画の中でオンサイドキックを実行したのは、東京大会準決勝の西部ワイルドガンマンズ戦(失敗)、全国大会1回戦の神龍寺ナーガ戦(成功)、クリスマスボウルの帝黒アレキサンダース戦(成功)の3回のうち2回成功と高確率で決めています。実際にはどうなんでしょうか?


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▼オンサイドキックとは?
本来、キックオフの時にキッキングチームは、相手のオフェンス開始地点をエンドゾーンから離れさせるために、思いっきりボールを蹴るのですが、オンサイドキックは近くに蹴って、相手より先にボールを確保する事によって、キッキングチームがオフェンスシリーズを開始する事を目的としています。
しかし、これをリターンチームにカバーされると、本来のキックオフよりエンドゾーンに近い地点からオフェンスをスタートされるというリスクを伴います。
じゃあ、足元に転がして抑えれば100%決まるのですが、以下のルールにのっとってボールを確保しないと反則になります。

・キックしたところから10yd以上の地点である
・ボールが一度バウンドするかレシーブチームに触れた後である
[訂正]
・10yd以上飛べば、その時点でフリーボールとなり、バウンドしなくてもキッキングチームは確保できます。
ただ、フェアキャッチされないようにバウンドさせる必要があるとご指摘を頂きました。JETS狂は皆様に支えられて生きております。m(_ _)m

オンサイドキックだからサイドに蹴らなくてはならないという事はありません。
普通にキックするよりボールの側面を蹴った方がバウンドが不規則になり、レシーブチームが取りづらいから、ボールの横を蹴るのです。
2010シーズンのプレーオフ、JETSvsペイトリオッツでペイトリオッツは2度のオンサイドキックを実行しましたが、2回ともサイドには蹴らずに正面に転がしました(2度とも失敗)。

 

▼オンサイドキックをするケース
オンサイドキックには2パターンあり、1つ目が試合終了直前で負けている側がキックオフするケース。
この場合は負けているキッキングチーム側は攻撃権を相手に渡したら敗北するので、どうしても攻撃権を得る必要がある事が明白。
この時はボールを確保しやすくするために、ブロッカーをキッカーの同列の蹴る方に並べます。つまり相手にも100%オンサイドキックを実行する事がバレているケースですね。

しかし、ボールを蹴る前に片側サイドに寄せるのは5人までと決まっており、キッカーを除く10人全員を片側に寄せる事はできません。


もう1つのケースがノーマルのキックオフポジションから、突然オンサイドキックを実行するケース。
時間もあり、大差でも無いのでセオリーからオンサイドキックをするハズが無いシーンにて、リターン側が完全に油断している意表をついて「まさか」のオンサイドキックを成功させる事により、連続して攻撃権を得ます。

分かりやすいのが第44回スーパーボウルでセインツが後半開始のキックオフで「まさか」のオンサイドキックを成功させたケース。
このオンサイドキックでモメンタムを掴み、セインツが強豪コルツ相手に逆転勝利しスーパーボウルを制しました。

マニングの攻撃時間を削らなければ絶対に勝てないという考えなのでしょうが、この大舞台で敢行する度胸には頭が下がります。

The_Saints_successfully_execute_an_onside_kick
ちなみにJETSもマンジーニ時代に、ファンの「J・E・T・S・JETS、JETS、JETS!!」の大合唱に似合わぬ、突然肩透かしなオンサイドを蹴って成功させてました。ファンは12人目のプレーヤーとはよく言ったものです。

 

▼パントと勘違いしてはならない点
キックオフとパントのボールの処理に関するルールは異なります。
パントはフィールドの外にボールが出ると、その地点からリターンチームのオフェンス開始となりますが、キックオフのボールがリターンチームに触れずに外に出ると反則を取られ、リターンチームは自陣40ydという有利な地点からオフェンスを開始します。

もう一つ重要なのがパントだとバウンドしたボールをキッキングチームがおさえたとしても、リターンチームがボールに触っていなければ、フリーボールにならず、結局リターンチームへ攻撃権が渡ります。
ボールをみんなで囲んで、完全に止まるのを待ってから拾うシーンがあるのはこのためです。

だが、キックオフは10yd超えた時点で誰が触っていなくてもフリーボールになります。
なので、オンサイドキックというものが成り立つのです。

以下の動画はパントの処理とキックオフとの処理の理解を誤った、マヌケなケースです。
10yd以上飛んだ時点でフリーボールなので、バウンドしてエンドゾーンに入ったらタッチバックにはならず、キッキングチームが抑えたらタッチダウンになるのです。

kickoff

 

▼オンサイドキックの成功率
長い長い前ふりでしたが、ここからが本題です。成功すれば試合の流れを変えるほどの力を持つオンサイドキックの成功率とはどれほどのものなのか?
ずばりその成功率はなんと驚きの!!

26%!!

意外に高い!!4回に1回は決まるのかい!!!( ̄□ ̄;)

しかし、オンサイドキックは特別なプレーですので、この数値は誤解を生みやすいのです。
オンサイドキックの成功は相手がそれを予測しているかどうかに、大部分が委ねられます。

:このグラフは縦がオンサイドキックの「Frequency(発生頻度)」で横が「Win Probablity(勝利する見込み)」です。

チームが勝利する見込みが0~10%の状況でオンサイドキックが発生する確率が約25%。
それ以外の状況でオンサイドを実行する可能性は0~5%と非常に低い事から、オンサイドキックはよほどの事でないとやらない事が分かります。



:次のグラフは縦がオンサイドキックの「成功確率」、横は同じく「勝利する見込み」です。
勝利する見込みがある時の成功率は非常に高い。つまり突然やるオンサイドキックは成功しやすいことが分かります。



「毎回オンサイドやったら4回1回は連続して攻撃が出来るじゃん」という安易な考え方に陥いりますが、相手にバレた時点で成功率が大幅に落ちるという点がミソです。
毎回やると分かっていたら、その成功率なんてゴミみたいなものになるでしょう。そして失敗したら、大リスクを背負うのは言うまでもありません。
オンサイドキックは通常、やらないに越したことがない戦術。しかし、たまに意表をついたオンサイドキックの成功率が高いために成功率26%という数値となるようです。

[参考文献]
Onside kick – wikipedia

Advanced NFL States
2ちゃんねるアメリカンフットボール実況用語集&AA集

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