ALL or Nothing
第43回スーパーボウルは史上最多の6度目の制覇を狙う「スティーラーズ」 vs NFL最古チームの初制覇を狙う「カーディナルス」という対極したチームの対戦。
昨年は無敗でスーパーボウルに進みながらも試合終了直前に逆転負けを喫した「ペイトリオッツ」が示すように、ここで負けたら今までの過程に意味はありません。
互いの全てを賭けた決戦は期待を裏切らないどころか、信じ難い衝撃的な内容となりました。
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▼第1Q
[スティーラーズ]
1stドライブから好調のスティーラーズ。WR”ハインズ・ウォード”へのパスを軽々通し、好調なドライブを続ける。
最後はQB”ロスリスバーガー”自らのエンドゾーンへギリギリ入りタッチダウン!
かつてシーホークスを破った試合を彷彿とさせる先制と思いきや、カーディナルスのチャレンジで判定が覆りタッチダウンが無効に。
ここで流れを与えないのは非常に大きい。やはりカーディナルスには奇跡を起こす見えない力が働きます。
FGでスティーラーズ先制。
3 – 0
[カーディナルス]
RB”エジャリン・ジェイムス”へのドロープレーでボールをこぼし息が合わず、カーディナルスの1stドライブはパントで終了。大舞台に浮き足だっている様子です。
[スティーラーズ]
逃げならがTE”ヒース・ミラー”へのパスを通しロングゲイン。長いドライブで敵陣10ydまで進み第1Q終了。
▼第2Q
[スティーラーズ]
カーディナルス守備は奮闘するも敵陣1ydからRB”ゲイリー・ラッセル”が突っ込み待望のタッチダウン。スティーラーズが点差を広げます。
10 – 0
[カーディナルス]
カーディナルスが反撃開始。WR”ラリー・フィッツジェラルド”が徹底的にカバーされるもパスを散らして前進。
RB”エジャリン・ジェイムス”がスクリーンパスからポラマルをかわして敵陣突入。
ホールディングで下がるもWR”スティーブ・ブレストン”へパスで繋ぎ。そしてWR”アンクワン・ボールディン”のラン・アフター・キャッチで一気に敵陣2yd。
ラストはTE”ベン・パトリック”へ浮かせたパスをヒットさせタッチダウン!!!!
カーディナルスのパスはスティーラーズに十分通用します。
10 – 7
[スティーラーズ]
ブライアン・ロビンソンがパスを弾きDE”チキ・オキアフォー”がインターセプト!!!!
来た!来た!来た!これがチーム史上最強のカーディナルス!!
[カーディナルス]
2ミニッツを切りRB”エジャリン・ジェイムス”がCB”アイク・テイラー”をかわして敵陣25ydに突入。
そしてようやく中央のWR”ラリー・フィッツジェラルド”が初キャッチで残り18秒で敵陣2yd。
このまま逆転かと思いきや、しかし!ワーナーのTDパスをLB”ジェイムス・ハリソン”がインターセプトしそのままリターン!。
ブロックに入るWR”スティーブ・ブレストン”とWR”ラリー・フィッツジェラルド”を引きずりながらもTDを決める。これが鉄のカーテンの恐ろしさか!?
17 – 7
▼ハーフタイム:ブルース・スプリングスティーン
▼第3Q
[スティーラーズ]
敵陣22ydからRB”ウィリー・パーカー”のランで敵陣4yd。しかしカーディナルスはこの攻撃も止めてFGで終了
かと思いきや!!なんとFGにフォルダーを倒してしまったため(ラフティング・ザ・ホルダー??)、スティーラーズ1stDown更新。これは致命的だカーディナルス。
だがこのピンチも結局TDを許さず、やっぱりFGで終了。カーディナルスは簡単にTDを許さない粘りから逆転を生み出せるか。
20 – 7
▼第4Q
[カーディナルス]
時間がないカーディナルス。ノーハドルでRB”J.J.・アーリントン”へのパスで敵陣突入。
そしてWR”ラリー・フィッツジェラルド”へパスを通して敵陣10yd。RB”ティモシー・ハイタワー”へのスクリーンパスで敵陣1ydの3rd-1yd。さぁどうするワーナー?
運命を託した選択はパス!WR”ラリー・フィッツジェラルド”へのパスは得意のハイボール。これをキャッチしてしタッチダウン!!!!
残り6分。さぁ面白くなってきました!
20 – 14
[スティーラーズ]
点差を離したいスティーラーズの攻撃はパントで終了。
[カーディナルス]>残り4:00
敵陣に入るも3rd-20からパスを失敗し、元ジェッツP”ベン・グレアム”のパント。しかしこのパントが敵陣1ydで見事に止めて、かつの反則でスティーラーズは自陣ハーフディスタンスからの攻撃というスティーラーズ最悪のポジション。
[スティーラーズ]
スティーラーズのエンドゾーンを背負った攻撃からQB”ベン・ロスリスバーガー”はパスを通し危険地帯を脱出。、かに思えたがこれがホールディングによりセーフティ~~~~!!!
カーディナルスに2点追加し、しかも攻撃権はカーディナルス。奇跡は起こるかカーディナルス!
20 – 16
[カーディナルス]
カバー2の守備を引くスティーラーズ。中央WR”ラリー・フィッツジェラルド”へのミドルパス通り前が大きく開いた。
そのスキを見逃さずそのまま鉄のカーテンを突き破るエンドゾーンへ激走!!!!そして大逆転のタッチダウ~~~ン!!!!!!!!
これがWR”ラリー・フィッツジェラルド”の恐ろしさ!まるで昨年のようだ!?
20 – 23
[スティーラーズ]残り2:00
パスを決めて敵陣に突入。ロスリスバーガーがスクランブルを仕掛けるも止められタイムアウト。なんとかFGを決めたいスティーラーズ。
[スティーラーズ]残り1:00
WR”サントニオ・ホームズ”へのラン・アフター・キャッチで一気に敵陣5yd。これはスティーラーズ同点どころか再逆転か!!!両者ギリギリの攻防です。
[スティーラーズ]残り0:49
WR”サントニオ・ホームズ”へ高いTDパス!しかしこれを取り逃す。
次もWR”サントニオ・ホームズ”へのエンドゾーン右端へのパス!!!両足ギリギリエンドゾーンへ残して再逆転のタッチダウン~~~~~~!!!!!!
オフィシャルレビューによる判定も覆らずまたも再逆転。残り35秒でカーディナルスもうダメか・・
27 – 23
[カーディナルス]残り0:29
WR”ラリー・フィッツジェラルド”へのパスを通しタイムアウト。残りタイムアウトは1回で残りは22秒。
RB”J.J.・アーリントン”へのパスを通し敵陣43ydまたもタイムアウト。タイムアウト0で残り15秒。
ワーナー逃げながらもパスを妨害されファンブルし、これを抑えられ試合終了。
スティーラーズ奇跡の大逆転で6度目のスーパーボウルを制覇しました!!
★総評
序盤はスティーラーズペースで進むもカーディナルスは再三タッチダウンを許さずモメンタムを決してスティーラーズに渡さない闘志をが見せました。
ターニングポイントとなったのはまず、前半終了間際のワーナーのエンドゾーンへのパスをインターセプトされてそのままリターンTDを許してしまった事。2人もハイボールの競り合いに強いWRいるのに裏を欠いたつもりが、完全に読まれました。WRを信用してベタなパスで良かったと思います。
もう一つは第4Qの逆転した時間がちょっと早かった事。自陣36ydからWR”ラリー・フィッツジェラルド”のラン・アフター・キャッチで64ydのTDを決めましたが、もうちょっとドライブに時間がかけてスティーラーズの逆転する時間を削れていれば確実に勝っていました。(まぁTD出来なければ、それ以前の問題ですが)。
元ジェッツP”ベン・グレアム”のパントはセーフティーを生み、カーディナルスの逆転の引き金になりました。飛距離は無いですけどこんなパントを蹴る選手では無かったのでジェッツをクビになった事を糧にして、カーディナルスの躍進の中でチームと共に成長したのでしょう。
第4Q終了目前までスティーラーズが時間を潰せば勝利のシーンでセーフティーを奪い、そこから1番注目されていたスターWR”ラリー・フィッツジェラルド”が逆転TDするシーンまでの流れははまるで映画を見ているようでした。大アップセットの素晴らしいドラマで完結かと思いきや、ラスト35秒でスティーラーズが再逆転。これが残酷な現実、そしてNFLだと改めて悟りました(*_*)。
それにしても、近年のスーパーボウルはいつも期待を裏切らない素晴らしいゲームを見せてくれます。そして今年はこれ以上無い充実した内容でした。
カーディナルスはスーパーボウルに敗れはしましたが、スティーラーズ以上に私を含めて多くの人達に記憶に残るシーズンを提供してくれたと思います。QB”カート・ワーナー”の去就はどうなるか分かりませんが、来シーズンも再びこの舞台に帰ってきてくれる事を祈っています。(そしてジェッツと対戦できればこれ以上ない幸せなんですけどね)
:見事スティーラーズをNFL最多6度目のSB制覇に導き、自身2度目のスーパーボウル勝利QBとなった”ベン・ロスリスバーガー”。長期契約で今後も長きに渡りスティーラーズを率います。
しかもSBで初めてのTDパスがラスト35秒の大逆転なので、その勝負強さにはド肝を抜かれます。
2005年SBを制覇した後はバイクで事故ったり、虫垂炎にかかったりと不幸が反動で押し寄せてきたので、今年も気をつけねばなりません。
(※ロスリスバーガーのキャリアに関しては以前の記事
2008年度主力プレイヤー(AFC編)
を参照してください。)
:対して己のキャリアを賭けて望んだスーパーボウルに紙一重の差で敗れたQB”カート・ワーナー”。
引退説が浮上しておりますが、今回パス43回中30回成功377yd獲得、3TD1INTと文句なしのパフォーマンス。
まだ辞めるべきでは無い実力です。
2009年02月01日
@レイモンド・ジェームス・スタジアム
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | OT | Total | ||
スティーラーズ | (12-4-0) | 3 | 14 | 3 | 7 | 27 | |
カーディナルス | (9-7-0) | 0 | 7 | 0 | 16 | 23 | |
Game Stats |
[引用:NFL JAPAN]
NFC王者のアリゾナ・カーディナルスとAFC覇者ピッツバーグ・スティーラーズが激突した第43回スーパーボウルは、第4Qで逆転に次ぐ逆転という激闘を最後にスティーラーズが制し、27対23で勝利。NFL史上最多となる通算6度目、3年ぶりとなるスーパーボウル制覇を成し遂げた。
スティーラーズは、試合最初の攻撃でQBベン・ロスリスバーガーが自らエンドゾーンに持ち込み、先制のTDランかと思われたが、これはチャレンジの末に認められず。それでもここでKジェフ・リードがFGを決めて先制すると、第2Q早々にはRBゲイリー・ラッセルが1ヤードを押し込むTDランで10対0とする。
直後の攻撃でカーディナルスQBカート・ワーナーからTEベン・パトリックへのTDパスを許したスティーラーズは、さらにロスリスバーガーのINT献上から、前半終了残り18秒で自陣1ヤード地点まで攻め込まれる。ところが、ここでLBジェームス・ハリソンがエンドゾーン付近で値千金のINTを奪うと、そのまま100ヤードをリターンしてTDを決めるビッグプレイ。逆転のピンチが一転、17対7とリードを広げて前半を折り返す。
後半に入っても、スティーラーズ優勢の流れは変わらず。第3Qで相手の反則にも助けられたスティーラーズは、8分以上の時間をかけた攻めでFGを決め、20対7とカーディナルスを突き放す。しかし第4Q残り約7分半、カーディナルスのエースWRラリー・フィッツジェラルドにTDレシーブを決められ、さらに自陣エンドゾーン内で反則を犯してセイフティを献上。残り約3分で4点差に詰め寄られると、直後にワーナーからフィッツジェラルドへのパスを許し、64ヤードTDで逆転されてしまう。
それでもスティーラーズは、試合終了まで残り2分37秒のところで自陣約20ヤードから攻撃を開始すると、ロスリスバーガーがWRサントニオ・ホームズへ続けざまにパスをヒット。最後は敵陣6ヤード地点からロスリスバーガーがエンドゾーン右奥へ流れたホームズへパスを投げると、これをホームズがギリギリ伸び上がってスーパーキャッチ。土壇場で再逆転したスティーラーズがスーパーボウル史上に残る劇的な勝利を収め、3年ぶりに頂点へ返り咲いた。