これは革命だ

毎年、この時期にオーナー会議が行われて、ルールや規約の変更が行われます。

そこで、今シーズンから適応されるルール変更を確認しておきましょう。

今回は革命的です。

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6つのルール改変

1)チャレンジの変更

1回チャレンジが成功すると、3回目のチャレンジが可能となる。

 

→レッドフラッグを投げて審判の裁定に異議を申し立て、VTRの見直しにより裁定が覆るチャレンジシステム。

これまでは成功しようが失敗しようが 2回までが限度でしたが、チャレンジにて正しい裁定に修正されたにも関わらず、回数が同じというのは確かにおかしな話です。

 

というわけで、チャレンジに成功したら3回目のチャレンジが可能となりました。

2)ポゼッション変更時にもオフェンスにペナルティ

インターセプトやファンブルロストなどボールの所有権が変わる時に、攻守ともに重大なペナルティがあった場合、ディフェンスのみならず、オフェンスにもペナルティを課される。

 

→ターンオーバーの際に、今までディフェンス側(ターンオーバーを奪った方)にしかペナルティ(罰退)が発生しなかったようですが、オフェンス側(ターンオーバーした側)にも反則があった場合、ペナルティを取るとの事です。

 

つまり、オフェンスはターンオーバーした上に反則していたら、踏んだり蹴ったりになるわけですね。

3)QBのスローイング前に対するチャレンジが可能

QBがパスを投げる前のダウン・バイ・コンタクト や アウト・オブ・バウンズに対して、チャレンジを行いレビューが可能。

 

→QBがパスを投げる前に倒されたり、サイドラインから外に出たケースにおいてレビューが可能になりました。

 

どのようなケースで物議をかもし出して、ルール変更になったかは存じてません。

何かあった?

4)タイムアップ時に対するレビューが可能

スナップ前にゲームクロックが切れたという明確な視覚的証拠がある場合に、リプレーレビューを認める。

 

→例えば前半や試合終了間際にスパイクしてFGを蹴るというケースなどで、スパイクする前に明らかに時間切れとなっていた場合、チャレンジしてタイムアップに出来るという解釈でいいかな?

おそらく、スパイクが間に合っていないのに審判が空気を読んで時間内にスパイクしたという事にしたケースがあったのでしょうね。

5)危険な可能性のあるタックルテクニックを排除

↑条文にはこの文言のみなのですが、これは以前に話題になったヒップドロップ・タックル(hip-drop tackle)の事を指しています。

 

ヒップドロップタックルとは簡単に言うと、両手で相手を掴んだあとに尻もちをつく事で全体重をのせて引きずり倒すタックルの事です。

正式な定義は

「両手で相手を掴むか、両腕で相手を包み込み、そして、腰や下半身を回転させて重さをかけ、自分自身の体重をかけずに地面に着地し、相手の膝または膝以下に足を挟む。」

 

以下の映像の2つ目のタックルが顕著な例です。

 

 

定義には「相手の足を挟む」とあるのですが、ヒップドロップ・タックルの動画をいろいろ見ていると足を挟んでいないようなシーンも多々あり、どこまでが足を挟んでいるとするのか、明確にわかりません。

 

このタックルは負傷率が20倍以上とのことで、満場一致でペナルティ入りとなりました。

やってしまうと、15ydの罰退+オートマティック・ファーストダウンの重罪です。

 

ホースカラー・タックル(ジャージの首の開口部に手を入れて引きずり倒す)と比較して、判定が難しいですね。

 

口直しに、レイ・ルイスの上手なタックルを確認しておきましょ。

6)新しいキックオフ

さぁ、今回のメインイベントです。

ずばりキックオフそのものが、これまでとは別物になります。

 

キッカーはこれまで同様に自陣35ydからキックしますが、キッキングチームの他の10人は敵陣40ydにずらっと並びます。

この敵陣40yd地点を「キックオフ・スタート・ライン(KICKOF START LINE)」と言います。

 

一方、リターンチームは自陣35ydと30yd内の「セットアップゾーン(SET UP ZONE)」に少なくとも7人並びます。

 

リターナーの最大2名は「ランディングゾーン(LANDING ZONE)」に配置。

この「ランディングゾーン」とは、キックオフ時の敵陣20yd以内、つまり「レッドゾーン」ですね。

 

 

これを図で現すと以下のようになります。

 

キックオフされた後、ボールが地面に触れる、またはランディングゾーンにいる選手・あるいはエンドゾーンに向かっている選手にボールが触れるまで、キッカー(K)は50ydラインを越えてはならず、さらに、キック側チームの10人は動いてはいけません!
!∑(゜ Д゜)

 

セットアップゾーンにいるレシーブ側チームの選手も、キックされたボールが地面に触れる、またはランディングゾーンもしくはエンドゾーンにいる選手にボールが触れるまで動くことはできません。

しかし、リターナーはキックオフ前からずっと移動する事が可能です。

 

 

なんのこっちゃか分かりませんが、実はこの手法は既にXFLで行われており、それをNFLでも取り入れるという事なのです。

良いと思ったら、相手がどこだろうが取り入れる。これぞアメリカって感じです。

 

以下がその映像。

これによりキックオフ時のトップスピードに乗った衝突を防いでケガを防止するわけです。

ただ、キッカーを除く全員がフラットになって前に出てる分、一線抜けると簡単にリターンTDしちゃう気もします。

 

 

このキックオフによるあらゆるケースに対するルールは以下の通り。

・ランディングゾーンに落ちたキックオフはリターンしなければならない。

→つまり、キックオフでのフェアキャッチはありません。

 

・ランディングゾーンに落ちてエンドゾーンに入ったキックオフは、レシーブ側チームがリターンするか、ダウンする。

ダウンした場合、レシーブ側のチームは自陣20ydからオフェンス開始。

 

・キックオフがエンドゾーンに入ってインバウンドにとどまり、ダウンされた場合、レシーブ側チームは自陣30ydからオフェンスを開始。

 

・エンドゾーン後方に出たキックオフ(直接、もしくはバウンド)でタッチバックとなると、自陣30ydからオフェンスを開始。

 

・ランディングゾーンに届かなかったキックオフはアウトオブバウンズとして扱われ、レシーブ側チームは自陣40ydからオフェンスを開始。

 

この変更案は、オーナー会議で29-3で可決されたとのこと。

 

 

ここで誰しもが疑問に思うのが「オンサイドキック」はどうなるの?

という、ところでしょう。

オンサイドキックに関するルールも以下のように変更されました。

 

「オンサイドキックは第4クオーター以降、チームが劣勢に立たされたときにのみ行える。

このとき、キック側チームはオンサイドキックをする意思を表明しなければならない。」

 

なんとサプライズのオンサイドキックが消滅しました。

そりゃないぜ!!とっつぁん!
(;´Д`)ノ

 

ただし、相手を混乱させるためのアンバランスな体型は許可されるとのことです。

 

が、ここでまた疑問に思うのが、「新キックオフ体型でどうやってオンサイドキックするのか?」という点ですが、どうやら申告制オンサイドキックの時は従来のキックオフの形になるようです。

かつ、実行できるのは4Qに2回までとか、どこかに薄っすら書いていました。

 

 

これらのルールは、まず2024年シーズンで試してみて、問題があれば2025シーズンに改変が入るとの事です。

 

ケガが減ることは望ましいのですが、またアメフトの醍醐味が1つ減る感じがしますね。

 

ちなみにこの発表の後、チーフスは元ラグビー選手を獲得。

なーるほどねぇ。3連覇に向けて、今からぬかりなし。

4つの規約変更

新キックオフでお腹いっぱいなのですが、以下の規約も改変されました。

1)ポストシーズンにおいて無制限の復帰者のトランザクションが可能

→?ポストシーズンは故障者リストから出入り自由?

 

2)トレード期限をWeek9終了後に変更

→これまでWeek8終了後でした。

 

3)最終ロースターカットの期限日に、リザーブリストに登録されている選手を最大2名まで復帰指定できる

→当然、ロースターが一杯ならば2名ロースターから減らさねばなりません。

 

4)各クラブは回数無制限で正規のクオーターバック(QB)をプラクティススクワッドからアクティブリストに加え、緊急時の3番手QBとすることが認められる

→これまでは、3番手QBが試合に出る場合はアクティブロースターに登録されている必要がありました。

総評

ちょっと私も理解に追いつていないところがありますが、間違っていたら修正いたします。

 

それにしてもキックオフがねぇ。。

不評であれば、また元に戻る可能性はあるので、とりあえず2024年シーズンの新キックオフをじっくり見守りましょう。