失意から立ち上がれ
海外プレビュー記事シリーズの最後はAFCチャンプ、チーフスです。
昨シーズンはスーパーボウル3連覇という前人未到の偉業に挑むも、イーグルスにコテンパンにされました。
この試合で史上最強チーフスの意外すぎる欠点がバレ、今シーズンにチーフスと対戦するチームは少なからず参考にしてくると思われます。
同地区も強豪だらけで、チーフスの首位陥落があるかもしれません。
【2025年プレビュー記事一覧】
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カンザスシティ・チーフス 2025年NFLシーズンプレビュー
スーパーボウル出場を考える前に、チーフスは10年連続の地区優勝を果たせるだろうか?
2018年に”パトリック・マホームズ”が台頭して以来、カンザスシティのスタンダードは誰もが知っている。
マホームズが先発として7シーズンを過ごしたチーフスにとって、最悪のシーズンはAFCチャンピオンシップゲームの延長戦での敗北だった。
それ以外のシーズンはすべてスーパーボウルで幕を閉じている。
昨シーズン、歴史的な3連覇のチャンスを逃したカンザスシティにとって、マホームズ、HC”アンディ・リード”、そしてチーフス・キングダムを満足させる唯一の目標は、スーパーボウルLXへの挑戦だ。
TE”トラビス・ケルシー”は契約最終年、そしておそらくキャリア最終年を迎える。
カンザスシティは、フランチャイズのレジェンドであり、将来の殿堂入り選手であるケルシーを、華々しく送り出そうと強い意欲を燃やしているだろう。
ただし、ケルシーが本当に引退する覚悟があるならばの話だが。
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オフェンス
マホームズは昨シーズン、キャリアハイとなる36回のサックを喫した。プレーオフではさらに11回、スーパーボウルでは6回をサックされた。
そのため、チーフスがオフシーズンにOL強化に着手したのは当然と言えるだろう。
オールプロのC”クリード・ハンフリー”は長期契約を結んでおり、カンザスシティはLG”トレイ・スミス”にもフランチャイズタグを付け、長期契約を目指していた。
そのため、サラリーキャップを考慮し、チーフスはLG”ジョー・サニー”をトレードせざるを得なくなり、サニーは2024年後半にLTにポジションを移した。
サニーの移籍は才能とリーダーシップの両面で大きな損失だが、計算上は必要だったと言える。
2024年ドラフト2巡目指名選手であるキングスリー・スアマタイアは、昨シーズンのトレーニングキャンプでLTポジションを任されたものの、そのポジションをキープできなかった。
彼はインサイドに転向し”マイク・カリエンド”とサニーの後継者として争うことが予想される。
LT問題を解決するため、チーフスは元49ersのバックアップ、ジェイロン・ムーア(2年3000万ドル)と契約し、オハイオ州立大学のジョシュ・シモンズをドラフト1巡目で指名した。
一方”ジャワン・テイラー”はLTとして復帰する。
果たしてこれで十分だろうか?上位争いが続くAFC西地区で、カンザスシティはそう願っている。
マホームズは2022年以降、タッチダウンパス通算30回を超えていないが、レシーバー陣が健康を維持できれば、その記録を一気に破るだけの武器を持っている。
WR”ハリウッド・ブラウン”はプレシーズン最初のプレーで鎖骨を骨折し、2024年の大半を欠場した。
また、2024年3月にダラスでひき逃げ事故を起こし、出場停止処分を受ける可能性のあるWR”ラシー・ライス”は、昨シーズン第4週に膝の怪我でシーズン終了となった。
両選手に加え、ルーキーながら9タッチダウンを記録した2年目のスピードスター、”ザビエル・ワージー”とベテランの”ジュジュ・スミス=シュスター”も復帰する。
カンザスシティは、4巡目指名で獲得した”ジェイレン・ロイヤルズ”というビッグプレーの脅威も獲得した。
WR”メコール・ハードマン”がグリーンベイに移籍したことで、ロイヤルズとワージーはリードのガジェット役として、そしてカンザスシティの不在が続くビッグプレーオフェンスを再び活気づけるダウンフィールドの脅威として、出場機会を得ることになるだろう。
2024年、ケルシーは伝説的な成績からすると低調なシーズンだったものの(それでも97回のキャッチで823ヤードを獲得)、”ノア・グレイ”はキャリア最高のシーズンを送り、5回のタッチダウンを決め、チーフスのTE活躍にバランスをもたらした。
マホームズが守られ、パスキャッチャーが健康であれば、パスゲームはエリート級の展開となるだろう。
NFLスカウティングコンバインで40ヤード走を4.39秒で走った7巡目指名RB”ブラシャード・スミス”は、バックフィールドに待望のスピードと運動能力をもたらすが、スリーダウンバックではない。
ベテランのRB”アイザイア・パチェコ”と”カリーム・ハント”が、昨シーズンの1キャリー平均3.7ヤードから改善が必要なRB陣に復帰する。
カンザスシティはまた、元サンフランシスコ・フォーティナイナーズの”イライジャ・ミッチェル”をフリーエージェントで獲得し、寄せ集めのバックフィールドを完成させた。
ディフェンス
カンザスシティで6シーズンを過ごし、チャンピオンシップ級のディフェンスを築き上げてきたコーディネーター”スティーブ・スパグノーロ”がHC候補としてそれほど注目を集めていないのは驚きだが、チーフスは不満を漏らしていない。
オフェンスと同様に、カンザスシティはオフシーズン、ディフェンスラインに注力した。
昨シーズン、合計48回のQBヒットを記録した、試合を壊すTクリス・ジョーンズと、ハードノーズのエンド”ジョージ・カーラフティス”は、このポジショングループにスター選手の力をもたらし、エンドの”マイク・ダナ”とT”マイク・ペネル”は、ローテーションに安定したベテランの存在感をもたらす。
チーフスはエンドの”チャールズ・オメニフ”と再契約し、”ターショーン・ウォートン”に代わるベテランT”ジェリー・ティレリー”を獲得。
さらに、2023年のドラフト1巡目指名選手である”フェリックス・アヌディケ=ウゾマ”がエンドで飛躍することを期待している。
しかし、カンザスシティは、テネシー大学出身で小柄ながら俊敏なパスラッシュT2巡目指名選手、オマール・ノーマン=ロットと、ルイビル大学で通算51試合に出場し26.5サックを記録した容赦ない3巡目指名エンド”アシュトン・ジロット”にローテーション入りを期待している。
カンザスシティは昨シーズン、リーグ全体でトップ5に入るノックダウン率とプレッシャー率を誇ったが、それが結果として中途半端なサック数に繋がっており、チーフスはこれを改善したいと考えている。
2025年2月9日、米国ルイジアナ州ニューオーリンズ、フィラデルフィア・イーグルスのWR”デボンタ・スミス”が、シーザーズ・スーパードームで行われたスーパーボウルLIXの第1クォーター、カンザスシティ・チーフスのLB”ニック・ボルトン”からキャッチを決めた。
フィールド上でスパグノーロ監督の目と耳としてプレーコールを担うLB”ニック・ボルトン”は、3年4500万ドルで再契約を結んだ。
本能的なプレイメーカーであるボルトンは”ドリュー・トランキル”や”レオ・シェナル”を含むLB陣を率いている。
5巡目指名で”ジェフリー・バッサ”を獲得したことで、待望の運動能力が加わった。
スペシャルチームで即戦力となることが期待されるだけでなく、Sからコンバートされたバッサは、特にエリートTEやレシーバーバックに対して、カバーのサブパッケージでも活躍できるだろう。
カバーといえば、ベテランCB”クリスチャン・フルトン”とドラフト3巡目指名で”ノール・ウィリアムズ”を獲得したことで、チーフスのバウンダリー沿いのセカンダリーは強化された。
カンザスシティには、ベテランの”ジェイレン・ワトソン”、”ジョシュア・ウィリアムズ”、”ナジー・ジョンソン”といった選手がアウトサイドに控えている。
これにより、2023年にオールプロに選出された”トレント・マクダフィー”がスロットに復帰し、”チャマリ・コナー”がスパグノーロのディフェンシブバック、スイスアーミーナイフのような存在になれるだろう。
チーフスにとって最大の調整点の一つは、ディフェンスラインの”ジャスティン・リード”の離脱だ。
2年目のS”ジェイデン・ヒックス”のポジションも失われそうだ。彼はルーキー時代に大きなポテンシャルを見せていた。
カンザスシティは、ルーキー契約最終年を迎えるS”ブライアン・クック”がコナーと共に活躍してくれることを期待している。
また、ベテランの”マイク・エドワーズ”と”ディオン・ブッシュ”が層を厚くしてくれるだろう。
スペシャルチーム
WR”ニッコ・レミジオ”は昨シーズン、カンザスシティのリターンスペシャルチームの筆頭として台頭した。
ハードマンがパッカーズと契約したことで、キャンプに向けて最有力候補となっているが、ドラフト指名選手2人、CBウィリアムズとRBスミスも復帰の機会を得られるだろう。
その他、チーフスにはお馴染みの顔ぶれが戻ってくる。
ケルシーに次いでロスター2番目に在籍年数の多いロングスナッパーのジェームズ・ウィンチェスターは11シーズン目、プレースキッカーの”ハリソン・バトカー”はカンザスシティで9シーズン目を迎える。
P”マット・アライザ”はNFL最多タッチバック数(9)を記録したが、ルーキー時代は平凡なネットパント平均を記録した。
そのため、同じくレイ・ガイ賞受賞者であるUSC出身のドラフト外ルーキー、”エディ・チャプリッキ”の挑戦をかわさなければならない。
最終分析
カンザスシティは9シーズン連続でAFC西地区を制覇しているが、”ショーン・ペイトン”監督の3年目となる今シーズン、デンバーが連勝記録を阻止する有力候補となるだろう。
ブロンコスでなくても、”ジャスティン・ハーバート”率いるロサンゼルス・チャージャーズは、ジム・ハーボーの2年目となる今シーズン、多少の期待を寄せられるはずだ。
ラスベガス・レイダースでさえ、スーパーボウル優勝経験を持つHC”ピート・キャロル”と、ベテランQB”ジーノ・スミス”を擁して2025年を迎える。
チーフスの衰退を予測する評論家は少なくないだろう。
昨シーズンのスーパーボウルでの惨敗を考えると、それも当然かもしれない。
しかし、マホームズ、リード、そしてカンザスシティの歴戦のベテラン、誇り高きチームの面々に賭けるのは、自己責任でお願いしたい。
原文:
https://athlonsports.com/nfl/kansas-city-chiefs/kansas-city-chiefs-2025-nfl-season-preview
JETS狂の総評
チーフスは当然、OLの強化に注力するも、AFC西の状況は昨シーズン3チームがプレーオフに進出し、逃したレイダースにまでHC”ピート・キャロル”がやってくるという四面楚歌。
9年連続地区優勝の常勝軍団とはいえ、今シーズンの包囲網はなかなか厳しいでしょう。
逆にいえば、いつもは「まぁ地区優勝はチーフスだよね」と言われていた状況から「どこが地区優勝するか分からない」という所に発展したことで、今シーズンの楽しみが増えたわけであります。
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