まさかねぇ・・

いよいよ迎えた開幕戦。ドラフト1巡(全体3位)で獲得したQB”サム・ダーノルド”の公式デビュー戦になります。

プレシーズンでのパフォーマンスの高さから先発に昇格しましたが、肝心のレギュラーシーズンがダメなら意味がありません。

 

対戦相手であるライオンズの新HCは、奇しくも長年にわたり怨敵ペイトリオッツのDCを務めてきた”マット・パトリシア”。いきなり他のチームよりジェッツをずっと研究してきたペイトリオッツの分身が相手とは、厳しい試合になりそうです。

果たしてダーノルドの真価はいかに?

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スコア&ダイジェスト

ハイライト:Youtube

2018年 9月 10日

 

1Q

2Q

3Q

4Q

TOTAL

ジェッツ

7

10

31

0

48

ライオンズ

7

3

7

0

17

オフェンス

サム・ダーノルド全プレー

NFL史上最年少開幕戦QBとしてレギュラーシーズンに挑む2018年ドラフト1巡(全体3位)#14QB”サム・ダーノルド”。

彼の記念すべき1プレー目はプレーアクションからRB#29″ビラル・パウェル”の先に投げたはずだったパスをCB#28″Quandre・ディグズ”にINTされ、そのままエンドゾーンに走り込まれてPICK6を献上という、これ以上ない最悪なスタートでした。

しかし、その後はプレシーズンで見せたコントロールでパスO#を展開。

3シリーズ目にはRB#20″アイゼイア・クロウェル”のTDランを演出し、DB#21″モーリス・クレイボーン”のINTで得たチャンスをFGに繋げて逆転に成功。
第2QにはWR#11″ロビー・アンダーソン”へのロングパスで公式戦初TDパスを決めて、流れを引き寄せました。

何にせよINTされた1stシリーズ以降から手抜きに走った第4Qまで、O#が自陣で終わる事が無いというのは、たいしたものです。加えてデザインされたQBランで1stDownを獲る足もあります。

ダーノルドのスタッツは、パス16/21回198yd獲得、2TD、1INT。

最初のINTに関しては「緊張していたが、これ以上最悪はないと思った」とコメントしており、むしろ最初にINTした事で開き直って、この後のパフォーマンスに繋がりました。このメンタルの強さも特筆すべきところです。

 

ランO#が好調だったのも勝因だったでしょう。昨年は全敗ブラウンズに所属していたRB#20″”アイゼイア・クロウェル”が62ydTDランを決めるなど存在感を見せました。

このRB、私がマッデン18でやった「ブラウンズチャレンジ」にてブラウンズでプレーした時にも全敗ブラウンズの中で異彩を放っており、「こいつ、ジェッツに欲しい!」と私が念を送ってスカウトし、リアルでジェッツへの移籍に成功しました。

まさにマッデン18で見せたとおりタックルされてからの粘り、いわゆるセカンドエフォートが凄い。「止められた」と思った地点から更に体が伸びます。

タックルされた時には既にスピン気味に体を入れていたり、集団に囲まれた中から低空でニュルンと出てきたり、”エイドリアン・ピーターソン”みたいにただ足腰が強いだけでなく、得体のしれないテクニックを持っています。

スタッツがラン10回102yd獲得2TD。ラン平均1stDown越えのパフォーマンスを見せました。
RB#29″ビラル・パウェル”をルーキー時代から長い間推してきましたが、私の心は既にRB#20″アイゼイア・クロウェル”に行っております。

 

レシーバー陣では昨シーズンはエースに昇格しながらキャンプで首を負傷してシーズンエンドしたWR#81″クインシー・エヌンワ”が「俺が真のエースだ!」といわんばかりに6レシーブ63yd獲得、1TDの活躍。

新加入のWR#16″テレル・プライアー”も3レシーブ49yd獲得で、ここぞとばかりに目立っていました。
WR#11″ロビー・アンダーソン”は1レシーブながら難しいロングパスを競り合いながら41ydのTDレシーブを決めました。このロングパスTDが流れ完全に引き寄せたターニングポイントだったでしょう。

弱点のOLは複雑なブリッツを入れられたらPICKできないシーンもありましたが、まぁよくやった方です。

 

贅沢を言うと、いきなりパスから入ってPICK6されるとか、ランが出ているにも関わらず3rdDown-1ydでジェットモーションを入れてロスするなど「堅実に行くところは堅実に行けよ!」と思うような不満プレーコールもありましたが、新OC”ジェレミー・ベイツ”はQB陣とかみ合ってるようです。

サイドラインのQB”ジョシュ・マッカウン”もダーノルドに声をかけるシーンがよく映り、この辺りの関係性は最良に見えます。
(ベテランQB“マーク・ブルネル”は、”マーク・サンチェス”に対してこんな事しなかったなぁ)

ディフェンス

勝利のキーはダーノルドのみにあらず。今回はD#も爆発しました。なんと計5INTかつPICK6(インターセプト・リターン・TD)が1回という滅多に無いターンオーバー数です。

特に2INTを決めた2016年ドラ1のLB#58″ダロン・リー”はプレシーズンから今までと違うパフォーマンスを見せており、6タックル1アシスト、2INT、うち1回はPick6の活躍。

ジェッツのD#がTDを奪うのは2013年(73試合ぶり)で、S”アントニオ・アレン”がペイトリオッツQB”トム・ブレイディ”からPICK6した以来とのこと。

INTを連発したことに関してDB#33″ジャマール・アダムズ”は「O#のシグナルからスタフォードのパスは読めていた」と語っており、その他DB#21″モーリス・クレイボーン”、DB#22″トラメイン・ジョンソン”を含めた全INTは、入念なフィルムスタディを行った上でのプレーでした。

ちなみにDB#33″ジャマール・アダムズ”は2017年ドラ1で入団して以来、初めてのINTです。

 

その読めるプレーに絞り込ませたのは、プレシーズンから継続している鬼のランD#。ライオンズのランをトータルわずか39ydと、全く走らせませんでした。

DB#33″ジャマール・アダムズ”のセーフティーブリッツからランと見るや瞬時にRBを取らえて大幅にロスさせるシーンは圧巻。

DB#41″バスター・スクライン”は速攻で相手をタックルしゲインさせないパフォーマスで7タックルを記録。

ファイナルカットを喰らってから蘇ってロースター入りしたLB#50″フランキー・ルブ”も活躍し、嬉しい限りです。

 

問題視していたパスラッシュに関してはサックは無いものの、QB#9″マシュー・スタフォード”にガンガンプレッシャーをかけミスを誘発し、さらに何度もヒットしスタフォードを途中下げさせてQB#8″マット・キャッセル”に交代するシーンもありました。
(※そのキャッセルからもINT。)

 

既に大差が開いた第4Qは、1発TDを取らせないために4メンラッシュのみのプロボウル的なゆるーいD#だったにも関わらず、エンドゾーン手前まで攻められたとしてもギャンブルをことごとく潰して無失点。

 

前日にベアーズがパッカーズに第4Qに21点差をひっくり返されたので、大差があっても「何があるか分からない」ビビッてましたが、杞憂でした。
(そもそもロジャースとスタフォードの実力差が大きいですが)

 

ちなみにスタフォードのスタッツはパス27/46回286yd獲得1TD、4INTと大乱調。良かったのは第3QでTDを取ったドライブだけです。

まさかJETS相手にこんな結果になるとは、思っていなかったでしょう。

スペシャルチーム

今回はここも素晴らしかった。WR#19”アンドレ・ロバーツ”が久しぶりのパントリターンTDを決めて、ライオンズの気力をことごとく奪いました。このTDでかなりのライオンズファンが帰宅した印象です。

 

一方ライオンズは、ブロンコスでNFL史上最長の64ydFGを決めたk#05”マット・プレイター”が55ydのFGを外して、ライオンズにモメンタムを引き寄せるのに失敗。

やはり最長FGはブロンコスの本拠地@マイルハイの空気の薄さの恩恵だった事が分かります。

総評

48得点というフランチャイズ史上ロードでの最多得点を記録する大勝利を収めましたが、最後はエンドゾーン手前まで攻めながらも、「武士の情け」か「暗黙の了解」か分かりませんが、全部ニーダウンで終わらせたのはもったいない。どうせなら50点台に行ってほしかったです。
(鬼か!∑(゜ Д゜))

 

ライオンズのホーム「フォード・フィールド」での試合でしたが、敵地にかかわらず応援団長ファイヤーマン・エドが登場。

ライオンズファンが静まり返った敵地でジェッツファンのチャントが響き渡るという異例の光景が見られました。

そしてペイトリオッツから「のれん分け」したライオンズ新HC”マット・パトリシア”の大事なデビュー戦を泣かせるまでボコボコにしてしまいましたが、これまでの積年の恨みがありますから、可哀そうとは微塵も思わず。

マット・パトリシア ライオンズHC

かつてペイトリオッツOC”ジョシュ・マクダニエルズ”がブロンコスのHCに就任するも失敗して、ペイトリオッツのOCに戻りましたので、パトリシアも最後にはベリチックの元に帰りそうな気がします。

 

なにわともあれダーノルドは最初のミスを立て直し、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

ダーノルドを全体1位でとらず、そしてWR”テレル・プライア―”をQBからWRにコンバートさせ、RB”アイゼア・クロウェル”を育てたブラウンズには足を向けて寝れません。

Week02は同地区のドルフィンズと対戦。連勝できればジェッツの実力は本物と見ていいでしょう。