こんばんわ。NFLと無関係の世界、「JETS狂のススメ」の時間です。
本日は私が好きな漫画家”ハロルド作石”のヒット作「BECK」がファンに反対されつつ映画化されて、週末から公開されるとの事ですので、そのコラムです。
不眠症の夜に、他の漫画家とは異なるスタイルをとるハロルド作石に関して、ツラツラと書いてみたいと思いました。
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簡単に内容
何もとりえが無い中学生コユキが、天才ギタリスト南竜介と出会いをきっかけにバンドにハマっていくストーリー。弾痕が刻まれた伝説のギター”ルシール”をめぐるトラブル、権力を持つ悪徳プロデューサーを敵に回す、ロックフェスに出場、プロになるべく高校を中退、全米ツアー、エディの遺作「デビルズ・ウェイ」を巡る騒動、~~などなど全34巻のロングヒットマンガです。
どんなに苦戦しても最後は水戸黄門の印籠のようにコユキの歌声で何とかなるように見えますが、ストーリー上では描かれていない惨敗ライブの回数の方が成功しているライブより多いです。そういったプロの泥臭さと厳しさを描くところも評価されてます。
同じジャンルには二度と手を出さない作者の謎?
作者の”ハロルド作石”は新人一発目にヤングマガジンにて不良漫画「ゴリラーマン」がヒットし、その名前が知れ渡るようになりました。大体の漫画家は一発目がヒットすると、同じか似たジャンルのマンガを次に描くのですが、「サバンナのハイエナ」という全く作風もジャンルも全く別のマンガを書いて、これが中断するぐらいオオコケ。
次ぎは「バカイチ」という格闘マンガを描き、これも短期で終了。
迷走する一発屋に見えた矢先にプロ野球のパリーグを題材にした「ストッパー毒島」という漫画をヤングマガジンで再び連載します。
ワタシがハロルド作石にハマったのが、この漫画でした。主役の毒島と個性的なメンバーがパリーグ最弱の架空のチーム「アスレチックス」をパリーグ優勝に導く話ですが、スポコンの王道を行き、かつマニアック。そして笑いを随所に散りばめる。特にプロレスネタと三国志ネタを合間合間に入れてくるところが、ツボに入りました。
団体スポーツマンガは登場人物が必然的に多くなるので、その処理に腕を必要としますが、そこは上手く登場キャラクターに感情移入をさせやすいエピソードを織り交ぜ、主役以外も引き立たせます。
特に努力家だが全く芽が出ない「ウェイク 国吉」がナックルボーラーになり才能を開花させるエピソードがいいですね。
あと天才だが事故により再起不能になったハズの毒島の兄が、復活しラスボスとして立ちはだかる経緯が話を盛り上げます。
松坂大輔もこのマンガを読んで魔球「サークルチェンジ」を覚えたと言ってました。
毒島が好評をはくして、これだけ野球に詳しい漫画家なら、次も野球だろうと思っていたら、ファンの予想を大きく裏切って、月刊少年マガジンでマンガ界で一番手を出してはならないと言われているバンドマンガに挑戦するのです。それが「BECK」です。
BECKはかなり前に連載を終了しており、最近はスピリッツで「7人のシェークスピア」という、また全く別ジャンルのマンガを描いています。
なぜ一つのジャンルをマニアックなまでに突き詰めるまで取材したにも関わらず、ジャンルをコロコロ変えるのか?
それはコダワリや美学である説もあり、飽きっぽいという説もあり謎です。
BECKと映画化
このマンガの第1巻、2巻だけを読むと、まず面白くありません。初の月刊誌に慣れてない上に
なにかバランスが悪い。しかし、ボーカルの千葉とドラムのサクが絡んでくる辺りから、毒島のように各キャラに感情移入しやすくなります。そして、定番のプロレスネタと三国志ネタも随所に散りばめてきます。
あと名言が多いのも有名ですね。
・「人を基準に生きるってことは…
その人生は自分のものじゃない」
・「妥協してちゃそれなりのもんしか手に入いらない」
・「ギターってのはたった6本の弦を伝わって出てくる人間性なんだ」
・夢の中で”ジョン・レノン”、”フレディ・マーキュリー”など音楽史の偉大な故人達が、だだっぴろい敷地でゴミ拾い。ジョン・レノンのセリフが「君たちのライブの後片付けをしているんだ」
・・・などなど、中盤から1巻に1つは名言があるんじゃないでしょうか。
迷走する映画業界は当然、このヒット作を映画化。南竜介に「水嶋ヒロ」、コユキに「佐藤健」、千葉には「桐谷健太」(これが一番ハマってるな)。そしてベースの平君には公開前に上手いこと「ゲゲゲの女房」のヒットでかなり幅広いファンをつかんだ「向井理」など、イケメンぜめのキャストで製作。
原作の雰囲気を大事にするファンは大反対しましたが、出来ちまったものはしょうがない。(そういえば先にアニメもあったような・・・)
この映画は9月4日より劇場公開されますがl、個人的にBUSTの匂いがするので、地上波で流れるまで待ちです。(´・ω・`)
おまけ:ハロルド作石、インタビュー
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20100611/1032082/?ST=life&P=1