既にニュースでも何でもないが、NFLが危険タックルの罰則強化に乗り出している。
果たしてこれはNFLのためになるのだろうか??

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危険タックルのはしりといえば、「ホースカラータックル」。これはショルダーの開口部・襟の部分を後ろから掴んで相手を倒すタックルで、カウボーイズの”ロイ・ウィリアムズ”が得意としたワザです。しかし2004年にRB”ムーサ・スミス”がこのタックルで右の脛骨の複雑骨折し2シーズンを棒にふる大ケガするなど重症をともなう行為なので、このタックルは悪質として禁止となりました。(別名ロイ・ウィリアムズ ルールとも呼ばれる)

これは禁止すべき上に本人がやらなければ済む話なので罰則に賛成ですが、今回の規制対象となったのがスティーラーズのLB”ジェイムス・ハリソン”がブラウンズ戦にて放ったタックル。パッと見は普通のタックルなのですが、ヘルメットから突っ込んでるのでこれを危険とみなして、グッデルはハリソンに7万5000ドルの罰金を課しました。
これに対してハリソンは「「10歳の時に”こうプレイしなさい”って教わったんだ。それを20年以上続けている。それを頭ごなしに否定されたら、どうプレイしていいか分からない」。とコメントし、自身の引退もほのめかすほどの事件に発展。しかし現在はチームに戻っています。

タックルなのだから頭から接触する事は故意でなくてもありえる事だと思うのですが、グッデルは選手を不要なケガから守るため危険なタックルには罰金に加えて、出場停止という非常に重い処分を課すことを検討しているとの事。

ちなみに以下の動画が、問題の試合です。

個人的にはもしそんなルールが作られた日にはハードヒットがなくなり、NFLがつまらなくなると思います。
あの人が吹っ飛ぶほどのハードヒットがNFLの魅力の一つなのに、出場停止を恐れてハードヒットしなくなるとNFLの迫力が死ぬでしょう。

これはアメリカンプロレスのWWEの歴史からも火を見るよりあきらか。昔はベリー・トゥー・ベリーや投げっぱなしジャーマンなど迫力ある技がバンバン繰り出されましたが、こういったワザは世間への認知度が高まるとともに次々と禁止になりました。

元WWE王者の”ブロック・レスナー”(現UFCヘビー級王者)の必殺技「F5」に関しては、デビューしたての頃は相手を空中でぶん回した後にマットに叩きつけるエゲツナイ技でしたが、これもだんだん易しくなって迫力が死にました。

あと立方体金網マッチ”ヘル・イン・ア・セル”も昔は金網の上に上がって、地上6mでシバキ合いするのが名物でして、最悪な時はそこから地上に相手を叩き落すというスンゴい事をやってました。(マンカインドが実況席に叩きつけられるシーンが有名)
しかし、近年は金網の中でチクチク試合するだけで試合中に上ることはなくなりました。これも安全のためですが、全く面白くもなんともない。

なにやら話が脱線しましたが、とにかく相手を負傷させようと故意でやってるのでは無く、タックルに行く体制上ヘルメットが当たるのはしょうがない事。そもそもアメリカンフットボールとは、相手を力の限り倒しにかかる唯一無二の格闘球技がなのですから、格闘である事を忘れないでほしいです。

▼おまけ:ブロック・レスナーが良く分かる動画

[引用:NFL JAPAN]

NFLが、頭部や首への危険なタックルを行った選手に対し、出場停止処分を含めた罰則強化を検討していることが分かった。ロジャー・グッデル・コミッショナーが、各チームの全選手、コーチ陣向けに送ったメッセージとビデオ映像で言及している。そしてビデオには、反則となるタックルの実例が示されていた模様だ。

 このメッセージの中で、グッデル・コミッショナーは「私たちが最優先で取り組んでいる事柄の1つは、選手たちを不必要なケガから守ることだ。ここ数年、私たちは頭部と首へのコンタクトを減らすように取り組んできた。私が選手の安全、テクニックの向上、ルールに従ってプレイすることの重要性を強調する行動を取るのは当然のことだ」と述べている。

 また、グッデル・コミッショナーから送られた文書では、コーチ陣は選手たちの安全性を犯すことなく、ルールの下でプレイする方法を選手たちに教える責任を負っていると強調している。今回の通達は、危険なタックルを理由にピッツバーグ・スティーラーズのラインバッカー(LB)ジェイムス・ハリソンへ7万5000ドル(約610万円)、ニューインランド・ペイトリオッツのセイフティ(S)ブランドン・メリウェザーとアトランタ・ファルコンズのコーナーバック(CB)デュンタ・ロビンソンにそれぞれ5万ドル(約400万円)の罰金を科した翌日に行われている。