王政復古の道は険しく
ということで、AFC東のプレビューシリーズの最後は2000年代と2010年代の覇王ペイトリオッツとなります。
ブレイディもベリチックもいないペイトリオッツは、大谷翔平のいないエンゼルスより注目度が激落ち君であり、ブレイディの強さに惹かれて推しになったファンなんてもう蜘蛛の子を散らしたように居なくなったでしょう。
(いたらゴメンナサイ)
しかし、長期間にわたってダイナスティを築いたチームであることは事実。
何をきっかけに息を吹き返すのか分からない怖さがあります。
それが今シーズンなのかもしれません。
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ニューイングランド・ペイトリオッツ 2025年シーズンプレビュー
マイク・ブラベルのHC就任で新時代が幕を開ける。
ニューイングランド・ペイトリオッツは今オフシーズン、完全なチーム作りは行いませんでしたが、HC”マイク・ブラベル”と事実上のGMである”エリオット・ウルフ”は、QB”ドレイク・メイ”、CB”クリスチャン・ゴンザレス”、そしてその他チームの基礎となる選手たちをほぼ完全に解体し、再びチャンピオンチームを築こうと躍起になったと言っても過言ではない。
ブラベルは、同じく元ニューイングランドのLB”ジェロッド・メイヨ”の後任となる。
メイヨは就任1シーズンで4勝13敗に終わり、「男に従うだけの男になるな」の新たな例となった。
その結果、”ビル・ベリチック”退任後の後遺症は依然としてこのフランチャイズに残っているものの、かつてのHCの影は以前ほど大きくはなくなってきている。
ペイトリオッツはFA市場で非常に積極的な動きを見せ、守備と守備の両方で優秀な人材と高い人格を持つロッカールームの選手を獲得した。
ベテラン選手の放出にも躊躇せず、スーパーボウル時代との最後の繋がりを手放した。
ドラフトでも積極的に動き、メイエの補強を狙い、ディフェンスの3レベル全てに層を厚くした。
その結果は?控えめながらも楽観的な雰囲気が生まれた。
それにブラベルの自信に満ちた態度と再建への熱意が加わり、チームへの期待は高まっている。
2023年シーズン開始以降、ペイトリオッツよりも勝利数が少ないチームは1チームしかなく、今後の成長は期待に応えられるはずだ。
「みんな勝ちたい。それがここにいる理由だ」とブラベルは言う。
「私が雇われたのもそれが理由だ。勝つこと、そしてファンが興奮し、関心を持ち、応援できるような選手をフィールドに出すこと。それが全てだ。だから、彼らには長く待たせる必要はないと思う」
オフェンス
ブラベルはOC”ジョシュ・マクダニエルズ”を復帰させ、メイとニューイングランドの攻撃陣の指導を任せた。
2024年の全体3位指名を受けたメイは、ルーキー時代にOLの不振とスキルポジションの選手不足により、多くの成長痛を経験してきた。
もしマクダニエルズがメイを次のレベルに引き上げる方法を見つけることができれば、昨年リーグ最下位だったオフェンスチームの一つにとって、正しい方向への大きな一歩となるだろう。
今後の補強の一つは、OLの刷新だ。
ペイトリオッツは昨年、歴代最多に2人足りない12人のOLを先発起用した。
彼らはベテランのOL”モーガン・モーゼス”(LT)、”ウェス・シュバイツァー”(G)、”ギャレット・ブラッドベリー”(C)をFAで獲得した。彼らが、”マイク・オンウェヌ”(RG)や”コール・ストレンジ”(LG)といった残留選手、そしてルーキーの”ウィル・キャンベル”(LT)と”ジャレッド・ウィルソン”(C)とチームを組めることを期待している。
スキルポジションの選手に関しては、ベテランWR”ステフォン・ディグス”と”マック・ホリンズ”、そしてルーキーの”カイル・ウィリアムズ”がレシーバー陣を補強する。
このグループに加え、”ケンドリック・ボーン”、”デマリオ・ダグラス”、”ケイション・ブッテ”、”ジャリン・ポルク”、”ジャボン・ベイカー”といった残留組は、ロスターの中でも最も熾烈なポジション争いを繰り広げることになるだろう。
多くのチームは通常6人のレシーバーを擁するため、シーズン開幕時にはお馴染みの2人が不在となるでしょう。
RBでも熾烈なポジション争いが繰り広げられる。
ドラフト2巡目指名の”トレベヨン・ヘンダーソン”は、ベテランの”ラモンドレ・スティーブンソン”や”アントニオ・ギブソン”と出場機会を争うことになる。
現状維持が見込まれるのはTE”ハンター・ヘンリー”(2024年のメイ監督のお気に入りのターゲットの一人)と”オースティン・フーパー”が、十分なワンツーパンチを繰り出してくれるでだろう。
ディフェンス
ディフェンス面では、ブラベル監督と新コーディネーターの”テレル・ウィリアムズ”が戦術と人員構成を変更した。
ベリチック監督の下で長年、そして昨年のメイヨー監督の下でも、ペイトリオッツのDLは3-4アラインメントでスペースを占有し、LBのスペースを空けることに重きを置いていました。しかし今、彼らは特にDLにおいて、より攻撃的で破壊的なプレースタイルを模索している。
しかし、結局のところ、このディフェンスの成否はゴンザレスとDL”クリスチャン・バーモア”という2人の選手の健康と継続的な成長に大きく左右されるだろう。
ゴンザレスはトップクラスのレシーバーを常に抑え込むことができる、ナンバー1CBとして台頭してきた。
一方、バーモアは昨年、血栓の問題で大半を戦列を離れていた。
もし彼が100%の状態で復帰できれば、相手のパス攻撃をかわしながらラン攻撃にも強い彼の能力は、ロスターの他の誰にも真似できない3ダウン攻撃のディフェンスに新たな次元をもたらすだろう。
さらに、FAで獲得した”ミルトン・ウィリアムズ”と”カイリス・トンガ”、そしてバーモアとドラフト4巡目指名選手の”ジョシュア・ファーマー”が加わることで、OLコーチはゲームプランニングに追われることになるだろう。
”キーオン・ホワイト”、”ハロルド・ランドリー3世”、”アンファニー・ジェニングス”といったエッジディフェンダーが、DLの大部分を占めると予想されている。
LBの”ロバート・スピレーン”、CBゴンザレス、そしてデトロイトからFAで獲得した”カールトン・デイビス3世”が、セカンドレベルを牽引するだろう。
セーフティはここ数シーズン、ニューイングランドにとって最も安定したポジションであり続けており、ベテランの”ジャブリル・ペッパーズ”と”カイル・ダガー”の加入により、今回もその傾向が続くだろう。
スペシャルチーム
スペシャルチームには変化が訪れている。ベテランの”ジョー・カルドナ”に代わってルーキーのロングスナッパー”アンドレス・ボレガレス”が”ジョーイ・スライ”に代わって加入する。
パンターの”ブルース・バリンジャー”とガンナーの”ブレンデン・スクーラー”は残留する。
この2人は過去2シーズン、ペイトリオッツのスペシャルチームで最も優秀で安定した存在だった。ギブソンと控えCB”マーカス・ジョーンズ”も復帰戦に加わる予定だ。
最終分析
多くのことが、いくつかの重要な要素にかかっている。メイの継続的な成長と、レフトタックルのポジションを担えるキャンベルの能力だ。
バーモアが血栓症から100%の状態で復帰できるかどうか。
実際のところ、ペイトリオッツがこれらの疑問に答えられなければ、またしても4勝に終わり、さらに不安定なシーズンを強いられることになるだろう。
しかし、すべてがうまくいき、ペイトリオッツが健康を維持できれば、このスケジュールと強化されたロースターを考えると、8勝、あるいは9勝を挙げることも不可能ではない。
それは、早急に偉大なチームへの復帰を目指すチームにとって、正しい方向への一歩となるだろう。
原文:
https://athlonsports.com/nfl/new-england-patriots/new-england-patriots-2025-nfl-season-preview
総評
昨シーズンのペイトリオッツOBであるHC”ジェロッド・メイヨ”時代は1シーズンで終わり、経験が豊富な元タイタンズの”マイク・ブラベル”体制の1年目となります。
気になるのは、またもOC”ジョシュ・マクダニエルズ”を復帰させたことでしょう。
結局、ペイトリオッツのオフェンスはマクダニエルズが居れば強く、いなくなれば弱体化するというところです。
ブレイディによるところが大きいように見えますが、その後のQB”マック・ジョーンズ”の1年目が悪くなかったことから、マクダニエルズのオフェンスへの貢献度が見えます。
そんなマクダニとQB”ドレイク・メイ”、さらにWR”ステフォン・ディグス”が合わさった時の化学反応が怖いですね。
とにかくAFC東のビルズ以外の3チームは、結託して「ビルズを独走させない」ことが一番の命題となるでしょう。