この邦題はどうなんだい?
近年まれに見るネタ不足ですので、この際に普段やらないコーナーをやっておきましょう。
今回の映画の窓は、”ザ・エージェント”以来のアカデミー賞を獲ったアメフト映画(私の記憶では)、”しあわせの隠れ場所”でございます。
まぁ新しい映画でNFLファンなら既に見たと思いますので、今更紹介する必要もないかと思いますが、一応やっておきます。
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2009年のNFLドラフト1巡目でレイブンズが獲得したLT”マイケル・オアー”のその過程に至った事実に基づくノンフィクション映画。
ド貧乏で親にも見離され、行き場の無いオアーは偶然”リー・アン”(サンドラ・ブロック)に拾われる。
アンはオアーの巨漢で運動神経がある所に目をつけてアメフトをやらせるが、優しすぎる性格が災いして、全く役に立たない。
だが、そんなオアーにアンは「相手を倒すのでは無く、チームメイトを家族だと思って守りなさい」と教える。これをきっかけにオアーは才能が開花し、最強のLTとして活躍しまくり、スカウトから注目されるようになるのだった。
▼簡単な感想
夜道に見ず知らずの黒人を拾って家に泊めるどころか、家族にしてしまう。「こんな優しすぎる家族がいるんかい!!(;´Д`)ノ」とツッこみたくなるのだが、これも事実。
しかもその拾った黒人がNFLのドラフト1巡まで登りつめて、ガッポリ契約金を稼ぐのだから、「鶴の恩返し」どころでは無いリターンが発生するスゴイ話です。
映画導入部分で、LTというポジションの重要性を説明するために、ジャイアンツの永久欠番を背負う”ローレンス・テイラー”が相手QBを再起不能にするシーンから始まるところが、NFLファンにとってはたまらんですね。
この映画の原題(アメリカ公開のタイトル)が「ザ・ブラインド サイド」とまさにLTを指す言葉なのですが、アメフトになじみの無い日本では、こんなタイトルつけるとホラーや怪奇モノと思われるので、「しあわせの隠れ場所」という原題と離れたウィル・スミスが出てきそうなタイトルになってしまいました。
本当にタイトル一つで映画の印象ってスゴイ変わりますね。
そして、この映画はひたすら”マッデンNFL”を推して来ます。父親がリビングでアメフトを見てる横で、子供が別のテレビでマッデンをプレイするシーンがワザワザあります。そして日本語字幕では「新しいゲームが出るんだ」と訳されてるところも、よくセリフを聞くと「マッデン」とゲーム名を言っております。
EAスポーツがしっかりバックアップしてるんでしょうなぁ。ヽ(*・ ω・)人(・ω・*)ノ
この映画で”サンドラ・ブロック”はアカデミー主演女優賞を獲得しましたが、彼女はこの直後に離婚しました。
どうやら”サンドラ・ブロック”自身の「しあわせ」は隠れてしまったようです。(´・ω・`)
▼キャスト
サンドラ・ブロック | リー・アン・テューイ | |
クィントン・アーロン | マイケル・オアー | |
ティム・マッグロウ | ショーン・テューイ | |
キャシー・ベイツ | スー夫人 | |
リリー・コリンズ | コリンズ・テューイ | |
ジェイ・ヘッド | S・J・テューイ | |
レイ・マッキノン | バート・コットン | |
キム・ディケンズ | ||
キャサリン・ダイアー | ||
アンディ・スタール | ||
トム・ノウィッキ | ||
アドリアーニ・レノックス |
▼スタッフ
監督: | ジョン・リー・ハンコック | |
製作: | ギル・ネッター | |
アンドリュー・A・コソーヴ | ||
ブロデリック・ジョンソン | ||
製作総指揮: | モリー・スミス | |
ティモシー・M・バーン | ||
アーウィン・ストフ | ||
原作: | マイケル・ルイス | |
『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』(ランダムハウス講談社刊) | ||
脚本: | ジョン・リー・ハンコック | |
撮影: | アラー・キヴィロ | |
プロダクションデ ザイン: |
マイケル・コレンブリス | |
衣装デザイン: | ダニエル・オーランディ | |
編集: | マーク・リヴォルシー | |
音楽: | カーター・バーウェル | |
音楽監修: | ジュリア・ミシェルズ |
こんばんは。cals*k (カルス・ケイ) です。
映画の邦題の件ですが、「ブラインドサイト 小さな登山者たち」なる映画があるためだと思います。
URL: http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88-%E5%B0%8F%E3%81%95%E3%81%AA%E7%99%BB%E5%B1%B1%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1-%E3%83%87%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E7%89%88-DVD-%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC/dp/B000XFGIEO
用件のみで失礼します。
こんばんわ。
似てるタイトルの映画があるんですねぇ。映画もチェックしてるんですけど、この映画は全く知りませんでした。
邦題って日本うけするために、かなり原題を変えてるケースが多いので、その類だと思っておりました。
ちなみに「ザ・エージェント」も原題は主人公の名前である「ジェリー・マクガイア」なんですよ。
結構、邦題の方がしっくりくるというものも多いです。
こんにちは。
私もこの「しあわせの隠れ場所」という邦題には違和感ありでしたね。
この映画には、
「人間、なにかにフォーカスしすぎると、なにかが見えなくなることもあるよね」
というメッセージがちりばめられており、
であるからこそ、ブラインドサイドという用語が題名として活きてくるのですが、
邦題を考案した人はそこらへんをイマイチ理解してなかったものと思いました。
まあ、アメフトそのもにに限らず、
日本人にはなかなか理解しがたい映画ではあったと思います。
貧富の格差、人種差別、アメフトというスポーツの社会における存在感、高い運動能力に対する尊敬、
といった米国的価値観を皮膚感覚で感じた上で映画をみると、本当に感動的な映画といえます。
米国におけるキリスト教的倫理観を感覚的にわからないと、
なぜテューイ夫妻がオアーを育てたのかピンとこないでしょうし、
夫妻の実子が周囲からイジメにあってもオアーをかばって仲良くする姿勢は日本では有り得ない気がします。
学生スポーツの段階からあれだけアメフトに熱狂する米国人の感性も日本にはないものですね。
日本のプロ野球における逆指名が許される学生向けの囲い込みが
米国では高校→大学の段階で行われているというのは、びびりますが、
米国では大学スポーツでさえ何万人のスタジアムが満員になり、
スポンサーがついて全国放送と、それだけ金になるということなのでしょう。
たしかにキリスト教信者である事をあらわすシーンはふしぶしにありました。
感謝祭の日に皆がテレビを見ながらメシを食べようとした時に、それを止めて全員きっちり食卓につくのを指示し、家族全員がそれに納得するシーンも日本では無いでしょうね。
(私もキリスト教系の幼稚園に通わされて、聖書を読んでメシの時間にお祈りしてましたが、今じゃ・・・・(´д`lll))
そして貧富や人種差別など、フィクションを題材としているだけに、アメリカ社会の問題も凝縮されていましたね。
ご指摘を頂いた点を意識して、もう一度映画を見ると、別の見方ができると思いました。
価値のあるコメントをありがとうございます。
記事を書いてよかったです。