ハインズマンコンビ・ミラクルパワー

いよいよ始まる負けたらシーズンエンドのサバイバーシリーズ、NFLプレーオフ。

1回戦にあたるワイルカードプレーオフの初戦は、9年ぶりのプレーオフ出場のテネシー・タイタンズ と 近年のプレーオフ常連かつ2年連続地区優勝のチーフスの対戦となりました。

レギュラーシーズンの戦い方は通用しないプレーオフ、果たしてタイタンズはチーフスを倒してアップセットできるのか?

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スコア&ダイジェスト

ハイライト:Youtube

2018年 1月 6日

 

1Q

2Q

3Q

4Q

TOTAL

タイタンズ

0

3

7

12

22

チーフス

14

7

0

0

21

総評

前半はチーフスQB”アレックス・スミス”の正確なパスから、RB”タイリーク・ヒル”、TE”トラビス・ケルシー”の活躍により前半を3-21とチーフス18点リードで折り返し、チーフスがこのまま勝利かと思ったら、チーフスは後半が無得点でタイタンズに1点差で逆転負けするという不思議な結果となりました。

 

タイタンズ勝利へのターニングポイントとなったのは、この試合で一番リプレイされたであろうTDシーン。

第3Q開始から8分29秒もかけたロングドライブで、QB”マーカス・マリオタ”が敵陣6ydから投じたパスをチーフスCB”ダレル・リーヴィス”がブロックして阻止したと思ったら、そのボールをマリオタ自らレシーブしてエンドゾーンに飛び込みTDレシーブを自分で決めるという奇跡のプレーが発生。

ただのTDでなく奇跡的なプレーによるTDで11点差に詰めたことで、選手のみならず試合に関わる全員が「神がタイタンズに味方している」と思いこむような空気になったことが一番の勝因だったと思います。

 

この珍プレーが史上初かと思いきや実は過去にも存在し、中継中に解説者かつ今レイダースに復帰で話題のジョン・グルーデンが彼にスマホに送られてきた動画を紹介しておりました。

さらにこの後のチーフスのパントをタイタンズがマフって、タイタンズはチーフスに敵陣28ydからのO#を与える致命的なミスを犯すものの、チーフスK”ハリソン・バッカー”が48ydのFGを外した事で「タイタンズ、神ってるよ~」という空気が濃くなり、タイタンズへ完全にモメンタムが行ってしまいました。

最終的に、1点差勝負になったので、もしこのFGが決まっていればチーフスの勝利していたかもしれません。

 

タイタンズはRB”デリック・ヘンリー”のTDラン、さらに元ジェッツのWR”エリック・デッカー”のTDレシーブで逆転します。

ヘンリーのランに関してヘンリーはこの試合でラン23回156yd1TDという記録でしたが、ラン23回中21回は左サイドという非常に偏ったコールをしております。

右2回のランで18yd(平均9yd)も出ているのに、なぜこれほど左ばかりに偏ったか理由は定かでありません。

 

そして逆転となったWR”エリック・デッカー”への22ydのTDパス。

前半は簡単なパスをドロップして以降、ほぼ何もしていないデッカーがここで急に現れたのは衝撃だったでしょう。なんせ記録がレシーブ2回21yd1TD。つまり決勝TD以外のもう1本のパスは1ydロスであり、実質この決勝TDレシーブしか役に立っておりません。

ジェッツ時代同様に「エースWRの影に隠れないと活躍できない」「レッドゾーンでは鬼強い」という実にデッカーらしい活躍でした。

 

タイタンズは逆転したとはいえ、1点差なのでチーフスにFGレンジに入られたら再逆転を許すところ、WR”アルバート・ウィルソン”がロングパスを取り損ねるラッキーもあり、O#を取り返します。

そして、1stDownを取ればタイタンズ勝利のラストプレーも必見。

この渾身マリオタブロック!もはやこの試合はマリオタ劇場です。

 

加えて、現地で物議をかもし出しているのが、前半終了2分前に起こったマリオタのファンブル疑惑。

このプレーでファンブルロストだと思って私は少し席を外して帰ってきたら、まだタイタンズがプレーしてたので、ツィッター民に何が起こったか聞いたら「フォワードプログレス」だったとの事。

つまり、マリオタはサックを喰らったものの、審判はファンブル時は進んだ分をD#に押し返されたという「フォワードプログレス」と判定。フォワードプログレスに対してチャレンジが出来ないというルールのためにチャレンジはされずタイタンズのプレーが続行され、タイタンズはこの後に貴重なFGで3点を取りました。

その時の私の感想は以下のとおり。

この判定をした審判が”ジェフ・トリプレット”さん。

このトリプレッツさんは他にも誤審をしております。先ほど紹介したマリオタが自分で投げたパスを自分でレシーブしたシーンにて、トリプレットさんはレシーブ有資格者でないマリオタがTDレシーブした理由を「ショットガン体型だったからレシーブOK」と解説したのですが、実際のルールは相手D#に1回ボールが触れたら全員がボールを持って良い有資格者になるのです。

結果は同じでも解釈が間違っているのは審判としてあってはならない事で、先のフォワードプログレスの判定を合わせ他の判定でも批難を浴びております。

このトリプレッツさんはかなりベテランの審判なのですが以前から「最悪の審判」という噂があり、今試合でそれが明確化されためか、なんと引退するようです。

誤審の責任を取るのは勝手ですが、その犠牲となったチーフスが不幸すぎます。

 

ちなみにチーフスは24年間もホームのアローヘッドスタジアムでプレーオフの勝利はありません。

レギュラーシーズンは強くともプレーオフは毎回、勝てそうな試合をなぜか逃します。

思い出深いのが、2013年のプレーオフでコルツと対戦したときの事件。

絶望からの回帰 とうとうプレーオフスタート。 その1試合目はHC"アンディー・リード"&QB"アレックス・スミス"の新生チーフスと、昨シーズンに続き天才QB"アンドリュ

チーフスはコルツ相手に最大28点差のリードします。しかし、普通ならばランプレーを多く入れてゲームクロックギリギリでプレー開始することで時間を潰しにかかるところを、普通にパスして普通に試合をするものだから時間が進まず 、その間にコルツQB”アンドリュー・ラック”にTDパスをガンガン喰らって大逆転負けをしました。

 

もう1つチーフスの印象深い負け方が2015シーズンのペイトリオッツ戦。

進撃の王者 ワイルドカードプレーオフが終わり、2回戦のディヴィジョナルプレーオフがスタート。 ワイルカードでは、勝率が低いのに地区優勝でプレーオフに出てるパチもんのチームもいま

2ポゼッション差を追う立場なのに、第4Q終盤でランをコールしたり、のんびりハドルを組んでなぜか普通にプレーをし続けて時間を回します。

チーフスがTDを決めて1ポゼッション差にした時、残り1:18でタイムアウトが3つ残っているというおかしな状況になり、当然オンサイドキックに失敗して敗北しました。普通ならノーハドル ショットガンでO#を速めたり、もっと早い時点でタイムアウトを使って時計を止めるのに、なぜ自ら貴重な時間を潰しにかかったのか謎です。

今回のG+の実況でチーフスファンの村田さんもアンディー・リードのタイムマネジメントの下手さを指摘していましたが、今回は自滅というよりツキがありませんでした。実に不思議なチームです。

 

titans マリオタ marcas mariota

タイタンズQB”マーカス・マリオタ”のスタッツは、パス19/31回205yd獲得2TD、1INT。ラン8回46yd。

パス成功率は50%を切るものの、奇跡の一人TDパスや3rd-longでスクランブルを決めるなど、人間離れした運動神経を見せました。

RB”デリック・ヘンリー”と共に、ハインズマン賞受賞者の価値を上げております。

 

アレックス スミス アスミス Chiefs

一方、敗れたチーフスQB”アレックス・スミス”のスタッツは、パス24/33回264yd獲得2TD。RB”カリーム・ハント”のランを抑えてパス主体のO#で前半に3ポゼッション差リードするも、後半は1点も取れず逆転負け。

重要なターゲットであるTE”トラビス・ケルシー”が脳震とうを起こして途中OUTした事が後半のO#停滞につながり、不運でした。

もはやプレーオフで勝てないQBのレッテルが張られ、2017年ドラ1”パトリック・マホームズ”が後ろに控えている以上、来シーズンはチーフスにいないかもしれません。

49ers時代から実力はあるものの、本当にツキの無いQBです。