奇跡のラストパス
ディビィジョナルプレーオフの最終戦は、2度目のSB制覇目指すQB”ドリュー・ブリーズ”率いるセインツ と、万年バックアップかと思われたら大活躍のQB”ケース・キーナム”率いるバイキングスの一戦。
先の試合でQB”ベン・ロスリスバーガー”率いるスティーラーズが敗れており、この試合でもリーグトップクラスのQBが敗れる予感はあります。
チャンピオンシップにコマを進めるのはどっちだ!?
(話題になりすぎて、すでにみんな内容は知ってると思いますけど)
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スコア&ダイジェスト
|
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
TOTAL |
セインツ |
0 |
0 |
7 |
17 |
24 |
ヴァイキングス |
10 |
7 |
0 |
12 |
29 |
総評
ラストが話題になりすぎて、もはや説明不要の試合ですが、一応おさらい。
まずバイキングスQB”ケース・キーナム”はプレーオフ初出場にも関わらず非常に落ち着いており、流れるようなO#で先制。
一方、セインツはバイキングスD#の前に自慢のランでも3rdDown-1ydを取れず、QB”ドリュー・ブリーズ”がロングパスをINTされ、さらにはWR”テッド・ギンJr”にTDパスをヒットするもイリーガル・シフトの反則により取り消された上に、レッドゾーンでINTされて前半を無得点に終えます。
流れは確実にバイキングスにありましたが、後半からセインツは立て直してWR”マイケル・トーマス”のTDパスに加え、CB”マーカス・ウィリアムス”のINTにより流れを引き戻し、第4Qの開始直後には14-17 の接戦となります。
バイキングスはFGを決めてセインツを引き離すも、セインツのパントブロックやCB”ゼイビア・ローズ”の一時離脱により追い詰められ、とうとう残り時間3分にセインツはRB”アリルビン・カマラ”へのTDパスで21-20と逆転に成功。
このバイキングス1点ビハインドの残り時間3分からが、この試合の本当の勝負でした。
残り1:29にバイキングはK”カイ・フォーバス”の53ydFGで21-23で再逆転!
この状況になる前にセインツHC”ショーン・ペイトン”のご乱心にも見える無駄チャレンジ2連発により、セインツはタイムアウトが1つしかない危機にも関わらず、QB”ドリュー・ブリーズ”の真骨頂ともいえるロングパスで、残り25秒にFGを決めて24-23とセインツが再々逆転に成功!
バイキングスは残り25秒、自陣20ydからタイムアウト残り1つで再度FGを決めなければ敗北するという、非常に厳しい状況に追い込まれます。
そして残り10秒で自陣39yd。タイムアウト0なので実質パスをあと1回しか投げれず、ダウンした時点でバイキングスの敗北決定。
FGを蹴るためにはレシーブしたらすぐに外に出なければならない、まさに極限状態で出たのが話題のラストパスです。
WR” ステファン・ディグス”に投じたパスにS”マーカス・ウィリアムズ”が反応するも、空中にいるディグスに対して低姿勢でタックルを仕掛けるという、何がしたかったのかよく分からないミスタックルをやってしまい、ディグスは目の前に誰もいなくなった状況に迷いなくエンドゾーンまで走り切って、奇跡の大逆転となったわけです。
ラストパスの映像
.@STEFONDIGGS FOR THE WIN!!!!!!!!! #SKOL #NOvsMIN #NFLPlayoffs pic.twitter.com/UAoNJ2NJ97
— NFL (@NFL) 2018年1月15日
エンドゾーンカメラから
One of those moments you never forget. #BringItHome pic.twitter.com/bAbAAL8E7a
— Scott Kegley (@ScottKegley) 2018年1月15日
なぜ試合中にINTまで決めて活躍していたS”マーカス・ウィリアムス”がおかしな事になったかというと、やはりFGでもバイキングスは逆転勝利するという状況が念頭にあったので、瞬間的にパス・インターフェアランスを恐れた節があります。
試合後のロッカールームで泣きながらもインタビューを受けましたが、ここでウィリアムスはタックルしたことに関して「意図的にやった。ボールは空中にあったが、それを攻撃しなかった」とコメント。特に反則に関しては触れませんでした。
21歳のルーキーが「絶対に止めなければいけない。しかし、反則を犯してはならない」という極限状態でパニックに陥ったと、個人的に思います。
しかし、彼がいなければセインツはこの舞台にすら立てていません。彼を責める人は誰もいないでしょう。
彼のミスタックルに避難が集中してますが、このプレーの全体像を見ると・・
From @NFL #NextGenStats a unique look at @Vikings @stefondiggs game-winning TD pic.twitter.com/aZ6bcLW7Wk
— Michael Signora (@NFLfootballinfo) 2018年1月15日
O#のプランは右サイドへ3人のレシーバーをロング、ミドル、ショートに散らしてカバーされていないレシーバーを瞬時に見切って投げ分けるという、ラムズQB”ジャレッド・ゴフ”が今シーズンに多様していた高度なパスです。
パスラッシュが届く寸前に見切って一番奥に投げたQB”ケース・キーナム”も見事ですし、この状況でカバー2かつ、浅いところにLBを配置するのが無駄のようにも見えるD#のコールがマズかったようにも見えます。
決して一人のミスでなく複雑な要素が絡み合っての大逆転劇でした。
加えて、熱烈なバイキングファンの後押しもあったでしょう。
バイキングスQB”ケース・キーナム”のスタッツは、パス25/40 回318yd獲得1TD、1INT。
QB”テディ・ブリッジウォーター”の2シーズン連続OUTに始まり、その代役のQB”サム・ブラッドフォード”の負傷からバイキングスの先発を任された、実質3rdQBである彼がここまでやるとは開幕前に誰が予想できたでしょうか。
2013年からテキサンズとラムズを行ったり来たりして、とうとうバイキングスで花開きました。
で、バイキングスはブリッジウォーターとブラッドフォードをどうするでしょうかね・・・。
一方、敗れたQB”ドリュー・ブリーズ”のスタッツはパス25/40回294yd獲得3TD、2INT。
バイキングスの強力D#にランはほぼ封じられ奮闘しましたが、惜しくも2度目のSB制覇の夢は終わりました。
ロスリスバーガーと同様に来シーズンもプレーする意欲があり、まだ若手たちに道を譲る気は無さそうです。
おまけ
マネキンセレブレーション。みんな去った後でも一人で続ける悲哀のキーナム。
Incredible freeze tag celebration by the Vikings but it looks like Case Keenum may have actually froze #NOvsMIN pic.twitter.com/R6WMO9CuVN
— What the Sports (@realwtsports) 2018年1月14日
TDの瞬間、狂喜のバイキングスファン
The #MinneapolisMiracle was incredible.
Your reactions? Priceless. #BringItHome pic.twitter.com/sydPiQUdLY
— Minnesota Vikings (@Vikings) 2018年1月17日
本当にすごい試合でしたね。
3&10で残り10秒、タイムアウト無し・・・素人目には怖いのは一発ロングだけだと思いましたが、色々な事が絡み合いあのラストになったんでしょうね。
あきこさん>
QBキーナムですから、まさかあんなパスを投げるとは思っていませんでした。
これで彼は「持ってる系」の選手だと証明したので、このままSBを制覇してトップクラスの仲間入りをして欲しいところです。
逆転また再逆転という両チームのファンにとっては堪らない展開でしたね。ウェンツ抜きのイーグルスが勝つのか、スーパーボウル地元開催のブァイキングスが勝つのか楽しみな試合ですね
ふて猫さん>
どちらもバックアップから成り上がり対決ということで、チーム状況は開幕前に想定していたものとは違うものとなりました。
個人的にバイキングスにジンクスをやぶってもらい、かつホームスタジアムなのにビジターという珍現象を見たいものです。
ディビジョナルで一番、すごかった試合。こんな事は思っても見なかったです。
さぁ、バイキングスはイーグルスと対戦ですが、勢いのまま史上初のホームスタジアムでのスーパーボウル開催となるか!
ここまで来たらそれを期待してしまいます!
緑の飛行機さん>
非常に面白い試合でした。
結構、バイキングスを推すファンが多いようですが、イーグルスもあなどれません。
さてさてジンクスの威力はいかに!?
Div.プレーオフ4試合の中でというより、ここまでのシーズン全体で一番面白い試合でした。
語りたいことが多過ぎるので箇条書きで。
1. キーナムの躍動感が凄かった。あんなにお茶目さんでしたっけ?
2つ目のTD後のマネキンチャレンジのセレブレーションも面白かった。
2. タイムアウト2つ失ったセインツのVTR担当はクビにすべきですね。
3. マーカスの世紀のミスタックル、確かにインターフェア回避という意図が見えるので
責める気にはなれないですよね。
血迷ってオンサイドキックに飛び付いてファンブルしたGBのボスティックとはちと違う。
4. 決着付いた後のTF必要ですかね?負けたチームロッカーから呼び戻してまで。
本気でアホかと思いました。
5. 今まであまり気にしてませんでしたし、東大HCの肩書きにも惑わされてたかもしれませんが、
もしかして森さんの解説って結構テキトーですか?
僕もホームチームのビジター見たいです!
みきのりさん>
キーナムのセレブレーション、掲載するの忘れてました。動画があれば掲載したいと思います。
それにしてもキーナムが試合開始から落ち着いていたのは驚きでしたね。まるでお手本かのようにキレーな姿勢でキレーなステップを踏んで投げました。
この試合で世界で5000万人はキーナムファンを増やしたでしょう。
試合後のファンの喜ぶ動画をいくつか見たのですが、大人も子供も絶叫発狂のオンパレード!アメリカ人の喜び方はハンパないですね^^
雪やプールに飛び込む人もいて、見ているこちらも元気をもらえたような気がします。
次のイーグルスも相当強いですが、私もなんだかバイキングスに風が吹いてるような気がします。
SBまで行けばきっと観客が勝たせてくれますよ♪
しょういちさん>
しかし次は敵地でしかも屋外ですから、イーグルス有利はブレないですね。
しかしキーナムにはSB初のホームでSB初制覇という、最近無いシンデレラストーリーを歩んでほしいものです。
追い込んでる方こそ、その実追い込まれているというのを現実に見てしまったというか。
あの1プレイに限ってみれば、バイキングスの方がプレイの難度は低かったというか。
はなからあそこに投げるしか無かったからキーナムは素早く判断して投げれたというか。
反則誘発も込みで、滞空時間の長いサイドライン際へのやまなりパスしかなかった。
あの状況でD#は前には入りにくい、反則も避けたいので早めの接触もまずい。
となると、あとはQBとWRのキャッチボールなわけで。しかもサイドライン際なら倒れ逃げればアウトオブバウンズ。
ならライン側の足を刈るようにタックルしてインバウンズでしとめたいが、その手のタックルは外され易いと。
一点に集中できたバイキングスと、いろいろ考えなければならなかったセインツと。
思うに43番は頭の回転の速いほうの選手なのではと。動きながら判断を出来る。故の悲劇。
獣みたいなまっすぐなプレイする選手なら無かった悲劇。審判もフラッグ投げにくいだろうし。全てたられば。
日本で観てた人間ですらこれなんだから、現地の人間の感情たるや。選手はしばらく眠れないんじゃなかろうか。
ごちゃごちゃ乱文失礼しましたが。結局この一言。
やっぱNFLってすげぇ楽しいや。
更新お疲れ様でした。
ktさん>
私も残り10秒でFGで再逆転という状況はバイキングスよりセインツの頭を悩ませたと思います。
そして、あの一瞬で頭が回転しすぎてミスったというのも同感です。
そこにいろいろな考えを議論できる奥の深さもNFLの面白いところですね。
とにかく結果はバイキングス勝利。それだけが真実です。
最後のプレー、結果論になりますがSウイリアムスはディグスが着地したタイミングで突っ込めればうまくタックルできてインバウンズでのダウン、すなわち試合終了に持っていけたかもしれないですね
(サイドラインに出られてもFG失敗に一縷の望みかけられた)
タッチダウンの動画、何回も見ましたがスタジアムの絶叫凄いですね
ついでにタッチダウン後、喜びのあまりヘルメット投げたことで審判アンスポ?のイエローフラッグ出してるところはしっかりしてます(笑)
通りすがりさん>
死ぬほど練習しているタックルも、極限状態によるパニックで頭と体の伝達がおかしくなっちゃたんでしょうかね。
そして審判はさすが冷静。このようなシーンでも感情出せないのは、ある意味で過酷な仕事です。
18時40分開始と普段寝ている時間の試合だったので3Qか4Qで寝落ちしてしまいましたが、目が覚めたらアメリカ人のフォロワーさんが僕とディッグスを連名でツイートしていたので何があった?と思って結果を見たらびっくりしました。
イーグルスファンとして負ける気はありませんが、是非ともUSバンクスタジアムで歓喜の瞬間を迎えて欲しい人がいるので、その人のためにも勝って欲しいです。
僕が埼玉スタジアムで味わった浦和レッズのアジア制覇と同じ喜びをNFLでも分かち合いたいです。
YM5さん>
後にチャンピオンシップの予想を書きますが、イーグルスが勝つと思います。
しかし、私の予想はハズレるのでそこはご容赦を。
それにしても、試合によってインターフェアランスを取る
基準が違い過ぎませんかね?
スティーラーズvsジャガース戦くらいのユルユル基準だったら
ウイリアムスも精神的に追い込まれなかったろうに・・・
スーパーに関しては、開催地チーム出場か?の話題がもっぱらですが
実はドーム本拠のチームってほとんど勝ててないんですねぇ
セインツ、コルツ、ラムズくらいじゃなかったかな?
昔のロゴで出ていますさん>
確実に違います。G+の解説陣もそれをまずチェックしていました。
定義はあるものの、どこからどこまでが反則かハッキリとした線引きがなく審判の思惑や状況に左右される部分がある反則ですので、難しいです。
ドーム本拠地が勝てないように見える理由はAFCにドームがコルツとテキサンズの2つしかない部分が大きいと思います。
ロスにラムズとチャージャーズ兼用のスタジアムが出来れば3チームになりますね。
NFCの方が何か近代的です。
『AFCにドームがコルツとテキサンズの2つしか』
いや仰るとおり!
わたくしが浅知恵でございましたm(__)m
昔のロゴで出ていますさん>
実は私もこないだ数えて気づきました。
ドームがもうトレンドかと思いきや、AFCはそれほどでもありませんでした。
セインツファンとしてはランが全く出ないゲームで、よくあそこまで接戦にできたなという感想です。
最後のアレはインターフェアの反則とられやすいのもそうでしすし、試合を通してバイキングスにRACでグイグイ進まれてたのでああいうタックルになったのではないかとも思いました。
ウィリアムスには来シーズンまでにこのトラウマを払拭して欲しいですね
マタさん>
ランが無ければパスがある、そこはブリーズ様様です。
近年まれにみる最悪なタックルでしたが、確実に後ろには誰も居ないしFGでも敗北、空中戦で競り負けたら最悪、なら着地を狙おうといろいろ頭を巡らせた緊張MAXの1vs1だったのでしょう。
私なら緊張しすぎて気絶してます。