奇跡のラストパス

ディビィジョナルプレーオフの最終戦は、2度目のSB制覇目指すQB”ドリュー・ブリーズ”率いるセインツ と、万年バックアップかと思われたら大活躍のQB”ケース・キーナム”率いるバイキングスの一戦。

先の試合でQB”ベン・ロスリスバーガー”率いるスティーラーズが敗れており、この試合でもリーグトップクラスのQBが敗れる予感はあります。

チャンピオンシップにコマを進めるのはどっちだ!?

(話題になりすぎて、すでにみんな内容は知ってると思いますけど)

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スコア&ダイジェスト

ハイライト:Youtube

2018年 1月 14日

 

1Q

2Q

3Q

4Q

TOTAL

セインツ

0

0

7

17

24

ヴァイキングス

10

7

0

12

29

 

総評

ラストが話題になりすぎて、もはや説明不要の試合ですが、一応おさらい。

まずバイキングスQB”ケース・キーナム”はプレーオフ初出場にも関わらず非常に落ち着いており、流れるようなO#で先制。

一方、セインツはバイキングスD#の前に自慢のランでも3rdDown-1ydを取れず、QB”ドリュー・ブリーズ”がロングパスをINTされ、さらにはWR”テッド・ギンJr”にTDパスをヒットするもイリーガル・シフトの反則により取り消された上に、レッドゾーンでINTされて前半を無得点に終えます。

 

流れは確実にバイキングスにありましたが、後半からセインツは立て直してWR”マイケル・トーマス”のTDパスに加え、CB”マーカス・ウィリアムス”のINTにより流れを引き戻し、第4Qの開始直後には14-17 の接戦となります。

バイキングスはFGを決めてセインツを引き離すも、セインツのパントブロックやCB”ゼイビア・ローズ”の一時離脱により追い詰められ、とうとう残り時間3分にセインツはRB”アリルビン・カマラ”へのTDパスで21-20と逆転に成功。

 

このバイキングス1点ビハインドの残り時間3分からが、この試合の本当の勝負でした。

残り1:29にバイキングはK”カイ・フォーバス”の53ydFGで21-23で再逆転!

この状況になる前にセインツHC”ショーン・ペイトン”のご乱心にも見える無駄チャレンジ2連発により、セインツはタイムアウトが1つしかない危機にも関わらず、QB”ドリュー・ブリーズ”の真骨頂ともいえるロングパスで、残り25秒にFGを決めて24-23とセインツが再々逆転に成功!

バイキングスは残り25秒、自陣20ydからタイムアウト残り1つで再度FGを決めなければ敗北するという、非常に厳しい状況に追い込まれます。

 

そして残り10秒で自陣39yd。タイムアウト0なので実質パスをあと1回しか投げれず、ダウンした時点でバイキングスの敗北決定。

FGを蹴るためにはレシーブしたらすぐに外に出なければならない、まさに極限状態で出たのが話題のラストパスです。

WR” ステファン・ディグス”に投じたパスにS”マーカス・ウィリアムズ”が反応するも、空中にいるディグスに対して低姿勢でタックルを仕掛けるという、何がしたかったのかよく分からないミスタックルをやってしまい、ディグスは目の前に誰もいなくなった状況に迷いなくエンドゾーンまで走り切って、奇跡の大逆転となったわけです。

ラストパスの映像

エンドゾーンカメラから

なぜ試合中にINTまで決めて活躍していたS”マーカス・ウィリアムス”がおかしな事になったかというと、やはりFGでもバイキングスは逆転勝利するという状況が念頭にあったので、瞬間的にパス・インターフェアランスを恐れた節があります。

試合後のロッカールームで泣きながらもインタビューを受けましたが、ここでウィリアムスはタックルしたことに関して「意図的にやった。ボールは空中にあったが、それを攻撃しなかった」とコメント。特に反則に関しては触れませんでした。

21歳のルーキーが「絶対に止めなければいけない。しかし、反則を犯してはならない」という極限状態でパニックに陥ったと、個人的に思います。

しかし、彼がいなければセインツはこの舞台にすら立てていません。彼を責める人は誰もいないでしょう。

 

彼のミスタックルに避難が集中してますが、このプレーの全体像を見ると・・

O#のプランは右サイドへ3人のレシーバーをロング、ミドル、ショートに散らしてカバーされていないレシーバーを瞬時に見切って投げ分けるという、ラムズQB”ジャレッド・ゴフ”が今シーズンに多様していた高度なパスです。

パスラッシュが届く寸前に見切って一番奥に投げたQB”ケース・キーナム”も見事ですし、この状況でカバー2かつ、浅いところにLBを配置するのが無駄のようにも見えるD#のコールがマズかったようにも見えます。

決して一人のミスでなく複雑な要素が絡み合っての大逆転劇でした。

加えて、熱烈なバイキングファンの後押しもあったでしょう。

バイキングス ファン 99歳 100歳
これぞアメリカスポーツ業界 また後日 試合の感想文を書きますが、バイキングスが逆転に次ぐ逆転の死闘を制してチャンピオンシップへ駒を進めました。 そして、そのおかげで私は大胆予想

 

バイキングスQB”ケース・キーナム”のスタッツは、パス25/40 回318yd獲得1TD、1INT。

QB”テディ・ブリッジウォーター”の2シーズン連続OUTに始まり、その代役のQB”サム・ブラッドフォード”の負傷からバイキングスの先発を任された、実質3rdQBである彼がここまでやるとは開幕前に誰が予想できたでしょうか。

2013年からテキサンズとラムズを行ったり来たりして、とうとうバイキングスで花開きました。

で、バイキングスはブリッジウォーターとブラッドフォードをどうするでしょうかね・・・。

 

ドリュー・ブリーズ Drew Brees

一方、敗れたQB”ドリュー・ブリーズ”のスタッツはパス25/40回294yd獲得3TD、2INT。

バイキングスの強力D#にランはほぼ封じられ奮闘しましたが、惜しくも2度目のSB制覇の夢は終わりました。

ロスリスバーガーと同様に来シーズンもプレーする意欲があり、まだ若手たちに道を譲る気は無さそうです。

おまけ

マネキンセレブレーション。みんな去った後でも一人で続ける悲哀のキーナム。

TDの瞬間、狂喜のバイキングスファン