嘘だと言ってよビンス
NFLと関係ない話、いや、これまでNFLといろいろ絡んできたので全く無関係では無い話ですが、世界一のプロレス団体WWEの会長兼CEOを務めるビンス・マクマホンが引退を発表しました。
全米では近年最強の衝撃ニュースなので、ここでもお伝えします。
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WWEの主役 ビンス・マクマホン(Vince McMahon)が引退を発表
Breaking: Vince McMahon is retiring as WWE chairman and CEO, he announced today.
He said that his daughter Stephanie and current WWE president Nick Khan will be taking over as co-CEOs. https://t.co/ZfUsdeZhrN pic.twitter.com/yBBLfMSsCl
— ESPN (@espn) July 22, 2022
これはWWEの中で展開するストーリーでなく、各メディアが速報で報じているので本当の話です。
今後は娘の”ステファニー・マクマホン”と”ニック・カーン社長”が共同CEOとして団体を引っ張っていくとのこと。
ステファニーの夫であり、元団体のスーパースターであるHHH(トリプルH)は前日にタレント・リレーション部門のEVPに就任したと発表され、幹部職に復帰しています。
HHHは2021年9月に心臓の問題により休職し、2022年3月に引退を発表しました。
ビンスの引退に関しては年齢もさることながら、先日の報道された元従業員の女性と不倫関係にあったというスキャンダルと、さらに過去16年でレスラー含む4人の女性と関係を持ち、多額の口止め料を払っていたという疑惑が、引退の引き金になったと思われます。
ビンスの声明に関しては、日本語訳が以下のサイトに掲載されています。
https://www.football-news1.com/?p=22216
プロレスを変えたビンスの多大すぎる功績
WWEの事をよく知らない人のために、”ビンス・マクマホン”という人物に対して少し説明をさせて頂きます。
“ビンス・マクマホン”はWWEの前身団体WWWF(後にWWF)を親会社の社長であった父からレスリングビジネスを学び、リングアナウンサーやインタビュアー役などで徐々にテレビへの露出を増やしていきました。
1982年に親会社の株を分割で買い取ってWWFの社長に就任。
1984年から、あの”ハルク・ホーガン”と手を組んでWWFを全米に進出させ、日本にも影響を与えるほどのブームを起こして一気に団体を成長させました。
ビンスはプロレスを地方の狭い会館で行う見世物から、大観衆が押し寄せる広いアリーナで行うエンターテイメントに進化させた立役者なのです。
しかし、1990年代中頃に巨大資本を持つライバル団体WCWの台頭によりWWFは大ピンチに陥ります。
ここでビンスがWWFを救うために取った策が、自らが「悪のオーナー」として番組に登場するどころか、悪役レスラー”ストーンコールド・スティーブ・オースティン”と抗争してリングで戦うという、まさに捨て身でした。
ヒールであるストーンコールドが巨悪である団体のオーナーに歯向かう姿勢は、「ヒール(悪役)なのにベビー(正義)」つまり、アウトローヒーローというこれまでにない立ち位置を作り出して、一躍大人気になりました。
さらにWWFの成長を加速させたのが、今やハリウッドで1番稼ぐ男になった”ドウェイン・ジョンソン”こと”ザ・ロック”の出現でした。
ストーンコールドが欠場中に、ザ・ロックとビンス一味が抗争し、ザ・ロックを全米一のカリスマに押し上げたのです。
私がWWF(現WWE)にハマってしまったのもロック様の影響です。
当時は毎週、笑い死にするかと思うぐらいの楽しい内容でした。
本物の団体のオーナーがリングで投げられるどころか、高級車を破壊され、さらには大衆の前で巨ケツに顔を突っ込ませるという体の張りようは、ビンスが団体のために全てを捧げていることを証明しました。
これに続いてビンスの本物の嫁、娘、息子もリングに登場して、大金持ちの一族とは思えぬ体の張り方をします。
とくに息子の”シェーン・マクマホン”は「プロよりスゴい素人レスラー」という異名を持つほど、見た目から想像できない常識はずれの運動神経と耐久力を見せます。
詳しくは以下の記事を参照。
この後もビンスは、”リック・フレアー”や”アンダー・テイカー”、”ジョン・シナ”などレジェンド級のレスラー達とフルマッチを行い、いずれも名試合になっています。
ビンスは立場と年齢からテレビで姿を見せる機会は減っていきますが、それでも登場した際には観客は盛り上がり、何かを期待せずにはいられません。
約30年間もの長きにわたる間、団体の規模や顔ぶれがどれだけ変わろうとも、WWE(旧WWF)はビンス・マクマホンという主人公が軸にあった物語だと言っても過言ではありません。
その長きにわたるビンスのサクセスストーリーが終わるというのはファンとして寂しいところです。
もしも亡くなった時、国葬すべきはビンスでしょう。そう思えるぐらいプロレスやエンターテイメント業界に革新をもたらした人物です。
(※XFLは2回失敗したけどね)
今後の団体の先行きが心配ですが、
昔WWEのマニアックブログをやっていたものとして、1つの時代が終わったと感慨深いです。Vinceの実績と存在感はちょっとやそっとでは語り尽くせませんね。お疲れ様としか言いようがありません。
今後はどうなるのですかね?ファミリーで運営していくには会社が巨大になりすぎた感があります。
ナイナーズファン aka Jabroniさん>
正直、ビンスがいないWWEはWWWEと呼べるのか分からないです。
しかし、そろそろ新時代に移らねばならない時期であることも明らかです。
どのような組織体制になるか分かりませんが、ビンスがいなくなったことで起こるWWEの進化に期待するしかありませんね。