ヘイルメリーの夜明け
今シーズンのプレシーズンは1試合少ない3試合で終了。
3試合目へのプランは各チームで異なり、ここで主力の最終調整を行うチームもあれば、主力は下げてロースターカット当落選上の選手で行う、いわばセカンドチームで臨むチームもあります。
ジェッツはQB”ザック・ウィルソン”ら主力は防具をつけずサイドラインで見学するセカンドチーム体制で臨みました。
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スコア&ダイジェスト
ハイライト&データ[GAME CENTER(NFL.com)]
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1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
TOTAL |
イーグルス |
14 |
7 |
3 |
7 |
31 |
ジェッツ |
7 |
3 |
7 |
14 |
31 |
オフェンス
大雨のために試合開始が30分ほど遅れたこの試合、ジェッツもイーグルスも主力メンバーをほとんど「Did Not Play」に登録し、セカンドチーム同士の試合となりました。
ジェッツの先発は8月4日に契約したばかりのQB”ジョシュ・ジョンソン”(Josh Johnson)。知名度は低いのですが35歳のベテランQBです。
その経歴が凄まじく2008年ドラフトにて5巡でバッカニアーズが獲得からその後の経歴に関して、Wikiの情報を羅列するとこうなります。
2008年-2011年 |
タンパベイ・バッカニアーズ |
2012年* |
サンフランシスコ・フォーティナイナーズ |
2012年 |
サクラメント・マウンテンライオンズ(UFL) |
2012年 |
クリーブランド・ブラウンズ |
2013年 |
シンシナティ・ベンガルズ |
2014年 |
サンフランシスコ・フォーティナイナーズ |
2015年* |
シンシナティ・ベンガルズ |
2015年* |
ニューヨーク・ジェッツ |
2015年 |
インディアナポリス・コルツ |
2015年 |
バッファロー・ビルズ |
2016年* |
ボルチモア・レイブンズ |
2016年 |
ニューヨーク・ジャイアンツ |
2017年 |
ヒューストン・テキサンズ |
2018年* |
オークランド・レイダース |
2018年 |
ワシントン・レッドスキンズ |
2019年 |
デトロイト・ライオンズ |
2020年 |
ロサンゼルス・ワイルドキャッツ(XFL) |
2020年-2021年* |
サンフランシスコ・フォーティナイナーズ |
2021年– |
ニューヨーク・ジェッツ |
*オフシーズンまたはプラクティススクワッドとしての所属のみ
UFLやXFLを合わせて計17チームを渡り歩く、まさに生粋のジャーニーマン。
2015年にもジェッツに来ていますが、全く記憶にございません。
ジェッツとしては若手ばかりのQB陣に対して経験豊かな指南役として獲得したのでしょう。
しかし、今月契約したばかりにも関わらず、そのプレーは洗練されており非常に落ち着いていました。
TDパスもD#の頭を超える弾道と絶妙なコントロール、これはジャーニーマンレベルのパスではありません。
TOUCHDOWN JETS! Let’s go @lawrencecager3 ‼️
📺 WCBS/nyjets.com/Jets app pic.twitter.com/NZIDpwupI8
— New York Jets (@nyjets) August 28, 2021
“ジョシュ・ジョンソン”のスタッツはパス7/8回73yd獲得1TD。これはバックアップに欲しい人材です。ロースターに残すべきでしょう。
後半に登板したのは2020年ドラ4QBの髭男”ジェームズ・モーガン”
強肩だけが強みであり、プレシーズンここまでのパフォーマンスは褒められたものではありませんでしたが、この試合でINTはあったものの徐々に馴染んできてコントロールが改善されました。
するどい中央へのミドルパスでTDを決めた事に加えて、第4QにてジェッツTE”ダニエル・ブラウン”のファンブルロスト・リカバーTDで8点差をつけられ敗北寸前の状況にて、奇跡のプレーを見せます。
なんと、タイムアップと同時に敵陣49ydからエンドゾーンに放ったヘイルメリーパスをWR” ケニー・ヤボア” (Kenny Yeboah)がレシーブしTD!
HAIL MARY KENNY!!!!
📺 WCBS/nyjets.com/Jets app pic.twitter.com/TucJwj8XU6
— New York Jets (@nyjets) August 28, 2021
さらに2ポイントを決めて 試合を31-31 の引き分けで終わらせました。
このTE”ケニー・ヤボア”という選手、今年のドラフト外選手で、本日のスタッツが4レシーブ100獲得2TDという突出した活躍をしています。
これは第2の”ロビー・アンダーソン”の出現に期待せざる得ません。
RB陣は”ジョシュ・アダムス”がラン12回62yd、”タイ・ジョンソン”がラン13回53yd獲得。昨シーズンに頭角を現した無名RBコンビがロースター生き残りを賭けて戦っております。
OLは3被サックとセカンドチームのOLは少し頼りなし。イーグルスもDE”フレッチャー・コックス”やDE”ライアン・ケリガン”等の主力を温存した試合でしたので、もうちょっと頑張って欲しいです。
ディフェンス
イーグルスはQB”ジェイレン・ハーツ”を温存し、先発に昨シーズンまでジェッツにいたQB”ジョー・フラッコ”を投入。
先週イーグルスはペイトリオッツ相手に35-0という大差の完封負けを喫しましたが、先週はフラッコの2重人格の悪い方「嬢・ふらっ子」だったのでしょう。
今週の人格はスーパーボウルを制覇した方の人格「ジョー・フラッコ」が出てしまったようで、鋭く正確なパスとノーハドルで格の違いを見せ、セカンドチームのD#では手に負えない空気を出していました。
前半だけ投げたフラッコのスタッツがパス13/16回188yd獲得2TD。パス失敗もレシーバーの落球によるもので、元王者の威厳を見せました。
加えて、ジェッツのランD#が弱すぎてほぼランだけでTDを獲られるドライブもあり、先週に続きセカンドチームのランD#のまずさが出ております。
しかしながら、イーグルスが後半に交代した元49ersのQB”ニック・ムレンズ”には1FGに抑えるD#を見せております。
その他の事はセカンドチームなので、あえて割愛します。
スペシャルチーム
K”マット・アメンドーラ”のFGは31ydの1本を決めたのみ。このままレギュラーシーズンも彼を起用するでしょう。
P”ブランデン・マン”は3回蹴って20yd内に落としたのは1本ですが、平均51.3yd、最長58ydと驚異の飛距離を誇っております。
近年抱える「キッカー問題」もアメンドーラが解決してくれることに期待してます。
総評
セカンドチームの試合という事であまりレギュラーシーズンの参考になりませんでしたが、イーグルスはフラッコの調子が良ければ脅威です。
QB”カーソン・ウェンツ”を出して先発QBが定かでない状況ですので、フラッコが先発に就くこともあり得ると思います。
・・・と、思っていたら最新のニュースでジャガーズのQB”ガードナー・ミンシュ―”をイーグルスがトレードで獲得しました。
TRADE ALERT: Eagles acquire QB Gardner Minshew from the Jaguars in exchange for a conditional 2022 sixth-round pick. pic.twitter.com/Dq98setLrA
— NFL (@NFL) August 28, 2021
フロント陣はやはりフラッコの不安定さを問題視しているようで、ここでQBのテコ入れをしたようです。
だとしても、イーグルスは相当不利なシーズンになりそうですが、昨シーズンのNFC東は負け越しプレーオフを出すほど酷い状況でしたので、今シーズンも地区優勝が全く予想できません。
それにしても「ワシントン・フットボールチーム」はいつまでこの名前なのでしょう。
今シーズンこそ正式名称が決まるかと思いきや、仮名のまま開幕目前です。一生この仮名で行くつもりなのか非常に気になるところです。
ジェッツに関しては、今日はセカンドチームの試合だけに特筆すべき感想は無し。
ヘイルメリーもレギュラーシーズンだったら大盛り上がりでしたけど、なんせプレシーズンですからそれほど感動はありません。
興味はもはやロースターカットです。QBは先週負傷した”マイク・ホワイト”がカット確実でしょう。
その他ロースター当落選上の選手も、プレシーズンで活躍したとしてもあっさりカットするケースもあるので、セカンドチームの皆さんはナーバスな一週間になると思います。
いよいよ2週間後に開幕のNFL。今シーズンのジェッツはまだDB陣に不安があるものの非常に期待できます。
ジェッツがガンガン勝てば、童顔QB”ザック・ウィルソン”ブームが全米で巻き起こる予感すらしますね。
ジェッツの開幕戦はなんと、QB”サム・ダーノルド”とWR”ロビー・アンダーソン”という元ジェッツの2大エースを有するパンサーズが相手。
過去のジェッツと決別するために、これ以上の対戦相手はいないのですが、開幕戦から絶対に負けられない試合となりました。