勝って兜の緒を締めよ

タイタンズに勝利したジェッツの次の相手は、ファルコンズ。舞台は長いコロナ禍があけ多くのNFLファンが待っているロンドンです。

この試合、ファルコンズの先発WRが不在ということでファルコンズを舐めていました。

私のみならず、多くのアナリストたちもジェッツの勝利を予想していましたが、世の中そんなに甘いものではありません。

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スコア&ダイジェスト

ハイライト&データ[GAME CENTER(NFL.com)]

 

1Q

2Q

3Q

4Q

TOTAL

ジェッツ

0

3

6

11

20

ファルコンズ

10

10

0

7

27

試合の前に

ロンドンゲームということで、試合前にフライオーバーや国家斉唱と豪華仕様。

あれ?どこで歌ってる?

 

あそこだ!!
!∑(゜ Д゜)

 

超こえ~~!

歌うどころか、スケスケの床を伝ってあそこまで行くのも相当の勇気。

ここまでする必要あったのかどうかはさておき、この試合に賭けるロンドンの意気込みを見ました。

オフェンス

これまで同様、QB”ザック・ウィルソン”の立ち上がりの遅さがジェッツO#の足を引っ張りました。

判断が遅い上にターンボールや低すぎるパスなど序盤はコントロールが乱れます。

この状況をO#のリズムができるまでD#が耐えれば勝てるのですが、ファルコンズO#のプレーコールが優れており前半で20失点。

後半、3点差まで詰めて盛り上がりましたが、その後のファルコンズO#にD#が耐えきれず、前半の失点が致命傷となり敗北です。

 

前回の記事でロンドンゲームでルーキーQBが勝利したことが無いこと(※今回入れて5人)に触れました。それが的中。

プロ入りして慣れぬスケジュールとプレッシャーにさらされる中で、時差に加えて環境が異なる他国で試合するというのは、我々が考えているより厳しいものなのでしょう。

 

本日のウィルソンのスタッツは、パス19/32回192yd獲得、0TD、1INT。レーディングは63.5。

強肩でスロースピードが早く才能があることに間違いは無いのですが、躊躇せず、あと1テンポ早く投げていれば通っていたパスが数本あり判断の遅さが目立ちます。

まだウィルソンに結果は求めてはいけないシーズンなのかもしれない気がしてきました。

 

ランはトータル60ヤードと奮わないものの、OLは2被サックと奮闘。

3点差まで詰めたところで、逆転勝利を夢見ましたが現実は甘くありません。逆に絶望的な前半からそこまで詰めたところを評価したいと思います。

ディフェンス

想定外だったのがファルコンズO#。

WR”カルビン・リドリー”やWR”ラッセル・ゲージ”が欠場ということで、ファルコンズO#を甘く見ていましたが、この試合でこれまでさしたる活躍をしていないドラ1TE”カイル・ピッツ”が目を覚まし、ガンガンレシーブされます。

長身の上にスピードがあり、これにジェッツのDB陣が太刀打ちできず、結果9レシーブ119yd獲得1TDを許します。

加えて、長身RB”コーデレル・パターソン”はタックル1発で仕留める事ができないほど粘りがあり、ランにレシーブに活躍されファルコンズO#のリズムを作りました。

 

ファルコンズのエースWRが不在なのにやられた理由の大部分はプレーコールが良かったからでしょう。ジェッツD#の出足の良さを逆手にとり、序盤からスクリーンを積極的にしかけてD#を翻弄しました。

なにより中心となるベテランQB”マット・ライアン”の存在が大きいですね。

プレッシャーを相当かけていたにも関わらず捕まえる直前でスローされて、先週7サックのパスラッシュは今回0サック。

的確にゾーンD#の穴に投げるコントロールの良さは、さすがベテランQBです。

 

しかしながら、ファルコンズは序盤の不可解な裁定に助けられた部分も大きいと思います。

それが試合開始直後に発生したラフィング・ザ・パサーを取られたシーン。

スローするより前にタックルに行ってるにも関わらず反則を取られ、これでパントで終わっていたはずのO#が15yd罰退となり、結果、ファルコンズのTDに結びつきます。

確実に敗因となった1プレーでした。

SNSでも「Why is this a penalty – literally why?(なぜこれがペナルティなのですか?マジでなぜですか?)」

というコメントがあり、私のみならずファンの多くがこの裁定に懐疑的です。

 

ラフィング・ザ・パサーの判定に関する不満は近年、問題となっています。

分かりやすいのが2018年の以下の記事で、不可抗力によるラフィング・ザ・パサーに不満の声があがるも何も改正されませんでした。

「ラフィング・ザ・パサー問題、NFL幹部も懸念を示す」

つまり、安全のために加えたルールを危険な方向に戻すハズがないのです。

今シーズン、QB”トム・ブレイディ”も「厳しいD#への裁定がQBを甘やかしている」的なコメントを出して、この裁定に守られているQBでありながら、D#への厳しすぎる裁定を批判しております。

 

話を戻して、他にジェッツD#で悪かったのが4Q終盤にせっかく3点差まで詰めて、止めれば勝機があったファルコンズのドライブでTDされたところ。

引いて守りすぎたために、その裏をかかれたプレーコールで時間を使われながら前進されて、結果TDを許す最悪の采配でした。

この要所での読みあいを制してこそ真のDC。この試合、コーチ陣の責任も重いでしょう。

 

ジェッツD#で良かった点は”C.J・モズリー”のファンブルフォース。意図的にボールを狙って打撃し、QB”ザック・ウィルソン”がインターセプトによって生んだピンチを帳消しにしたところですね。

私は開幕前までボロクソにモズリーを批判していただけに、毎試合の活躍は目を見張るものがあります。

スペシャルチーム

リターンでRB”テビン・コールマン”が65ydのビッグプレーを見せます。

このプレーでモメンタムがジェッツに傾いただけに、勝利に結びつかなったのが非常に悔しい。

 

K”マット・アメンドーラ”はFG2本を入れるも、エクストラポイントを外すミス。

この1点は後にTDの後に2ポイントで取り返しますが、リスクあるプレーを選択させるだけに、もう止めてほしいですね。

 

あと代役ハズのP”トーマス・モーステッド”の調子がいいです。負傷中のP”ブレイデン・マン”が復帰したとき、モーステッドを手放すのが惜しいくらいです。

しかしPは二人もいらないので、困りましたな。。

総評

私も多くのNFLアナリティスト達もジェッツ勝利を予想していただけに、この敗戦は非常に痛い。

QB”ザック・ウィルソン”のエンジンがかかる遅さは”マーク・サンチェス”に匹敵します。サンチェスの呪いなんでしょうかね。(本人、生きてるって)

 

ファンからも「指南役にベテランQBをバックアップに入れろ」という声もあり、これに私も賛成です。

なぜファイナルカットでベテランQBをカットして、経験が浅い上にロクなパフォーマンスを見せていないQB”マイク・ホワイト”がバックアップなのか、良く分かりません。

 

あと、全般的にプレーコールの差が如実に出た気がします。これはタイタンズ戦の勝利に浮かれたジェッツと、WR陣が居ない状況を打開する戦略を準備してきたファルコンズの差なのでしょう。

しかし、用意周到だったファルコンズでしたが、ロンドン遠征にキッカーの練習ネットを忘れて、ハシゴやサッカーのゴールネットなどそこらにあるもので代替え品を作りました。

これは恥ずかしい!!慣れぬ遠征にはこのようなリスクもあります。

 

ということで、2連勝を逃したジェッツ。

来週はBYE WEEK で休みとなるので、ここでオフェンスを立て直して反撃に移りたいところです。