三つ巴の先発争い

とうとう始まったプレシーズン。ジェッツはドラフト全体3位で、モック1番人気であったQB”サム・ダーノルド”を獲得し、長い低迷期脱出の期待がかかる勝負のシーズンとなりました。

ダーノルドの実力はいかに?

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スコア&ダイジェスト

ハイライト:Youtube

2018年 8月 10日

 

1Q

2Q

3Q

4Q

TOTAL

ファルコンズ

0

0

0

0

0

ジェッツ

7

10

0

0

17

オフェンス

まず気になるのが、全員に開幕先発の可能性がある3人のQBです。各QBのスタッツと内容を見ていきましょう。

QB#15”ジョシュ・マッカウン”:パス1/1回、4yd獲得

先発で出場したのは、再契約して昨年に続きジェッツを牽引するベテランQB#15”ジョシュ・マッカウン”。

出番は1シリーズのみでパスは1回。3rdDownからTE#85″ニール・スターリング”にパスを通すも1stDownに1ヤード届かず、パントで出番終了。この扱いからすると、開幕先発の1番候補はマッカウンなのでしょう。

QB#05″テディ・ブリッジウォーター”:パス7/8回、85yd獲得、1TD。ラン3yd。

続いて第2Qの10分までの2シリーズを投げたのがQB#05″テディ・ブリッジウォーター”。

まだO#陣が先発メンバーなので、WR#11″ロビー・アンダーソン”にパスを通し、3ydのギャンブルもWR#10″ジャーメイン・カース”へ通して成功。

ブラウンズから新加入のRB#20″アイゼイア・クロウェル”ラン連発で進み、最後もクロウェルのラン・アフター・キャッチでTDパスを決め、ブリッジウォーターはTDドライブを演出し、復活をアピールしました。

 

前シーズンは全敗のブラウンズでしたが、このRB#20″アイゼイア・クロウェル”に関しては、マッデン18で高いパフォーマンスを見せ、「こいつ、ジェッツに欲しいなあ」と思っていったら、今オフにジェッツに来たという経緯があるので、もはや私の心はRB#29″ビラル・パウェル”より、クロウェルに行っております。

QB#14″サム・ダーノルド”:パス13/18回、 96yd獲得、1TD。ラン8yd獲得。

リーグ注目のQB#14″サム・ダーノルド”は第2Qの8:40から早々に登場。O#陣も2ndチームに切り替わり、なかなか厳しいプレシーズンデビューでしたが、バックショルダーをオーバースローした以外コントロールは正確であり、パスミスはむしろレシーバーの方が問題ある高いパフォーマンスを見せます。

 

待望のTDパスは敵陣4ydからの3rdDown。エンドゾーン右端のWR#88″チャールズ・ジョンソン”にTDパスを通すも、O#のパスインターフェアランスで、3rdDown-14ydという状況に置かれます。

しかし、そこから同じコースへ再びWR#88″チャールズ・ジョンソン”にパスを通して初のTDパスを決めました。

これには、サイドラインで見ていたマッカウンも乗り出して興奮気味にガッツポーズ!

 

後半はケガを懸念して、ほぼハンドオフマシーンでしたが、第4Qに3rdDown-11ydのパスを通し、ファルコンズO#の時間を削る事に成功したのも印象深いシーンです。

とにかく、かつてから期待したルーキーQBの不安定なパフォーマンスばかりを見させられてきたJETSファンにとって、まともにドライブし3rdDownロングを通せるルーキーQBの姿には涙腺が緩みます。

ジェッツ サム・ダーノルド テディ・ブリッジウォーター ジョシュ・マッカウン

 

RBで目立ったのがドラフト6巡RB#40”トレント・キャノン”。ラン11回40ydとボチボチな成績を残しましたが、RBでこき使われた上に彼はキック・オフ・リターン、パントリターンにも登場。さらには第4QからDBとして登場し、マンカバーや最後尾のセーフティーに配置され、しっかりパスカバーしていました。

(※デプス上ではNo40はDB”ブランドン・ブライアント”となっており、最初は稀にあるデプスチャートの間違いだとしていましたが、コメントの情報やPlay by playから同じNoの選手が本当に2人存在しているようで、D#のNo40は別人のようです。)

 

WR”クインシー・エヌンワ”が負傷して1~2週欠場なのは残念でしたが、WR陣は昨シーズン活躍したアンダーソンとカースを中心にその他も粒ぞろいで良い感じです。

TEは去年獲得した元ジャガーズのTE#85″ニール・スターリング”が先発出場し、48yd獲得と結果を残してます。

なんせドラフト4巡のTE”クリストファー・ハーンドン”がオフに飲酒運転をやらかして、逮捕されましたので、TEの層がまた薄い。もはやスターリングに期待するしかありません。

 

不安に思ったのがOLのパスプロ。1被サックなのですが多少パスラッシュが来ても時間が作れ、ロングパスのチャンスを増やすことに期待します。

ディフェンス

なんと、プレーオフ常連の強豪ファルコンズを相手に完封勝ちです。プレですけど。

勝因は意外にも心配していたランD#が鉄壁だったこと。ファルコンズのランをトータル50yd以下に抑えました。

スティーラーズが大量にSを獲得したために押し出されたところを拾ったS” J.J・ウィルコックス”が5タックル、5アシスト、1ファンブルフォースの大活躍。

そして、元ドルフィンズのLB”ネビル・ヒューイット”が4タックル、4アシスト、1INTと、他から漏れてきた選手が奮闘しております。

 

加えてファルコンズO#の反則による自爆の多さも、完封勝利の要因でした。

計3サックもジェッツにしては大したもの。あのQB”マット・ライアン”がプレとはいえパスがマイナス2ヤード。

ベテランQB”マット・ショーブ”はパス9/9回54yd獲得とパス成功率100%にも関わらず、得点できないのも反則による自滅が原因です。

これぞ、プレのファルコンズクォリティ。

スペシャルチーム

正キッカー争いがあるのかと思ったら、今回蹴ったのは公式戦に出場経験が無いK#06″テイラー・バートレット”のみ。

ロースターには元チーフスのベテランK”カリロ・サントス”もいますので、争いになると思っていましたが、元々ケガ持ちのサントスの状態が良くないのかもしれません。

 

リターナーにも起用したRB#40”トレント・キャノン”がフェアキャッチにも関わらず2回マフったのは酷すぎでした。カレッジではリターナーとしても活躍していたのに、これはアカンです。

総評

QB#15”ジョシュ・マッカウン”が1シリーズしか出ないのは分かるとして、QB#05″テディ・ブリッジウォーター”をわずか第2Q10:00で降ろしてQB#14”サム・ダーノルド”に交代したのは謎です。

てっきり、前半は最後までブリッジウォーターが投げて、後半からダーノルドを投入するものだと思っていました。

それ以前に、大ベテラン、元ドラ1中堅(2年ブランク)、今年全体3位ルーキーという、誰を先発させてもおかしくないQB陣を一体どう扱っていくのか見当がつきません。

 

グッドタイミングでNFL JAPANに生沢さんのジェッツのQBに関するコラムが掲載されました。

ジェッツ、三つ巴のQB争い – 三者三様のジレンマ

まさにこの通りで、3人のメリットとデメリットが三つ巴状態を作っており、誰が開幕先発なのかHC”トッド・ボウルズ”すら決めかねてる状況なのです。

 

ダーノルドを手に入れた今、ブリッジウォーターはトレード要員だと思っていたのですが、ブリッジウォーターは常に自身の状態の良さをアピールしており、実際に今回の試合でもTDドライブを演出しているので、この後のプレシーズンマッチ次第では、ブリッジウォーターが先発でバックアップにマッカウン。そして、ダーノルドは1年間サイドラインで教育になる可能性も出てきました。

 

いずれにせよ誰が開幕先発になるか分からないジェッツのプレシーズンマッチは一番面白いでしょう。
(レイブンズも面白いけど)