WWEを知らない人も見れるサクセスストーリー
Amazonプライムで見れる「ファイティング・ファミリー」という映画を紹介します。
これは元WWEの女子王者”ペイジ”の半生を描いたもので、今やハリウッドのトップスター”ザ・ロック” こと “ドウェイン・ジョンソン”も重要な役で出演しています。
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簡単なストーリー
世界最大のプロレスリング団体WWEで活躍した女性レスラー・ペイジことサラヤ・ジェイド・ベヴィスの半生を映画化した作品。
ペイジは2005年にイギリスの家族経営プロレス団体でデビューし、いくつかの団体に舞台を移して活動。
その後、2014年にWWEディーヴァズ王座を史上最年少となる21歳で獲得するなど活躍。2012年には彼女の半生を追ったドキュメンタリー番組『The Wrestlers: Fighting with My Family』(原題)が放送された。
WWEのスーパースター「ザ・ロック/ロック様」としても知られるドウェイン・ジョンソンは、2012年当時、ロンドンで『ワイルド・スピード EURO MISSION』の撮影中に『The Wrestlers: Fighting with My Family』を視聴。ペイジ=サラヤ・ベヴィスと、プロレスに取り憑かれたサラヤ一家を描いた物語に心を奪われて、本作の映画化を決意した。
最後の試合どこまで事実?(ネタバレあり)
この映画、実際のWWEの会場の映像等も使われていますが、映画のために脚色はされていて事実と異なるシーンがあります。
そこでラストに描かれるペイジのRAW初登場となるディーバ(女子)王座戦の試合のシーンを実際の映像と比較してみます。
舞台はレッスルマニア30直後のRAW(現地時間2014年4月7日)。
映画では、前日にドゥエン・ジョンソンに告知されてペイジのRAW初出場となるシーンです。当然、ドゥエン・ジョンソンに告知されたのは映画用の脚色です。
では入場シーンから映画と事実を比較していきます。
・映画のシーン
・実際のシーン
まずコスチュームが違います。かつ、実際の方がペイジのスタイルがいいです。
私の中ではもっと丸いイメージがあって映画の方が想像に近かったのですが、事実は映画を超えてます。
・映画のシーン
・実際のシーン
映画版では王者のAJ・リンと1対1でしたが、実際にはリングにもう一人います。
かつ、映画ではペイジは固まって喋れなかったのに、実際には余裕の表情でペラペラ喋っていました。
映画ではWWEの下部団体「NXT」で成長して初代NXT女子王座を獲得した事をすっ飛ばしているので、いきなり流ちょうに喋ると不自然なため、ここに脚色を入れたのでしょう。
ビンタから試合開始になる流れは事実と同じです。
・映画のシーン
・実際のシーン
AJ・リーにブラック・ウィドウをかけられた後に、ペイジ・ターナー(ほぼロシアン・レッグスイープ)から逆転勝利するところも事実と同じです。
全く違うのが勝利後のシーン
・映画のシーン
映画ではリングでレフリーからベルトをもらい・・
長々と苦労話を演説しますが、ペイジのこれまでの背景の知らない観客にこんなことされるとポカンとなりますね。
・実際のシーン
実際にはペイジは勝利したあと逃げるようにリングから去る途中でレフリーからベルトを受け取り、感極まった表情でベルトを掲げます。
映画を見た後に実際のシーンを見た方が数倍感動しました。
映画で背景を知ったからこそ、苦労の末に夢を掴んだ表情が満ち溢れていたのです。この顔を演技で表現するのは難しいでしょう。
こういう映画の見かたは、なかなか無いので斬新でした。
おまけ:ペイジ引退もレッスルマニアの翌日だった
この記事を書いていて偶然知ったのですが、ペイジが引退発表したのもニューオリンズで行われたレッスルマニア34の翌日のRAW。
つまり、ペイジはWWEのメインロースターに昇格したのも引退したのも、ニューオリンズで開催されたレッスルマニアの翌日だったのです。
引退の原因は2017年12月のライブイベントでサーシャ・バンクスのキックを背後から受けて首を負傷し、これで蓄積されてきた首へのダメージが限界を超えて、ドクターストップを余儀なくされたのです。
その後は日本人レスラー アスカとカイリ・セインのマネージャーを務めました。現在はWWEに姿を見せず詳細は不明です。
総評(ネタバレあり)
全く予備知識無く、たまたまAmazonプライムでロック様のサムネイルに惹かれて見たのですが、分かりやすいストーリーに加えてWWEの裏側を垣間見れるいい映画でした。
制作会社がアカデミー賞を獲得した『スラムドッグ$ミリオネア』を手掛けたFilm4なので、納得の出来です。
事実に脚色を加えているとはいえペイジの半生を描いている内容は、かつてのWWEドキュメンタリー映画「ビヨンド・ザ・マット」でも見られた、WWEのメインロースターに入るというのは強運は当然ながら、並外れた努力や忍耐、他人のマネでない自分唯一の輝きが必要であるという事をこの映画で再確認できました。
さらにこの映画を面白くしたのはペイジの兄のエピソードです。
映画の冒頭のシーンから見られますが、兄の方が幼少からWWEの熱狂的ファンで妹のペイジはそうでなかったのに、妹がその夢に近づいて自分は敗れて狂っていく姿が悲哀です。
やがて兄は自分の役割を見出していくのですが、「強く望んでいる方が夢を手に入れるわけでない残酷な現実」を見る事ができます。
とにかく予想外に“ドゥエイン・ジョンソン”がチョイ役でなく意外にもラストの方まで絡んでくるので、WWEを知らないドゥエイン・ジョンソンのファンにも見れます。
そして華やかかつ、「やらせ」や「脚本がある」と言われるプロレスの裏側にあるエゲつない厳しさを、少しは知ることが出来ると思います。
コロナ禍でステイホームが続きますので、この映画を見てファイティング魂に火をつけてはいかがでしょうか。
Xvideoに流れちゃったアレとかデル・リオとの件とかは無しですかね(笑)
(デル・リオとはWWE離脱後だし)