NFL=悪の巨大組織

1年ぶり以上の映画の窓のコーナーです。今回紹介するのは、超シリアスな実話を元に制作された コンカッション。

コンカッションとは 脳震とう の事で、この映画を通して現代の脳震とうへの過剰とも思える対応の理由を知る事ができます。

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簡単なストーリー

ウィル・スミスが引退したアメリカンフットボール選手の死とアメフトの因果関係を発見する実在の医師を演じ、第73回ゴールデングローブ賞で最優秀主演男優賞(ドラマ部門)にノミネートされた作品。

ナイジェリアからやってきた医師ベネット・オマルは、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)を引退し、心筋梗塞で亡くなったマイク・ウェブスターの変死解剖に携わる。オマルはプレイ中の頭部への激しいタックルが原因である脳の病気「CTE(慢性外傷性脳症)」を発見し、論文を発表するが、NFLサイドはオマルの見解を全面否定。権力を使い、オマルと彼の周囲に圧力をかけていく。

ウィル・スミスが主人公オマル医師を演じ、アレック・ボールドウィン、アルバート・ブルックスらが脇を固める。監督は「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」のピーター・ランデスマン。「オデッセイ」「ブレードランナー」のリドリー・スコットが製作。

(映画.comより)

簡単な感想

(※ネタバレ含みます)

ウィル・スミス演じる主役の解剖医”ベネット・オマル”がピッツバーグにやってきて、たまたま担当になった元スティーラーズのC”マイク・ウェブスター”の不可解な死が気になり、私財を投じてまで調査した結果、度重なるコンタクトによる脳への衝撃が原因である事をつきとめてしまいます。

 

この主役のオマルがナイジェリア出身でアメフトにそれほど興味がないために、アメフトの醍醐味を根底から覆すタブーに真っ向から立ち向かおうとした事が不幸の始まり。

彼が出しゃばる事はNFLおよび、アメフトのおかげで栄えたピッバーグを敵に回すことになり、真実をもみ消すためにオマルを追い込むのですが、その追い込み方が まぁ怖い

まずNFLからオマルに「潰すぞゴラァ!」の脅迫電話。公聴会に呼ばれて、話を聞いてもらえるかと思ったら、これももみ消すための罠。さらに政府のでっち上げでオマルは仕事を奪われ町から追い出され、さらにオマルの嫁はストレスで流産という不幸が連発。

オマルは真実を語って感謝されるハズが、逆に脳震とう問題を見つけた事を後悔するハメになります。

 

結局はその3年後にNFLもある事件によってオマルの事を無視できなくなり、ようやく脳震とう問題への理解が広まるのですが、全面的にNFLが悪の立場として描かれ、かつ、自分らで真実をもみ消した事を認めているような内容なので「よく、こんな映画の製作を許して協力したな」と感心しました。

 

あと、キツツキがなぜ脳震とうにならないのかという話は目からうろこでした。たしかにあれだけ高速で脳をシェイクして木を突いてりゃ、人間なら余裕で脳震とうになります。

 NFLファンならば見やすい映画ですが、背景が何も分からないNFLファン以外が見るのは厳しいでしょう。

 

ラストはジュニア・セアウの死で締めくくられるのですが、これもNFLファンには感慨深いものがあります。

スタッフ

監督

ピーター・ランデズマン

製作

リドリー・スコット

ジャンニーナ・スコット

デビッド・ウォルソフ

ラリー・シューマン

キャスト

ウィル・スミス   Dr.ベネット・オマル

アレック・ボールドウィン              Dr.バイレス

ググ・バサ=ロー             プレマ・ムティソ

アーリス・ハワード

ポール・ライザー             Dr.エリオット