誤審イカン

とうとう始まった負けたら終わりのサバイバル、NFLプレーオフ。

その1戦目は19年間プレーオフで勝利がないレイダースと31年間勝利がないベンガルズというプレーオフで勝てないチームどうしの対決です。

 

特にベンガルズにおいては、31年前のプレーオフでの同対戦カードでレイダースの英雄”ボー・ジャクソン”が負傷し、それをきっかけに引退した事から「ボー・ジャクソンの呪い」とも言われております。

果たしてベンガルズはその呪いをかけたレイダース相手勝利し、長年にわたる呪いを祓う事ができるのか!?

まさにリアル呪術廻戦だ!

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スコア&ダイジェスト

ハイライト&データ[GAME CENTER(NFL.com)]

 

1Q

2Q

3Q

4Q

TOTAL

レイダーズ

3

10

0

6

19

ベンガルズ

10

10

3

3

26

総評

1戦目に相応しい、非常に締まったいい試合でお手本のような内容でした。ですが、その中でレイダースのミスが勝敗を分けたように思えます。

 

まずレイダースはベンガルズのホットラインQB”ジョー・バロウ”とWR”ジャマー・チェイス”を止める事ができなかったのが敗因の1でしょう。

カバーはチェイスの足を警戒してどうしても抜かれないようにするため、急停止から折り返すチェイスのフックについていけず、そこにバロウがジャストタイミングで投げ込む、まさにカレッジ時代から培ってきたコンビネーションの前に1vs1のディフェンスでは対抗できませんでした。

結果、チェイスの成績は9レシーブ116yd獲得。チェイスは最初からダブルカバーをしてでも止めなければならない逸材でした。

 

レイダースの敗因2つ目は反則の多さ。

レギュラーシーズンから反則の多さは目立っていましたが、それはプレーオフでも改善されず。

反則の回数は互いに7回なのですが、レイダースの方が致命的な反則が多いのです。

特にRB”ジョシュ・ジェイコブス”が大きなランを出すたびに反則を取られると、走った分がパーになるどころか罰退になることはオフェンスのリズムを壊しました。

 

3つ目はこの7点差に直接影響した誤審でしょう。

前半残り1:51に事件は起こりました。

ベンガルズQB”ジョー・バロー”がエンドゾーンにパスを放った直後にホイッスルがなって、それをレシーブ。それに対してTDがコールされたのです。

ホイッスルが鳴った瞬間、レイダースのD#もレシーブしたTE”タイラー・ボイド”への接触をせず、TDパスを決めたバローも「今のTDだよね??」というような驚いた顔をしています。

 

試合を放送したNBCの中継の中で、元NFLの審判である”テリー・マコーレー”は「原則としてこのプレーはタッチダウンにできない」とコメントしました。

この発言はNFLのルール7章2節にある以下の内容に基づいています。

「ボールがインプレー中に審判が誤ってホイッスルを鳴らした場合、そのボールは直ちにデッドとなる。」

「ボールが合法なフォワードパス、フリーキック、フェアキャッチ、またはスクリメージキックにて生じたルーズボールである場合、ボールは直前の場所に戻されダウンを再開する」

 

詳細は以下のNFL.comの記事に記載しています。

NFL declines to comment on apparent errant whistle during controversial Bengals TD vs. Raiders

つまり専門家が見ても、このプレーがTDあってはならないのです。

 

後半にベンガルズのロングパスレシーブも、直前のレイダース側のタイムアウトに基づいてホイッスルが鳴らされず、無効になりました。

つまり互いに対しての誤審があったのですが、本来は無効となるはずのTDが有効とされ、その点差で負けたとなるとレイダース側の心境は納得いかないと思います。

 

この件に関してレイダース暫定HC”リッチ・ビサッチア”は

「我々はこれを乗り越えていかねばならない。」

「良いクルー(審判団)だったと思う。試合は双方でいろいろな事があったと思うが、私は十分な仕事を抱えているので、審判の仕事までするわけにはいかない」

と恨み言のない紳士的なコメントをしております。

 

蛇足ですが、レイダースは終盤に10点差を追う状況で、残り3:37、敵陣10ydの4thDown-3ydにて堅実にFGを蹴って7点差にしていますが、もう1ドライブしなければならないならば、ここはギャンブルでTDを取って、ラストドライブをFGで同点になる状況を作るべきだった、という意見もあります。

私も「敵陣10ydまで来たのだから、ここはギャンブルだろ!」と思いましたが、最近ギャンブルが多い試合を見てきたので感覚が狂ってるのやもしれません。

ギャンブルの町ラスベガスでも冷静にFGを選択したレイダース、それに間違いは無かったでしょう。

 

 

ベンガルズに31年ぶりのプレーオフ勝利をもたらしたQB”ジョー・バロウ”のスタッツは、パス24/34回、244yd獲得、2TD、0INT、レーティング117.4。

終盤で自慢のDL陣に負傷が続くピンチや、レイダースDE”マックス・クロスビー”からのプレッシャーを受けながらも安定したパフォーマンスを見せました。

この勢いでスーパーボウル制覇への期待がかかります。

 

 

一方、敗れたレイダースQB”デレク・カー”のスタッツはパス29/54回、310yd獲得、1TD、1INT、レーティング73.8。

トータルヤードではレイダースが80ydも勝るのですが、反則の多さが足を引っ張りました。

 

そして、誤審でTDを喰らった直後の前半終了間際のドライブにTDを返す根性を見せましたが、最後に敵陣9ydまで進みながらもINTされて敗北です。

そこは最終戦で戦ったチャージャーズのQB”ジャスティン・ハーバート”のようには上手くはいきませんでした。