真ブラウンズ参上!

万年地区最下位で昨シーズンは全敗するNFL最弱チームであるブラウンズ。

しかし、戦力の均衡を保つために、弱いチームほどドラフト上位で指名する権利がある「ウェーバー制」が敷かれるNFLにおいて、ブラウンズは有望な戦力を蓄積してきました。

そして、2017年ドラフト2巡で獲得したドラ2QB”デショーン・カイザー”に早々に見切りをつけて、今シーズンは2018年ドラフト全体1位QB”ベイカー・メイフィールド”を獲得するも温存。

しかし、この試合でブラウンズはとうとうその封印を解いたのです!
(というか、解かされた)

最後のキーパーソンがそろった「真ブラウンズ」にジェッツは勝てるのか?
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スコア&ダイジェスト

ハイライト:Youtube

2018年 9月 20日

 

1Q

2Q

3Q

4Q

TOTAL

ジェッツ

0

14

0

3

17

ブラウンズ

0

3

11

7

21

オフェンス

明らかに前2試合とはパフォーマンスが違ったQB#14″サム・ダーノルド”。パスに迷いがあり、投げ捨てるシーンが非常に多かったのですが、これは懸念していたとおりブラウンズD#が相当手ごわかったのです。

元ドラ1DE#95″マイルズ・ギャレット”のスピードが速く、OLを簡単に破られて2被サック。

加えてドラ1CB#21″デンゼル・ウォード”を有するDB陣のパスカバーもいい。ジェッツのレシーバー陣がオープンになるのが難しく、パッシングシュチュエーションではパスラッシュをスクリーンやスイングでかわしてからのラン・アフター・キャッチに頼らざる得ないシーンが目立ちました。

 

試合中盤にRB#29″ビラル・パウェル”やRB#20″アイゼイア・クロウェル”のランがそこそこ出たのですが、パントブロックでTDを取ったドライブ以外は、ほとんど自陣を背負ったフィールドポジションの悪さも敗因でしょう。

 

前試合にもあったWR#11″ロビー・アンダーソン”の致命的なファンブルロストは、前試合のようなボールセキュリティの甘さでなく、CB#21″デンゼル・ウォード”が手を突っ込んで無理やりボールをかきだすテクニックが原因でした。

しかし、WR#11″ロビー・アンダーソン”のフィジカルの弱さがまたも出てしまい、メンタルも強くない彼にとって2戦連続でのファンブルロストが敗因に繋がったことはショックでしょう。

 

試合序盤に2ポゼッション差のリードを奪って、そのまま逃げ切れれば良かったのですが、第2Qの2ミニッツにQB#05″タイロッド・テイラー”からQB#06″ベイカー・メイフィールド”に交代したことでブラウンズに流れを持っていかれました。

そして、第4Qに逆転され、ジェッツO#がキャッチアップしなければならない状況でOLが浮足立ってしまい、フォルススタートを多発して自滅したことも敗因です。

 

かつて、ジェッツをチャンピオンシップに導いた初期型QB”マーク・サンチェス”ならば、残りタイムアウト0回で2ミニッツを切った絶体絶命の状況から逆転勝利を起こせる力があり、今回のQB#14″サム・ダーノルド”にも極限状態から逆転勝利を起こせる力があるかが試されたのですが、奮闘するも最後はINTで終わってしまいました。

残り時間が少なかったとはいえ、せっかく4th-10ydでWR#10″ジャーメイン・カース”へのパスが決まって1stDownを取った直後で流れが傾きかけたところの1stDownで無理投げしてINTされたのは、不要なプレーです。

これこそ「若さゆえの過ち」。

 

ジェッツとして良かったところは、安定したWR#81″クインシー・エヌンワ”のパフォーマンスでしょう。大型レシーバーかつレシーブが非常に上手い。満を持して帰ってきた真のエースWRです。

WR#10″ジャーメイン・カース”はドルフィンズ戦ではケガから復帰するも何もせず、この試合ではブランクからか序盤に落球があったものの、試合終盤までにはここぞというところで1stDownを更新する活躍を見せました。これがカース復活のきっかけになると信じています。

 

とにもかくにも、ダーノルドはポテンシャルは持っていますが、フランチャイズQBの器になるにはまだまだ成長が必要です。

ディフェンス

前半に2ポゼッション差のリードするも、前半終盤にQB#05″タイロッド・テイラー”からドラフト全体1位QB#06″ベイカー・メイフィールド”に交代するや否や、テイラーとは別次元の恐るべきクイックスローとパススピードについていけず、モメンタムをブラウンズに渡してしまい逆転負け。

2ポイントコンバージョンでフィーリースペシャルを決められ、全体1位ルーキーを調子に乗らせて、後半は完全にブラウンズの世界でした。

試合を見ている途中、QB#05″タイロッド・テイラー”の悪さから「メイフィールドを引っ張りだしてしまうんじゃないか」と思っていましたが、前半終了直前にテイラーを負傷させて、メイフィールドを引っ張りだしてしまいます。この引っ張り出すタイミングが悪すぎました。

QB#06″ベイカー・メイフィールド”に前半最後にアップがてらに手ごたえを掴ませて、ハーフタイムの間にじっくりO#をメイフィールド仕様に修正されますからね。ブラウンズ的にもテイラーの機嫌を損ねずにQBを交代させるベストタイミングだったでしょう。

もっとQB#05″タイロッド・テイラー”を泳がせて、後半に交代させるぐらい前半は接戦の展開だったならば勝利していたと思います。

その辺は前試合に第4Qで大量得点で逆転勝利したセインツは「上手いな~」と思いましたw。

 

元49ersのRB#34″カルロス・ハイド”のランも良かったです。テイラーとは違いメイフィールドのパス能力に、前半のような前のめりのD#が出来なくなったところに、彼のランは効果的でした。49ers時代から良いRBだとは思っていましたが、まさかこの試合でやれるとは。。

 

あと、せっかく3rdDownを止めたのにDB#22″トラメイン・ジョンソン”のアンスポーツマン・ライク・コンダクトの反則で1stDownを更新されたシーンは致命的。本当に負けるときは余計な反則が多いです。

加えて、S#33″ジャマール・アダムス”がブラウンズ選手の背後からタオルを獲る悪質な行為を見せます。

彼はフラッグ・フットボール出身だったのでしょうか?こういう非紳士的な行為にメンタルの弱さが見えます。

 

それを差し引いてもQB#06″ベイカー・メイフィールド”のパスに見事マッチした元ドルフィンズのWR#80″ジャーヴィス・ランドリー”やロングパス要員のWR#11″アントニオ・キャラウェイ”が良すぎました。

特にWR#80″ジャーヴィス・ランドリー”には8レシーブ103yd獲得されているので、本当にQB一人交代するだけでO#がガラリと変わり、QBというポジションがどれだけ重要であるかを再認識させられます。

 

とはいっても、ジェッツのD#も悪いわけでなく、よく頑張りました。

LB#58″ダロン・リー”のパフォーマンスはもはや鉄板として、DB#33″ジャマール・アダムズ”やDB#21″モーリス・クレイボーン”の元ドラ1組や、伏兵のDB#36″ダグ・ミドルトン”とLB#54″エイヴリー・ウィリアムソン”も非常に目立っていました。

LB#48″ジョーダン・ジェンキンス”のサックとファンブルフォース、DB#41″バスター・スクライン”のブリッツも素晴らしく、意外にパスラッシュが効いていました

スペシャルチーム

JETSのSTは平均的な頑張りでしたが、ブラウンズのP#04″ブリットン・コルキット”が予想外の難敵。

パント8回のうち5回を20yd以内に入れ、ジェッツはいずれも自陣を背負った形でO#をスタートするフィールドポジションの悪さで、得点力が落ちた事も敗因です。

 

そして、ブラウンズは開幕2試合がFGが悪すぎて敗北したため、新たに契約したルーキーK#17″グレッグ・ジョセフ”は2FGを決める活躍。

しかし、いずれのFGも外れる方向からカーブして入ったり、簡単なFGがポールギリギリに入ったりと、ボールを変にひっかけてキックしてしまうクセがあるようで、キックオフのボールも外に出るというキックを全くコントロールできていない危うさがありました。

今回はたまたま上手くいったのかもしれませんが、またFGが敗因になる日が来るような気がします。

総評

2016年12月24日(現地時間) Week16のチャージャーズ戦から1年以上も勝利が無かったブラウンズに負けるとは、精神的に痛すぎる敗北。

「勝てる力があるが勝てない。」これは今シーズンに限った事でなく、HCトッド・ボウルズ政権下ではずっとそうです。

QBが”ライアン・フィッツパトリック”(1年目のみ)、”ジョシュ・マッカウン”、そして”サム・ダーノルド”といずれも悪くないのに、接戦を制する力がHCトッド・ボウルズにはありません。

だからこそジェッツファンは常に歯がゆい。しかも今回はブラウンズにQB#06″ベイカー・メイフィールド”の初勝利に加えて、1年以上ぶりの勝利をプレゼントしてしまったから、たまったもんじゃないです。

 

なんにせよ、肝心なところでの反則が多いのは致命的。

「若いチームだから仕方ない」と言っても、この試合でNFL歴10年を超えてるのはジェッツのQB#15″ジョシュ・マッカウン”一人だけで、近年まれにみる全体で選手の平均年齢が若すぎた試合でしたので、若さは言い訳にできません。

次の試合は勝利して、なんとか勝率5分でシーズンの第1Qを終えることを祈るのみです。

 

ベイカー・メイフィールド ブラウンズ 勝利

途中出場ながら2018年ドラフト全体1位QB”ベイカー・メイフィールド”のNFLデビュー戦のスタッツは、パス17/23回201yd獲得0TD。

0TDながらも前半の2ミニッツ前から出場したにも関わらず、パス200yd以上を獲得。先発のテイラーのスタッツが、パス4/14回19yd獲得という低調すぎる成績ですから、交代前と交代後のブラウンズO#は全くの別物でした。

 

対してジェッツQB”サム・ダーノルド”のスタッツはパス15/31回169yd獲得、0TD、2INTと散々なもの。

ブラウンズD#はたしかに強かったのですが、対戦相手がブラウンズだった事がダーノルドにメンタルに少なくとも影響があったかもしれません。

2018年ドラフト前の予想「モックドラフト」では、ダーノルドの全体1位予想が最も多かったにも関わらず、実際にはダーノルドを全体1位選ばなかったブラウンズと、代わりに全体1位となった”ベイカー・メイフィールド”に対してのダーノルドの対抗心が、パフォーマンスにマイナスに影響した可能性もあります。

ダーノルドはこの敗北を糧として、フランチャイズQBにふさわしいメンタルを身に着けて欲しいです。