真ブラウンズ参上!
万年地区最下位で昨シーズンは全敗するNFL最弱チームであるブラウンズ。
しかし、戦力の均衡を保つために、弱いチームほどドラフト上位で指名する権利がある「ウェーバー制」が敷かれるNFLにおいて、ブラウンズは有望な戦力を蓄積してきました。
そして、2017年ドラフト2巡で獲得したドラ2QB”デショーン・カイザー”に早々に見切りをつけて、今シーズンは2018年ドラフト全体1位QB”ベイカー・メイフィールド”を獲得するも温存。
しかし、この試合でブラウンズはとうとうその封印を解いたのです!
(というか、解かされた)
最後のキーパーソンがそろった「真ブラウンズ」にジェッツは勝てるのか?
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スコア&ダイジェスト
|
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
TOTAL |
ジェッツ |
0 |
14 |
0 |
3 |
17 |
ブラウンズ |
0 |
3 |
11 |
7 |
21 |
オフェンス
明らかに前2試合とはパフォーマンスが違ったQB#14″サム・ダーノルド”。パスに迷いがあり、投げ捨てるシーンが非常に多かったのですが、これは懸念していたとおりブラウンズD#が相当手ごわかったのです。
元ドラ1DE#95″マイルズ・ギャレット”のスピードが速く、OLを簡単に破られて2被サック。
加えてドラ1CB#21″デンゼル・ウォード”を有するDB陣のパスカバーもいい。ジェッツのレシーバー陣がオープンになるのが難しく、パッシングシュチュエーションではパスラッシュをスクリーンやスイングでかわしてからのラン・アフター・キャッチに頼らざる得ないシーンが目立ちました。
試合中盤にRB#29″ビラル・パウェル”やRB#20″アイゼイア・クロウェル”のランがそこそこ出たのですが、パントブロックでTDを取ったドライブ以外は、ほとんど自陣を背負ったフィールドポジションの悪さも敗因でしょう。
前試合にもあったWR#11″ロビー・アンダーソン”の致命的なファンブルロストは、前試合のようなボールセキュリティの甘さでなく、CB#21″デンゼル・ウォード”が手を突っ込んで無理やりボールをかきだすテクニックが原因でした。
しかし、WR#11″ロビー・アンダーソン”のフィジカルの弱さがまたも出てしまい、メンタルも強くない彼にとって2戦連続でのファンブルロストが敗因に繋がったことはショックでしょう。
試合序盤に2ポゼッション差のリードを奪って、そのまま逃げ切れれば良かったのですが、第2Qの2ミニッツにQB#05″タイロッド・テイラー”からQB#06″ベイカー・メイフィールド”に交代したことでブラウンズに流れを持っていかれました。
そして、第4Qに逆転され、ジェッツO#がキャッチアップしなければならない状況でOLが浮足立ってしまい、フォルススタートを多発して自滅したことも敗因です。
かつて、ジェッツをチャンピオンシップに導いた初期型QB”マーク・サンチェス”ならば、残りタイムアウト0回で2ミニッツを切った絶体絶命の状況から逆転勝利を起こせる力があり、今回のQB#14″サム・ダーノルド”にも極限状態から逆転勝利を起こせる力があるかが試されたのですが、奮闘するも最後はINTで終わってしまいました。
残り時間が少なかったとはいえ、せっかく4th-10ydでWR#10″ジャーメイン・カース”へのパスが決まって1stDownを取った直後で流れが傾きかけたところの1stDownで無理投げしてINTされたのは、不要なプレーです。
これこそ「若さゆえの過ち」。
ジェッツとして良かったところは、安定したWR#81″クインシー・エヌンワ”のパフォーマンスでしょう。大型レシーバーかつレシーブが非常に上手い。満を持して帰ってきた真のエースWRです。
WR#10″ジャーメイン・カース”はドルフィンズ戦ではケガから復帰するも何もせず、この試合ではブランクからか序盤に落球があったものの、試合終盤までにはここぞというところで1stDownを更新する活躍を見せました。これがカース復活のきっかけになると信じています。
とにもかくにも、ダーノルドはポテンシャルは持っていますが、フランチャイズQBの器になるにはまだまだ成長が必要です。
ディフェンス
前半に2ポゼッション差のリードするも、前半終盤にQB#05″タイロッド・テイラー”からドラフト全体1位QB#06″ベイカー・メイフィールド”に交代するや否や、テイラーとは別次元の恐るべきクイックスローとパススピードについていけず、モメンタムをブラウンズに渡してしまい逆転負け。
2ポイントコンバージョンでフィーリースペシャルを決められ、全体1位ルーキーを調子に乗らせて、後半は完全にブラウンズの世界でした。
IT’S THE BAKER SPECIAL NOW 😯 pic.twitter.com/WFTGR9cPzg
— The Checkdown Presented by Baker Mayfield (@thecheckdown) 2018年9月21日
試合を見ている途中、QB#05″タイロッド・テイラー”の悪さから「メイフィールドを引っ張りだしてしまうんじゃないか」と思っていましたが、前半終了直前にテイラーを負傷させて、メイフィールドを引っ張りだしてしまいます。この引っ張り出すタイミングが悪すぎました。
QB#06″ベイカー・メイフィールド”に前半最後にアップがてらに手ごたえを掴ませて、ハーフタイムの間にじっくりO#をメイフィールド仕様に修正されますからね。ブラウンズ的にもテイラーの機嫌を損ねずにQBを交代させるベストタイミングだったでしょう。
もっとQB#05″タイロッド・テイラー”を泳がせて、後半に交代させるぐらい前半は接戦の展開だったならば勝利していたと思います。
その辺は前試合に第4Qで大量得点で逆転勝利したセインツは「上手いな~」と思いましたw。
元49ersのRB#34″カルロス・ハイド”のランも良かったです。テイラーとは違いメイフィールドのパス能力に、前半のような前のめりのD#が出来なくなったところに、彼のランは効果的でした。49ers時代から良いRBだとは思っていましたが、まさかこの試合でやれるとは。。
あと、せっかく3rdDownを止めたのにDB#22″トラメイン・ジョンソン”のアンスポーツマン・ライク・コンダクトの反則で1stDownを更新されたシーンは致命的。本当に負けるときは余計な反則が多いです。
加えて、S#33″ジャマール・アダムス”がブラウンズ選手の背後からタオルを獲る悪質な行為を見せます。
Jamal Adams is flag football’s Defensive Player Of the Year 😂 @TheAdamsEra pic.twitter.com/G3sdaA7U1F
— The Checkdown Presented by Baker Mayfield (@thecheckdown) 2018年9月21日
彼はフラッグ・フットボール出身だったのでしょうか?こういう非紳士的な行為にメンタルの弱さが見えます。
それを差し引いてもQB#06″ベイカー・メイフィールド”のパスに見事マッチした元ドルフィンズのWR#80″ジャーヴィス・ランドリー”やロングパス要員のWR#11″アントニオ・キャラウェイ”が良すぎました。
特にWR#80″ジャーヴィス・ランドリー”には8レシーブ103yd獲得されているので、本当にQB一人交代するだけでO#がガラリと変わり、QBというポジションがどれだけ重要であるかを再認識させられます。
とはいっても、ジェッツのD#も悪いわけでなく、よく頑張りました。
LB#58″ダロン・リー”のパフォーマンスはもはや鉄板として、DB#33″ジャマール・アダムズ”やDB#21″モーリス・クレイボーン”の元ドラ1組や、伏兵のDB#36″ダグ・ミドルトン”とLB#54″エイヴリー・ウィリアムソン”も非常に目立っていました。
LB#48″ジョーダン・ジェンキンス”のサックとファンブルフォース、DB#41″バスター・スクライン”のブリッツも素晴らしく、意外にパスラッシュが効いていました
スペシャルチーム
JETSのSTは平均的な頑張りでしたが、ブラウンズのP#04″ブリットン・コルキット”が予想外の難敵。
パント8回のうち5回を20yd以内に入れ、ジェッツはいずれも自陣を背負った形でO#をスタートするフィールドポジションの悪さで、得点力が落ちた事も敗因です。
そして、ブラウンズは開幕2試合がFGが悪すぎて敗北したため、新たに契約したルーキーK#17″グレッグ・ジョセフ”は2FGを決める活躍。
しかし、いずれのFGも外れる方向からカーブして入ったり、簡単なFGがポールギリギリに入ったりと、ボールを変にひっかけてキックしてしまうクセがあるようで、キックオフのボールも外に出るというキックを全くコントロールできていない危うさがありました。
今回はたまたま上手くいったのかもしれませんが、またFGが敗因になる日が来るような気がします。
総評
2016年12月24日(現地時間) Week16のチャージャーズ戦から1年以上も勝利が無かったブラウンズに負けるとは、精神的に痛すぎる敗北。
「勝てる力があるが勝てない。」これは今シーズンに限った事でなく、HCトッド・ボウルズ政権下ではずっとそうです。
QBが”ライアン・フィッツパトリック”(1年目のみ)、”ジョシュ・マッカウン”、そして”サム・ダーノルド”といずれも悪くないのに、接戦を制する力がHCトッド・ボウルズにはありません。
だからこそジェッツファンは常に歯がゆい。しかも今回はブラウンズにQB#06″ベイカー・メイフィールド”の初勝利に加えて、1年以上ぶりの勝利をプレゼントしてしまったから、たまったもんじゃないです。
なんにせよ、肝心なところでの反則が多いのは致命的。
「若いチームだから仕方ない」と言っても、この試合でNFL歴10年を超えてるのはジェッツのQB#15″ジョシュ・マッカウン”一人だけで、近年まれにみる全体で選手の平均年齢が若すぎた試合でしたので、若さは言い訳にできません。
次の試合は勝利して、なんとか勝率5分でシーズンの第1Qを終えることを祈るのみです。
途中出場ながら2018年ドラフト全体1位QB”ベイカー・メイフィールド”のNFLデビュー戦のスタッツは、パス17/23回201yd獲得0TD。
0TDながらも前半の2ミニッツ前から出場したにも関わらず、パス200yd以上を獲得。先発のテイラーのスタッツが、パス4/14回19yd獲得という低調すぎる成績ですから、交代前と交代後のブラウンズO#は全くの別物でした。
対してジェッツQB”サム・ダーノルド”のスタッツはパス15/31回169yd獲得、0TD、2INTと散々なもの。
ブラウンズD#はたしかに強かったのですが、対戦相手がブラウンズだった事がダーノルドにメンタルに少なくとも影響があったかもしれません。
2018年ドラフト前の予想「モックドラフト」では、ダーノルドの全体1位予想が最も多かったにも関わらず、実際にはダーノルドを全体1位選ばなかったブラウンズと、代わりに全体1位となった”ベイカー・メイフィールド”に対してのダーノルドの対抗心が、パフォーマンスにマイナスに影響した可能性もあります。
ダーノルドはこの敗北を糧として、フランチャイズQBにふさわしいメンタルを身に着けて欲しいです。
この試合はQBパスで負けたというのが個人的な感想です。
常にロングゲインが求められるパッシングシチュエーションかつポケットが潰れるのも異常に早くフリーのレシーバーがなかなか居ない状況で酷ではありますが、無理に投げる場面が多すぎましたね。
もちろん勝つのがベストですが、これも必要な経験として次の勝利に繋げて欲しいですね。
とみいさん>
終った事はしかたなし。ファーブだって、エイクマンだってデビュー当時は散々でしたから、ここは勉強だと思って、ここから先は連勝に繋いでほしいです。
ダーノルドのみならず、不要な反則をした選手しかりです。
https://www.youtube.com/watch?v=bqJqaqFiwds
デアンドレ・ホプキンス→タージ・ボイド
https://twitter.com/JeffDLowe/status/1042970287434858496
シーディー・ラム→ベイカー・メイフィールド
スーパーボウルの前からこの手のプレーは複数例あるんですよね(メイフィールドにとってローズボウルに続いて2度目)
ジョージア相手に31-14から逆転されて一度は同点にするも2OTの末54-48で負けるという悔しいカレッジキャリアの終わりでしたが、今度は勝てましたね。
YM5さん>
いましたね、タージャ・ボイド。レックスライアンの息子のコネでドラフトで6巡指名され役に立たなかったQB。
この手のプレーが流行っているので、どのチームも対策に乗り出しているでしょうが、なんせQBスパイしてもボールが離れた瞬間にQBはノーマークになりますから対策が難しい。
ブレイディのようにレシーブが下手なQB以外には。
前半はリードしていたのにも関わらず最後に逆転されてしまいましたね(@_@)
D#の差(O♯もですがね)が明暗を分けましたね。次週勝って勝率を五分に戻したいですね
ふて猫さん>
前半でも3ポゼッション差つけば勝てると計算しましたが、やはり2ポゼッション差はあっという間にひっくり返され、撃沈。
とにかく会場の空気って、録画でも伝わってくるぐらい激変して、モメンタムを一気に持っていかれました。
メイフィールド、恐るべしです。
今年もJET狂サンに楽しませていただいております。
JETSは次週がジャガーズ、その後もなかなかの相手、後半にNE戦が二つ。
のちのちシーズンを振り返った時、この試合こそが分水嶺だったのではと、なりそうな一戦でしたね。
逆にブラウンズは予定的にも、次を勝てれば、トントンとプレーオフ争いくらいまで生き残れそうな可能性も感じますね。
まぁでも、名だたる過去の名QB達も、一年目はぼろぼろでしたからね。
負けたことを財産に出来る強かさがあるかどうか。まだまだこれからですよシーズンは。もっと試合がみたい。秋冬だけ仕事をやめたい。
ところで、私もマッデンでは毎年OVR最下位のチームでプレイしてるのですが。
そこでも良い走りをしてくれたRBクロウェル君ですが、鋭いカットや高いアジリティみたいなタイプではないのが功を奏してか、NFL4年で全試合出場中となかなかのタフガイでもあります。
そういう確かなチーム力になってくれる選手好きです。
がんばれクロウェル君、ジャパニーズも応援してるで。
更新お疲れ様でした。
ktさん>
後のスケジュールを考えると開幕3連勝を目論んでいましたが、そう思ったとおりにはいきません。
クロウェルは久しぶりにボールを持つと期待させてくれるRBです。あの特徴的な伸びるランの秘訣は、ボールをずっと片手もちでファンブルしない握力ですね。
今回のTDランも突撃してひっくり返った状態でもボールを決して離さないセキュリティの高さを見せました。
あれを2戦連続ファンブルロストしたアンダーソンにも分けてやって欲しいです。
ジェッツファンには非常に酷な試合で、
ブラウンズファンには最高の試合となりましたね。
私的なハイライトは、試合終了後に表示された以下のテロップでした。
「デビュー戦で14点差を逆転勝利したQBは、
2005年15週テキサンズ戦のフィッツパトリック以来」
それはさておき、
エルウェイとマリーノというような長年にわたって
ライバルとして活躍してほしいQB達ですね。
DEG@イルカ党さん>
こんなところまでフィッツパトリックの名前が出てくるとは、なんと皮肉な。
ダーノルド君はまだまだこれから。今回の試合なんて、そのうちいい思い出になるでしょう。
(希望的観測)
ボーナスステージと羨んでいたのに何とお声がけすれば良いやらわかりません…。(;´д`)
T.Takahashiさん>
戦力均衡を徹底しているNFLにボーナスステージはありませぬ。とはいえ、2ポゼッション差ついたところで「もう1TD取れば勝ちだな。ちょろいね」と慢心していたことも事実。
この敗北をバネに気を引き締めて行くしかないでしょう。
当分の間、立ち直ることができない程の試合でした。
ホームゲームであり、交代のタイミングしかり、逆転勝利しかり、すべてにおいてメイフィールドのスター性を感じる試合でした。
なにかを持っているのはメイフィールドの方でしたか・・・
以前の私のコメント「ブラウンズに感謝です」は反省せねばなりませぬ。
しかし、試合前にダーノルドとメイフィールドが話をしている映像がありましたが、メイフィールドに比べてダーノルド君はまだまだ子供のように見えます。
ダーノルド君はお調子者でもなさそうですし、長い目で見守って行きましょう。(ここ数年のジェッツのQB達と比べれば別格だと思いますので)
PB29さん>
ダーノルドが不調だったとはいえ、ペティやジーノに比べたら全然優れています。
こうなったら、ブラウンズには毎回ワイルドカードの目の上のタンコブ的なAFC北を存分に荒らしてもらいましょう。
なかなか時間が取れずやっと試合を見終わったのですが、結果を既に知っていてJETS狂さんの記事を見てから観戦したにもかかわらずメイフィールドに2ポイントコンバージョンを決められるまでは、負けたという現実に反して勝利を信じてしまっていました。
プレシーズンをほぼチェックしていなかったので、メイフィールドのパススピードには私自身度肝を抜かれましたが、ハーフタイム後はハーフタイム前に比べれば対応しているようにも見えましたし、アンダーソンのファンブル後をFGに抑えたD#などまだ悪い展開にはなりきっていないと期待をしてしまいました…
個人的にはここ数年の課題ではありますが、TEが足を引っ張っているような気がします。ドロップ、ブロックミス、フォルススタートなどなど。
ある程度ランも出るし、充実のWR陣もいる。僅差で負けてしまうのはOCのプレイコールにも原因があるのでしょうか…
とにかく次は買って気持ちの良い1週間を過ごしたいです!
ambieさん>
やはりスター性のあるTEがダスティン・ケラー以降、育たないのが問題ですね。
セフィリアン・ジェンキンスと契約延長すべきでした。
プレーコール的には、相手のパスラッシュがくるタイミングを読んでそれをかわす手を打ってゲインしてますし、まぁいいんじゃないかと思いますが、ブラウンズのD#が良かったのも敗因です。
不要な反則がリズムを壊して足を引っ張ってるのが一番の問題だと思います。