荒れるFA市場ですが、そんな中にプロレスの話を放り込んでスミマセン。
2011/7/29のWWE・RAW(日本放送)にて、今日のWWEを築きあげた会長”ビンス・マクマホン”が解任されました。
以前、WWEのトップスターである”エッジ”がドクターストップで引退を余儀なくされた時に泣きが入って、思わずこのコーナーで記事を書いてしまいましたが、今回も泣いてしまいました。
アカン、年だ(TωT)。
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▼衝撃だらけの展開を簡単に説明
まぁWWEを見てない人に流れを説明するのは、かなり難しいのですが、ストーリーを箇条書きで追うと。
1.レスラー”CMパンク”は夜中12時を回るとWWEと契約が切れる。その直前に、トップスター”ジョン・シナ”とWWE王座戦を行う事が決定。
つまり”CMパンク”が勝てば、WWE王座を持ったままWWEを去るという団体にとって危機的な事態が発生。
2.会長”ビンス・マクマホン”はこの試合を強行した張本人”ジョン・シナ”が負けると、彼をクビにするという条件をつける。
3.とうとう、その王座戦。長時間に渡る死闘の末に会長”ビンス・マクマホン”は業を煮やして、試合への介入をはかる。
だが、”ジョン・シナ”を勝たせるための介入が、結果的に”CMパンク”を勝たせてしまい、結局パンクはWWE王座を持って団体を去る最悪の結末をむかえる。
4.翌日のRAWで会長は公約どうり、”ジョン・シナ”にクビを通告すべく登場。
5.シナに解雇を通告する直前に、現れたのはWWEのトップスターからビンス・マクマホンの娘と結婚し、いまや団体の重役となった”トリプルH”。つまりビンスにとっては義理の息子。
そのトリプルHは、ビンスの独裁ぶりにWWEの重役部がビンスへ不信任案を決定し、ビンスは会長職を解任。その後任にトリプルHを据える事を決定したと伝える。
つまりビンスにシナを解雇する権利が無くなったので、シナのクビは白紙になった。
6.突如の解任にビンスは目から涙が溢れ出す。義理の父に解任を通知しなければならないトリプルH自身も「愛してるよ、ゴメン」とつらい表情で語る。
最初は「ヘイヘイ、グッバ~~イ」というクビの時に定番のふざけたチャントで盛り上がっていた会場のお客も、さすがに最後には「サンキュー・ビンス」というビンス・マクマホンへの感謝のチャントに変わり、不思議な余韻を残して番組が終了。
▼ビンスとWWE
前にも説明したがWWEには脚本があり、この経緯はストーリーです。。
しかし、WWEのストーリーは現実とリンクしており、映画やアニメと違って、フィクションとノンフィクションの境目が無いのです。それがWWEの魅力でもあります。
今回のストーリーでビンス・マクマホンは第一線から完全に退いて、トリプルHがWWEを仕切る新体制に移行する事を明白にしたのです。つまり、もうビンス・マクマホンを見る事は無いでしょう。
WWE・RAWは1993年から毎週月曜日に生放送され、現在アメリカ一の長寿番組です。
その長い歴史の中には数々のトップスターが生まれましたが、本当の主役は”ビンス・マクマホン”なのです。
暗い体育館でやっていたマイナーなプロレスを、アリーナやスタジアムを満席にするほどの興行を行い、全世界に中継する規模にまでのビジネスに成長させたのはビンス・マクマホンの手腕のほかありません。
ライバル団体に裏番組をぶつけられ、マジで潰れかけた時期もあったり、家族全員がアホなストーリーに絡んで、全米一有名な一家とも言われました。
極めつけは、億万長者である会長自らムキムキの肉体をさらして、血だるまになって試合をしました。経営者なのに、体の張り方はハンパありません。
ゴミ箱をかぶせられて、6mあるハシゴの上からエルボードロップを喰らう会長って、他にいないでしょ。
団体の帝王であるビンスが会長の座を退くという事は、WWE創世記から続いたストーリーの終わりを迎えると言ってもいいと思います。
※ビンスは昔、乗っているリムジンを爆破されるストーリーで、死んだという設定になり一線を退こうとしましたが、ベノワ事件で表に出なければならなくなり、一度引退に失敗してます。
(;´Д`)ノ
▼なぜ泣くのか?
私は熱狂的なWWEのファンってワケじゃあないんですけども約2000年頃から見ていて、もう11年。
ビンスは会長職でありながら第一線に立ち、”ストーン・コールド”のスタナーを受け続け、愛車をコンクリート漬けにされ、トリッシュと浮気して一家崩壊するアホなストーリーを展開し、リングの上でケツを出し、リック・フレアーとの死闘。そしてショーン・マイケルズとの激戦。あげくの果てに7万人の観衆の前で丸刈りの刑。
会長という立場なのに、いつもファンのために本当の意味で体を張って、呼吸困難になるぐらい笑わせてくれました。だからこそ、老いたビンスがリングで泣く姿を見ていて、非常にツライのです。
そしてあのビンスが会長を退くとなると、もうそれはWWEじゃ無い気がしてしまいます。
後任を実の息子であり「プロよりすごい素人レスラー」と言われている”シェーン・マクマホン”ではなく、義理の息子であるトリプルHにしたのも、団体の帝王にふさわしいタレントだからでしょう。
新生WWEがどのように展開していくのか、非常に気になるところです。
そして、私も最後に一言。
Thank You Vince!!
▼:おまけ
→ビンス・マクマホン vs リックフレアー(ロイヤルランブル2002)
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=VVwzqCJCgew&feature=related[/youtube]
→ビンス・マクマホン vs ショーン・マイケルズ (レッスルマニア22)
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=nqwVdoBFAok&feature=related[/youtube]
ステフがシェインを追い落とした時点でハンターがストーリー上のボスになるのは規定路線だったとは今回は前触れが無くいきなりで驚きましたね。
そう言った意味ではシナリオ部門のボスであるステフの手のひらの上なのでしょうがw
ビンスも場合によってはまだ登場すると思いますが、一先ずはお疲れ様でしたと言いたいです。
それにしてもハンターのマイクは絶品でしたね!
いつも強く団体の帝王であったビンスの老いと解任は、強かった親父の今の姿とリンクして切なくなります。
何百回聞いたか分からないHHHのテーマ曲すら、今ではサプライズとなってしまうのにも時代の流れを感じました。
シナといいHHHといい、毎度ながら全世界が見てる生放送で全くミスらず演技っぽくならず話を展開させるWWEのレスラー達は、本当にすごいと思います。
レスリングだけでなく、人をひきつける魅力と頭の回転の速さがトップスターたる証なのでしょう。
とにもかくにもビンス、長い間笑わせてくれてありがとう。
本当にお疲れ様でした。