生ける伝説 vs この間まで大学生

ワイルドカード第3試合は、NFLファン待望のトム・ブレイディ率いる新生バッカニアーズが登場。

18年ぶりのプレーオフなれど、その前回の2002年シーズンはスーパーボウルを制覇しているため、今回も期待が高まります。

相手は、負け越しプレーオフのワシントン・フットボールチーム。

戦力差は明らかであり、バッカニアーズがワンサイドゲームで勝利するかと思われましたが、まさかの伏兵に苦戦を強いられました。

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スコア&ダイジェスト

ハイライト&データ[GAME CENTER(NFL.com)]

 

1Q

2Q

3Q

4Q

TOTAL

バッカニアーズ

9

9

0

13

31

ワシントン

0

7

9

7

23

総評

予想外にワシントンが健闘し、終始2ポゼッション差内の接戦。

理由は、ワシントンのQBが”アレックス・スミス”(以下、アスミス)ではなく、謎のQB”テイラー・ハイニッキー”であったため。

このQB、驚くべき事に先月からチームに入団した事はおろか、それまでNFLにもおらず、プレーオフ直前の12月まで大学で勉強していました。

緊急登板のワシントンQBハイニケ、大学の期末試験は教授の配慮で後日受験

 

そんなQBがいきなりプレーオフで生ける伝説ブレイディ様と投げ合うという、無謀なプランがこの試合に大きく影響しました。

バッカニアーズはワシントンの先発をアスミスと想定。アスミスは今シーズン復帰に至るまで、2年前に右足に重傷を負い、さらに手術後にその足が壊死性筋膜炎に感染したため、右足を切断するかもしれなかった経緯がありました。

「生きている事が幸運」という状況から16回の手術を経て2年ぶりに復帰したアスミスに対して、当然バッカニアーズは走れないアスミスをパスラッシュで追い込むディフェンスプランを立てます。

 

しかし、フタを開ければ想定と違うどころか何もデータが無いハイニッキーが登場。

ハイニッキーは低身長ながら脚力があり、スクランブルからロングパスを投げるラッセル・ウィルソンのようなQBで、フットボールから遠ざかっていたとは思えない落ち着きとパフォーマンスを見せます。

 

このタッチダウンランが凄い。

 

パスのコントロールもサイドラインギリギリに落とす精度があります。

 

加えて、ワシントンのディフェンスはリーグ2位。ドラフト全体2位のDE”チェイス・ヤング”を中心としたパスラッシュがブレイディにプレッシャーを与えました。

 

しかし、バッカニアーズのOLは徐々にワシントンのパスラッシュに対応し、ブレイディ様が本領発揮。

WR”マイク・エバンス”の119ydレシーブを筆頭にあらゆるレシーバーに投げ分け、地上戦ではRB”レオナルド・フォーネット”が98ydを走る活躍を見せ、最後は突き離してバッカニアーズが勝利しました。

 

 

バッカニアーズQBトム・ブレイディ様のスタッツは、パス22/40回381yd獲得、2TD。

序盤はワシントンのパスラッシュに苦戦するも、徐々にいつものパフォーマンスを上げて要所でロングパスを決める活躍。

むしろ、昨シーズンよりも軽快にプレーしている感じがあり、衰えを見せません。

 

一方、いきなりの大舞台で公式戦デビューを飾ったワシントンQB”テイラー・ハイニッキー”のスタッツは、パス26/44回306yd獲得、1TD、1INT。ランではチームTOPの46ydを稼ぎ1TDを記録しています。

 

負けたとはいえ、その活躍ぶりにツィッターのタイムラインは彼の名前ばかり。

チーフスのQB”パトリック・マホームズ”等、各有識者からも称賛の声があがり、公式のツィッターでは彼の総集編が公開されています。

 

来シーズンから彼がワシントンの正式な先発に就く可能性が非常に高いのですが、そうなるとアスミスが49ers時代にキャパニックに先発を奪われた時を彷彿とさせるので、複雑な心境です。