1試合増えた影響はいかに?

突出して強いチームが無く、もつれにもつれたNFL2021シーズン。

昨シーズンからプレーオフ出場チームが各カンファレンス(AFC/NFC)で1チームづつ増えましたが、さらに今シーズンからレギュラーシーズンが1試合増えた事で明暗を分けたチームもいます。

特に私はコルツが確実にワイルドカード・プレーオフ(以下、1回戦)に進出するものだと思っていたので、この記事を書くために事前に集めたコルツ情報がパーになってしまいました。
(TωT)

それはさておき・・

スーパーボウルを目指すAFCの猛者達よ!

デテクイヤ!

※NFC編は以下のリンクから見れます。

ブレイディ様を止めるのはどいつだい!? 前回のAFC編に続いて、NFCのプレーオフ出場チームの適当紹介です。 ※AFC編はこちら https://jets94.com/1

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第1シード:テネシー・タイタンズ

(1回戦免除)

キングヘンリー復活!「地ならし」の恐怖に怯えよ愚民ども

今シーズンもAFC南を制し、再びスーパーボウル制覇を狙うタイタンズ。

しかし、昨シーズンのプレーオフではレイブンズに最大の武器であるRB”デリック・ヘンリー”のラン封じを徹底され、オフェンスが機能せずに敗北。

封じられた重戦車 ワイルドカード第4試合は、昨シーズンのプレーオフと同カードであるレイブンズvsタイタンズです。 昨シーズンはレイブンズの圧勝と予想されながらもタイタンズが見事

 

今シーズンのタイタンズは快進撃を続ける最中、シーズン中盤でRB”デリック・ヘンリー”が負傷により戦列を離れるも、それを補って勝利する強さを見せる。

特にWeek17で7連勝中のドルフィンズ相手にTDさせず大勝した事は自信になっただろう。

 

オフェンスはQB”ライアン・タネヒル”が健在で、WR”A.J・ブラウン”と元ファルコンズのエースWR”フリオ・ジョーンズ”を加えたレシーバー2枚看板が強力。

ディフェンスは昨シーズンより改善されたものの、総じてパスディフェンスが弱い。

 

そして一番の見どころは、プレーオフから待ちに待ったキングヘンリーこと、RB”デリック・ヘンリー”が復活。

巨漢から繰り出すパワーランはまさに「リアル進撃の巨人」。中途半端なタックルをしようものなら「地ならし」されて朽ち果てるのみである。

ヘンリーの存在がプレーオフに大きく影響する事は間違いなく、タイタンズのランアタックの強化に加えて、相手ディフェンスの疲労を倍増させつつ、タイムコントロールを行いやすくなる複数の効果が期待される。

対戦相手はヘンリーの事で頭が一杯になり、夜も震えて眠れないだろう。

 

ちなみに、全米で”カート・ワーナー”の映画が公開されたばかりであり、ワーナーに倒され引き立て役となってしまったタイタンズのリベンジにはもってこいのタイミングである。

今度こそ届くぞ!スーパーボウル制覇!

第2シード:カンザスシティ・チーフス

(1回戦はスティーラーズと対戦)

やはり強い!盤石の赤ヘル軍団

HC”アンディ・リード”とQB”パトリック・マホームズ”が率いるチーフスは、やはり強かった。

昨シーズンは2年連続のスーパーボウルに進出するも、その過程で主力OLを失った影響がモロに出てブレイディ率いるバッカニアーズの前に敗れ去り、2連覇を逃した。

CHALLENGER コロナ感染拡大で不安を抱えながら開幕したNFL2020シーズンも、とうとう最終決戦のスーパーボウルに到達。 史上最高のQB”トム・ブレイディ”が率いる新生

 

今シーズン、マホームズは開幕前に全勝宣言ともとれる発言をするものの、スタートダッシュに失敗し一時期は地区最下位に転落するほどチームは不振となった。

しかし、11月から8連勝で一気に地区首位に躍り出てそのまま地区優勝し、今シーズンもプレーオフ進出を決めたのであった。

 

強さの根源はQB”パトリック・マホームズ”率いるオフェンス陣。

光速WR”タイリーク・ヒル”や無双TE”トラビス・ケルシー”のおなじみのプロボウラートリオ以外に、C”クリード・ハンフリー”がPFFが選出するオールプロに選ばれており、強力なタレントがそろっている。

ターンオーバー数の多い欠点があるものの、3rdDownコンバージョン成功率はリーグ1位、ギャンブル成功率は2位の勝負強さと爆発力がある。

 

不安要素はプロボウルにS”タイラン・マシューズ”が選出されているに関わらずパスD#がリーグ下位であることと、ドラ1RB”クライド・エドワーズ=イレア”の不安定さがある。

しかし、マホームズが繰り出すハチャメチャ(死語)なオフェンスにそんなの関係なし!プレーオフも期待に応えて大暴れしてくるだろう。

 

ちなみに1回戦で対戦するスティーラーズとは既にレギュラーシーズンのWeek16で対戦しており、10-36で大勝している。

しかしながら、その時のスティーラーズはオフェンスのミスが多さが敗因となったため、プレーオフでの再戦では油断大敵である。

第3シード:バッファロー・ビルズ

(1回戦はペイトリオッツと対戦)

3年連続プレーオフ!今度こそ届くかスーパーボウル

QB”ジョシュ・アレン”の加入からすっかりプレーオフの常連となったビルズが地区2連覇でスーパーボウル制覇に再挑戦。

 

武器はQB”ジョシュ・アレン”の規格外の強肩と瞬足。

WR”ステフォン・ディグス”とのホットラインは健在で、WR”コール・ビーズリー”やWR”ガブリエル・デービス”など優秀なレシーバー陣や、プロボウルOT”ディオン・ドーキンス”がその脇を固める。

RB陣が弱く、ランはQB”ジョシュ・アレン”が一人で稼いでいる状況が続いていたが、シーズン終盤にエースRB”デビン・シングレタリー”が調子を取り戻している。

 

オフェンスの強力なタレントに目が行きがちだが、ビルズ最大のウリはディフェンス。

ビルズディフェンスに対するパス獲得ヤード、パス成功率、TDパス数は全てリーグ最少であり、パスD#はリーグ1位。

特にリーグ屈指のCB”トレデイビス・ホワイト”やS”ジョーダン・ポイヤー”、インターセプトを量産するS”マイカ・ハイド”を要するDB陣には要注意。
(追記:CB”トレデイビス・ホワイト”はシーズンエンドしていました)

フロント7にもDT”エド・オリバー”やLB”マット・ミラノ”などのタレントがそろっている。

 

ただランディフェンスが弱いという弱点があり、レギュラーシーズンでもランが強いチームに負けているうえに、ペイトリオッツにはパスを3回しか投げない ほぼラン攻撃だけの戦術の前に敗北している。

 

奇しくも1回戦の相手は、同地区で最後まで優勝争いをしたペイトリオッツ。レギュラーシーズンの決着をつけるチャンスが早くも到来したのである。

第4シード:シンシナティ・ベンガルズ

(1回戦はレイダースと対戦)

最大の問題は鬼門の1回戦

HC”マービン・ルイス”の長期政権が終わり暗黒時代が続くも、今シーズンは強豪ひしめくAFC北を制覇したベンガルズ。

2020年シーズンのドラフト1巡でQB”ジョー・バロウ”を獲得すると、2021年シーズンのドラフト1巡ではルイジアナ州立大学時代にてバロウとホットラインを組んでいたWR”ジャマー・チェイス”を獲得するという、2年越しのオフェンス再構築が成功し、劇的に飛躍した。

このホットラインが起爆剤となり、Week17では8連勝中のチーフスを倒して地区優勝を決めている。

 

ランオフェンスはRB”ジョー・ミクソン”が好調でプロボウルに選出されている。

ディフェンスに関してはブリッツを多用しないにかかわらず、リーグ3位のサック数を誇る。

その筆頭がDE”トレイ・ヘンドリックソン”であり、その脇を固めるDE”サム・ハーバード”、DT”ラリー・オグンジョビ”の3人からのプレッシャーは、QBにとってジェットストリームアタック並みの驚異だろう。

 

しかし、ベンガルズ最大の敵は長年にわたり鬼門となっている1回戦。

私も長年NFLを見ているがプレーオフで勝利したベンガルズを見た事が無いのだ。

ファンはそのような苦い過去を若いチームが払拭してくることに期待するのみだろう。

第5シード:ラスベガス・レイダース

(1回戦はベンガルズと対戦)

亡きジョン・マッデンの魂に届け

ラスベガスに移転して2年目で早くもプレーオフ進出したレイダース。

しかし、その道のりは厳しく、シーズン途中でHC”ジョン・グルーデン”が過去の差別的なメールが公になった事により解雇され、暫定HC”リッチ・ビサッチア”がチームを率いることになった。

さらに11月にはWR”ヘンリー・ラッグス三世”が飲酒運転で死亡事故を引き起こして逮捕、最近のニュースではCB”ネイト・ホブス”も飲酒運転で逮捕されている。

 

Week18(最終週)はチャージャーズとプレーオフ進出を賭けた決戦になり、オーバータイムの死闘の末に勝利してプレーオフ進出の切符を手に入れた。

 

オフェンスはQB”デレク・カー”が好調で、パス獲得ヤードとパス成功率はリーグ上位。レシーバーはWR”ハーター・レンフロー”が頭角を現している。

さらに元タイタンズのドラフト1巡QB”マーカス・マリオタ”を起用した奇策も用意している。

 

ランは昨シーズンのプロボウルRB”ジョシュ・ジェイコブス”が要所で活躍し、勝利へつなげている。

さらにプロボウルK”ダニエル・カールソン”は得点数、回数、成功回数全てリーグTOPの3冠であり、接戦において強力な武器である。

 

ディフェンスは何といっても、DE”マックス・クロスビー”が驚異的な活躍でプロボウルとオールプロに選出。名前のマックスの綴りが「Maxx」とXを2回続けるところも映えて人気者である。

しかしながらドラフトで補強したはずのディフェンスが全体的に弱く、最終戦のチャージャーズ戦でも4thDownギャンブルを何度も通される勝負弱さが露呈している。

インターセプト数もリーグ最下位で、ターンオーバーに期待ができない事もネックになるだろう。

 

今シーズンは元レイダースのHCで解説者、かつ、NFLゲームの金字塔「マッデン」の監修を務めたジョン・マッデン氏が亡くなった。

スーパーボウルを制覇してマッデン氏の追悼に華を添えたい事も大きなモチベーションとなるだろう。

第6シード:ニューイングランド・ペイトリオッツ

(1回戦はビルズと対戦)

秒で王朝再建計画

昨シーズンは長年ペイトリオッツ王朝を支えてきたQB”トム・ブレイディ”がバッカニアーズに移籍。

さらにディフェンスの主力がオプトアウトにより大量に抜けたため弱体化し、地区優勝を11年ぶりに明け渡しプレーオフにも出場できなかった。

 

2021年のドラフトでQB”マック・ジョーンズ”を獲得するも、シーズン序盤は負けが先行し王朝復活には時間が要するように思われた。

しかし、シーズン中盤から調子を取り戻し7連勝。終盤は3敗するも、何とかプレーオフ出場の切符を掴んだのである。

 

特徴はやはりQB”マック・ジョーンズ”のルーキーとは思えない落ち着きぶり。純粋なポケットパサーであり、名将”ビル・ベリチック”がブレイディの後継者に選んだことはある。

しかしながら、オフェンスが進んでもTDパスを決める決定力が低い弱点を抱えており、そこはジェッツが育てた(こだわり)K”ニック・フォーク”が得点数リーグ1位タイの決定力で補ってきた。

加えてTDラン数リーグ2位のRB”ダミアン・ハリス”がオフェンスを支えている。

 

オフェンス力はリーグ下位だがディフェンス力はビルズに次ぐリーグ2位。

ビルズと逆でどちらかというとパスD#よりランD#の方が強く、被TDラン数はリーグで最も少ない。

長年貢献してきたS”パトリック・チャン”が引退したものの、S”デビン・マッコーティー”、LB”カイル・バンノイ”、LB”ドンタ・ハイタワー”と層は厚く、プロボウルにLB”マット・ジュドン”とCB”J.C・ジャクソン”が選出されている。

 

1回戦は同地区ビルズとの対戦であり、レギュラーシーズンでの成績は1勝1敗の互角。

ライバルかつリーグ1位と2位のディフェンス力がプライドを賭けて激突することになる。

第7シード:ピッツバーグ・スティーラーズ

(1回戦はチーフスと対戦)

ロスリスバーガー劇場、開演

昨シーズンより追加された第7シードに滑り込んだのは、予想外のスティーラーズ。

誰もが最終週でコルツがリーグ最下位のジャガーズを倒してプレーオフに進出するかと思っていたら、コルツがまさかの敗戦。

それにより空いた1枠をレイブンズと争って勝利。さらに引き分ければその枠を取られるチャージャーズvs レイダースの試合も引き分けになる直前でレイダースがFGを決めて勝利したため、まさに奇跡的に得たプレーオフ出場である。

 

Week17にスティーラーズを率いて3度のスーパーボウル出場と2度の制覇を成し遂げたQB”ベン・ロスリスバーガー”が今シーズン限りで引退を発表しており、まさかのプレーオフ進出は青天の霹靂だったであろう。

 

オフェンスはエースWR”ジュジュ・スミスシュスター”がシーズン中盤に肩を負傷してシーズンエンドし、レシーバー陣に突出した選手がいないものの、ルーキーRB”ナジー・ハリス”がランでオフェンスを支えている。

 

ディフェンスに関してはJ.J・ワットの弟であるOLB”T.J・ワット”がサック数22.5回を記録しプロボウルとオールプロに選出。

サック22.5回は2位を大きく引き離すぶっちぎりの1位であり、元ジャイアンツのDE”マイケル・ストレイハン”の1シーズン記録に並ぶのである。

(※ストレイハンは17試合制での記録だが、T.Jワットは今シーズン2試合欠場しており、16試合で記録を立てたストレイハンと同率であるかは、議論されるところである)

 

加えてDT”キャメロン・ヘイワード”もプロボウルとオールプロに選出される活躍を見せている。

しかし、「スティールカーテン」と呼ばれる伝統のディフェンス力は、今シーズンは総合で平均以下。とくにラン喪失ヤードがリーグTOPであり、ランディフェンスに弱いことが懸念点である。

 

奇跡的に手に入れた第7シードであり、プレーオフは全試合をアウェイで戦う非常に不利な状況だが、かつてQB”ベン・ロスリスバーガー”は史上初となる第6シードからのスーパーボウル制覇を達成している。

その当時、RB”ジェローム・ベティス”の引退が決まっており、チームはベティスに有終の美を飾るために一丸となり、最高の結果を出したのであった。

 

今回はロスリスバーガーが引退を決めたシーズンであり、かつ、同じ最下位シードからのプレーオフ進出という状況は過去のスーパーボウル制覇時と似ており、スーパーボウル制覇のフラグが立っているように見える。

既に「ロスリスバーガー劇場」は開演しているのかもしれない。