総評

両軍あわせて12サックという スーパーボウル記録を作るほどの激しいD#合戦となったこの試合、

“ペイトン・マニング”が試合事前のコメントで「最後のロデオになるかもしれない」と言い、マニング最後の試合とも銘打たれたのですが、ファーストドライブではパンサーズD#のウラをかいたドライブでFGを演出するものの、マニングのパスは全盛期の球威には程遠いのは明らか。再三、レッドゾーンに攻め入るもTDパスを上げる事はありませんでした。

それどころか、味方が作ったチャンスを決めれないどころか ターンボール気味に投げてINTを献上し、他にも一歩間違っていたらINTされているようなパスも数本あり、若干、足を引っ張っていた感もあります。

 

それでも勝てたのはブロンコスD#の力以外の何者でもありません。ニュートンは立ち上がりはオーバースローもあり本調子とは言えませんでしたが、パスを正確に投げたとしても、ブロンコスDB陣が次々と叩き落す堅守を見せます。

それに加えて鬼のようなパスラッシュがニュートンを徹底的に追い込みます。向かって右から来るOLB”ボン・ミラー”を気にすれば、左から”デマーカス・ウェア”が来る。さらにウルフも強烈で、ターゲットを多くすればパスラッシュに捕まるし、パスプロを多くすればレシーバーをビタビタにカバーされて ターゲットが空かないという地獄。

スイングやスクリーンなど織り込んでも、ブロンコスD#は「知ってたよ」と言わんばかりに対応され、ロスする始末。いかにブロンコスがパンサーズのO#を研究したかが伺えます。

 

こんな時に頼みとなるハズのランは、RB”ジョナサン・スチュアート”が 途中で負傷し、足を引きずるシーンもあり24ydと不発。
ニュートンの必殺スクランブルは数回出るものの、基本的にポケットが圧縮されるスピードが速い上に、不規則にパスラッシュに参加しないD#のQBスパイもあり発揮できず。逆にボールセキュリティが弱い弱点を突かれる結果になりました。

ニュートンがオプションでRBにボールを持たせるか持たせないかの判断ができず、手を引き抜くタイミングが遅れて中途半端なハンドオフで、ファンブルしかけるシーンもありましたね。

 

結局、1回もパンサーズがリードする事はなく、さすがにニュートンのニヤけ顔も息を潜めるどころか、ずっと悲壮な顔をしており、終盤ではフィールドに倒れたり、悔しさを現すリアクションをしたり、態度が酷いものでした。

 

まぁ、OLが守ってくれない上にFGが外れたり、何度も敵陣の奥深く攻め込んでも得点に繋がらないストレスは相当なものでしょう。

肝心の第4Qでは、WR”コーリー・ブラウン”が捕球のさいに頭を打って脳震とうになる事件が発生したうえに、両TがフォルススタートでO#のリズムを壊し、さらにD#ではS”トレ・ボストン”の余計なアンスポーツマン・ライク・コンダクト があったり、CB”ジョシュ・ノーマン”のホールディングが、ブロンコスのTDに繋がる始末。

追いつくチャンスはいくらでもあったのですが、O#もD#も自滅を繰り返しました。

もしかしたら、プレーオフでは前半に大量得点して、後半は時間を潰すというパターンで勝ち上がってきたので、終盤に相手にリードされ追い込まれた時の状況では、精神的なコントロール出来なくなっていたのかも知れません。

 

ということで、2015シーズン終了。これでマニングが引退してくれれば、AFCもちょっとは敷居が下がるでしょう。来シーズンこそジェッツのシーズンだ!

ではでは、

SEE YOU NEXT SEASON!!

 

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>”ペイトン・マニング”のスタッツは、パス13/23回141yd獲得、0TD、1INT。QBレーティング56.6というのは、スーパーボウルで勝利したQBの中で過去4番目に悪い数字とのこと。

昔からプレーオフに弱いとか言わわれつつも、昔はスキあれば一気に相手のD#を切り裂くようなロングパスがありましたが、今のマニングのパスにそんな球威はありません。

現時点で、去就に関しては決まっていませんが、NFLの様々な記録を塗り替えてきたマニングがこのスタッツでは引退は時間の問題でしょう。

 

一方、シーズンMVP”キャム・ニュートン”のスタッツは、パス18/41回265yd獲得、0TD、1INT。ランは45yd獲得。

強肩&オプション&スクランブル の止めようが無いと思われていたO#も、ブロンコスD#の対策の前に撃沈。

特にランが不発になると、相手にDBに揺さぶりをかけれないために、パスターゲットがなかなか空かずパスラッシュの餌食になります。

試合後の会見でブロンコスCB”クリス・ハリス”が「ボックスを包囲し、無理に投げさせる展開に持っていくプランだった」と語っており、ニュートンは見事に相手のプランにハマってしまったようで、これまで唯一負けたWeek16のファルコンズ戦の再来となりました。