スーパーボウルとレッスルマニア両出場は偉業

このブログで散々取り上げていますが、NFLとアメリカ最大のプロレス団体「WWE」は切っても切れぬ仲。

スーパーボウルにはWWEの王座ベルトが持ち込まれたり、”ロブ・グロンコウスキー”が1回目の引退後にWWEに入団し、一応王座を獲得しています。

ロブ・グロンコウスキー WWE
短いプロレス人生 お伝えするのをすっかり忘れておりました。 以前に「WWEレッスルマニア」で「24/7王座」を獲得した”ロブ・グロンコウスキー”がバッカニアーズと契約し、NFL

 

そのWWEにはプロレス業界のスーパーボウルに位置する年間最大イベント「レッスルマニア」があり、これに出場するのが全レスラーの夢なのですが、そこに元コルツで長年パンターを務めた”パット・マカフィー”が出場しました。

いったいなぜ?

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NFL時代のパット・マカフィー(Pat McAfee)

“パット・マカフィー”はパンターで、2009年ドラフト7巡(全体222位)でコルツが獲得。

そしてデビューした2009年から2016年までコルツのほぼ全試合出場しており、2009年シーズンはスーパーボウル(2010年)にも出場しております。
(しかし、セインツに敗戦)

プロボウル2回、オールプロ1回を受賞した名実ともに名パンターでしたが、4年間に3度も手術するほど膝関節に問題を抱えており、そのため2017年に引退を発表しました。

 

パンターという、アメフトの中でも接触が少ない職人系ポジションでしたが、実は幼少の頃からプロレスが好きで、自宅のトランポリンでプロレスごっこをたしなむどころか、大事なドラフト1か月前にローカルプロレスに出場しています。

さらにNFLにいる間にスタンドアップコメディアンをやっており、そもそもショーマン気質のある選手でした。

引退後のマカフィー

引退後はスポーツを中心としたコンテンツを配信する「Barstool Sports(バースツールスポーツ)」に入社し、「パット・マカフィー・ショー」を主催。

しかし、2018年8月末に会社に不信感を持ったらしく退社。

インディアナポリスにPat McAfee Inc.を設立し、ポッドキャストで「パット・マカフィー・ショー2.0」を配信。Youtubeでも同名のチャンネルを開設し、現在も継続しています。

 

バースツールスポーツを退社する少し前にWWEの新人中心を扱う団体「NXT」 にゲストで出演し、それをきっかけにWWEから 徐々に信頼を得て2019年2月にWWEと正式契約しました。

マカフィーは、NXTで持ち前のトーク力を見せる事に留まらず、アダム・コールと試合し、ウォーゲームズにも出場してリングの上でも活躍できることを証明します。

 

2021年には、WWEの2大看板番組の1つ「スマックダウン(Smack Down)」の解説者に就任。

WWEの解説者とは普通のスポーツの解説は違い、臨機応変に面白い事を言わなければならないトーク術が必要かつ、レスラーの抗争に巻き込まれやすい場外に座るという非常に難しい仕事。

元プロレスラー関係者でもアナウンサーでもないマカフィーがこの重要なポジションに就いたのは異例でしょう。

なぜマカフィーがレッスルマニア38に?

きっかけは2022年3月3日、Youtubeの「パット・マカフィー・ショー」にWWE会長である“ビンス・マクマホン”がオンラインで出演し、マカフィーにレッスルマニア38出演をオファーしたことに始まります。

 

しかし、ビンスの手下である”オースティン・セオリー”がマカフィーにちょっかいを出し続けて挑発。

マカフィーはセオリーの執拗な挑発にガマンできず、その結果ハメられてビンスの怒りを買うことになります。

 

そして、マカフィーの公開処刑的にセオリーとの対戦が組まれたのです。

レッスルマニア2日目、パット・マカフィーの試合は?

マカフィーとセオリーの対戦は、ただのシングルマッチで終わるかと思ったら、これがWWE史に残る怒涛の展開になります。

 

パット・マカフィーの入場。会場がカウボーイズのAT&Tスタジアムなので、カウボイーズのチアリーダーを従えて入場します。

 

マカフィーにオファーしたものの、今やマカフィーの公開処刑を見守る立場となったビンス・マクマホンはリング場外で観戦。

 

マカフィーは最初、素人プロレス程度と思われましたが、徐々に難易度が高いハリケーンラナや危険な飛び技スワントーンボムなどを披露し、恐るべき身体能力の高さを見せます。

 

極めつけがこのシーン。トップロープから後転で飛んでキレイに着地して、ジャンプ1発でトップロープに飛び乗って雪崩式ブレーンバスター。

元パンターといえど、やはりNFL選手というのは運動神経のバケモノであることを見せます。

 

死闘の末にセオリーを丸め込んで、3カウントを奪ってマカフィーの勝利!

 

スーパーボウルに匹敵する観客の視線を独り占めにする。これがレッスルマニアで勝利した者への最大の報酬でしょう。

 

しかし、思いあがったマカフィーは、事もあろうにプロレス業界の神ビンス・マクマホンに対してリングに上がれと挑発してしまいます。

 

この挑発にのってビンスは、シャツを脱いで久しぶり過ぎるリングイン。

もはや80歳近いビンスが戦うなんて、誰が予想できたのか。

 

さすがのマカフィーもビンスのあふれ出るカリスマ(?)に無抵抗となりボコられ、最後はアメフトのボールを腹にぶち込まれる屈辱のパントを喰らってKO。

 

ここでビンスの宿敵、ストーンコールドが乱入!

この展開は往年のファンにはたまらない!!

 

あとはおなじみのスタナー祭り!

ビンスが年齢のためよろけてしまって、優しいスタナー。

 

ビンスを粉砕し、マカフィーと祝杯を挙げるストーンコールド。

やっぱり最後はマカフィーをスタナー葬!

 

パット・マカフィーはこうして、史上初のスーパーボウルとレッスルマニアの出場を果たし、ある意味で”ディオン・サンダース”と並ぶ偉業を達成したのでした。

それなのに最後はこんなひどい感じに・・・